| GM | 少し時間を飛ばします。 近いのと、遠いの、どちらがいいですか? |
|---|---|
| 徹 | 遠い……かな? |
| GM | では、12月頃にしましょうか。 よろしい? |
| 徹 | はい。 |
| GM | では、参りましょう。 誰かが居なくても、時間は進む。 そんな月並みなことを言うわけでもないけれど…… 江梨麻紀ちゃんの、茂野明彦先輩病が治って。 浮橋君光が、ガールハントを自粛し始めて。 浅田仮名に、まさかの彼氏が出来て。 伊勢千歌が、引っ越して。 扇冥夢が、行方不明で。 八月朔日遙も、転校してしまって。 当の、上成徹はと言えば…… |
| 徹 | あれから、僕は……普通に、生きていた。 冥夢を、待ちながら。 |
| GM | ……相変わらず、普通の高校二年生を続けていた。 続けて、続けて、気付けば既に肌寒い、12月。 |
| 徹 | もう、息が白い。 あの夏は、もう、遠く、遠い。 |
| GM | 雪はまだまだ降らないだろうけれど、それでも寒い。 徹君は、そんな中、下校中です。 |
| 徹 | はい。 この季節は、日が落ちるのが早い。 |
| GM | 既に薄暗くなり始めてますね。 |
| 徹 | 僕はひとり、家路をゆっくりと歩く。 |
| GM | 角を曲がり、帰路を辿る。 曲がった角のところに、サングラスをかけた人が居た。 |
| 徹 | 「………」 |
| GM | もう、日は暮れるのに。 腕を組んで、誰かを待っているみたいに。 |
| 徹 | 僕はその人の前で立ち止まり 軽く会釈をする。 |
| GM | その人は、軽く首を下げた。 さらり、と黒髪が揺れる。 肩口で切り揃えられたショートボブ。 |
| 徹 | 「君は……誰?」 |
| GM | 首を傾げます。 ゆるり、と。 サングラスで、表情は伺えない。 沈黙…… |
| 徹 | 静かな、空気。 ふっ…… |
| GM | 顔を伏せて、その人ががたがたと震えだす。 「アハッ、アハハハハハハハハハ!」 |
| 徹 | 「……!」 |
| GM | サングラスを外して、顔を上げて―― 「誰って、アハハハ! もう、忘れちゃった?」 |
| 徹 | 「忘れる……もんか!」 |
| GM | 冥夢:「ボクだよ――徹。お久し振りだね、おめでとう♪」 サングラスを外すと、あの目が上成徹を見据えて、微笑んでいた。 |
| 徹 | 「ああ、冥夢……こういうときは、こんばんわだ」 黒い、黒い瞳と―― ――白い、瞳。 |
| GM | 白濁と言ってもいい、左目。 |
| 徹 | きっと――― 色々、あったんだろう。 |
| GM | 冥夢:「ふぅん、そっか」 |
| 徹 | 「そうだよ」 |
| GM | 冥夢:「歩きながら話そうよ。 アハ、色々話したい事あるんじゃない? ボクは、たくさんあるよ」 |
| 徹 | 「ああ……たくさんある、たくさんあるんだ」 |
| GM | 冥夢:「なら、一緒だね♪」 |
| 徹 | 「でも、とりあえず……」 僕は 笑う。 泣くのではなく、笑う。 |
| GM | 冥夢も、無垢に笑う。 置き忘れてしまった、あの幼さのように。 「おかえり、冥夢」 「うん、ただいま」 |
| 徹 | そうして―――― また、物語は始まる。 |
| GM | 冥夢:「んーん。 やっぱり、千歌だったんだね」 |
| 徹 | 「ああ。千歌ちゃんだったんだ」 |
| GM | 何処に向かうかも知れず、歩きながら冥夢と話す。 それはきっと――暗黙の了解。 冥夢:「そっか……予想はしてたけれど、ちょっと残念だね」 残念。 と、冥夢は言う。 |
| 徹 | 「でも…… 彼女は、最後、笑っていたんだ…」 江梨さんのこと、浅田のこと、浮橋のこと、 委員長のこと、明彦先輩のこと、沖那先輩のこと。 他にも、たくさん、たくさん。 |
| GM | 冥夢:「ふーん……」 |
| 徹 | 「冥夢は夜吹と……どうなった?」 |
| GM | 冥夢:「えー」 長く伸ばして。 <「……っと」 さっき仕舞いこんだサングラスを取り出して、両手でかけて見せる。 冥夢:「これが形見。 アハ――結局、最後まで思い出してくれなかったなぁ……」 |
| 徹 | 「そうか……ごめんな」 |
| GM | くっと頭を傾けて 冥夢:「ううん。徹や、他の人にも一杯迷惑かけたしね。 謝るんだったらボクのほうでしょ」 |
| 徹 | 「いいよ、僕は……冥夢が帰ってきてくれたんだ」 |
| GM | サングラスを外します。 冥夢:「アハハ。嬉しいなぁ、徹は。そんな事言ってくれて」 |
| 徹 | 「その、眼は…?」 |
| GM | 冥夢:「うん。傷の方は消えたんだけどね。 最後にざっくりやられた時に、 ここのレネゲイドウィルスが変質しちゃったみたい」 ぱちぱちと、片目ずつウィンクをしてみて。 |
| 徹 | 「大丈夫、なのか?」 |
| GM | 冥夢:「多分問題ないと思うよ。 アハ……戻るかどうかは分らないけど♪ ボクもギリギリだったから…… 自分の体、また保てなくなっちゃって」 |
| 徹 | 「……」 |
| GM | 冥夢:「引っ込んでたんだ」 と、苦笑します。 |
| 徹 | 「大変だったんだな…」 |
| GM | 冥夢:「元々借り物の体だからね」 |
| 徹 | 手を握る。少しでも、繋ぎ止めるように。 |
| GM | 手を握った徹に対して、不思議そうに。 ……と、思い出したような顔をして。 冥夢:「そうそう、言ってなかったね!」 |
| 徹 | 「うん?」 |
| GM | 冥夢:「って言うか話して無かったって言うか。 ちゃんと公言しておいた方が良いかもって」 手を離して、たたっと軽くかけて、正面に立ちます。 |
| 徹 | 「うん、なんだ?」 |
| GM | 冥夢:「予想はついていると思うけれど―― ボクは、緋葉移視です」 自分を掌で指して、そう言う。 |
| 徹 | 「ああ」 |
| GM | 冥夢:「アハハ、反応薄いなぁ」 |
| 徹 | 「お前は…冥夢と、移視、どっちがいいんだ?」 |
| GM | 冥夢:「んー?」 |
| 徹 | 「僕にとっては、お前はお前だから」 |
| GM | そうだなぁ、と、見上げて。 冥夢:「扇冥夢が良いな。 アハ――冥夢って、呼んで下さい。これからも」 そう言って、お辞儀します。 |
| 徹 | 「ああ。僕は、冥夢が好きだよ」 |
| GM | 冥夢:「アハハ、言うタイミング間違ってない?」 |
| 徹 | 「そうだったかな……ごめん」 |
| GM | そうひとしきり笑ってから、思い起こすように言います。 冥夢:「お父さんの――研究で、ある生命体が作られてたんだ」 |
| 徹 | 「うん」 |
| GM | 冥夢:「まぁ、大体は知ってると思うけど。 それが暴走して、ボクは一度死んだ」 |
| 徹 | 「…うん」 |
| GM | 冥夢:「死んじゃったんだよね。6歳だったかな……。 悲しいって言うより、お父さんが悲しむかな、って思った」 |
| 徹 | 「悲しんだよ……いや、悲しめばよかったんだ、あいつは」 |
| GM | 冥夢:「でも、何より……『それ』――ボクを殺した生命、 命が、謝ってるのが聞こえたよ」 |
| 徹 | 「……」 ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ |
| GM | 呟くように、呪文のように。 ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ |
| GM | とにかく、後悔の言葉だけ。謝罪の言葉だけ。懺悔の言葉だけ。 |
| 徹 | 「……優しかったんだな。 そんな生まれで、それでも……優しかったんだな」 マチガイデシタマチガイデシタマチガイダッタンデス、 ジブンナンカウマレテクルベキデハナカッタ、 ズットユメデヨカッタンデス ウマレルノヲノゾマナケレバヨカッタ、 コンナグウゼンネガワナケレバヨカッタ、マチガイデシタ ゴメンナサイ |
| GM | 冥夢:「……そんなのが聞こえて……、 まぁ、いろいろ話したんだけれど」 |
| 徹 | 「お前は…どう思ったんだ?」 |
| GM | 冥夢:「うーん。可愛そうだって思ったかな。 何とかしてあげたいと思ったし、アハハ。 ……何をするにも、手足なんかもうバラバラだったんだけどねー。 そしたらさ」 |
| 徹 | 「そうしたら?」 |
| GM | 冥夢は、言う。 冥夢:「イキタイデスカ……生きたいですか、って」 |
| 徹 | 「……生きたかったんだな」 |
| GM | 冥夢:「うん。 で、体を貰ったんだけど……じゃじゃ馬で」 アハハ、と笑い飛ばす。 冥夢:「落ち着かせるのに凄く時間かかっちゃった。10年近く」 |
| 徹 | 「そんなに…」 |
| GM | 冥夢:「それで、やっと動けるようになって…… そうだ、お父さんに会いに行こうって」 |
| 徹 | 「………」 |
| GM | 冥夢:「いろいろ調べてる内に、徹達に会ったりしてね」 |
| 徹 | 「ああ…」 |
| GM | 冥夢:「その後は知ってるでしょう?」 |
| 徹 | 「ああ。知っている。憶えてるよ。 色々あったな…」 |
| GM | 冥夢:「色々会ったね」 |
| 徹 | 「話してくれて、ありがとう……冥夢」 |
| GM | 冥夢:「ううん。このくらいの物語、もういくらでも。アハハ。 物語……徹の言ってる語り部さん…… と、ボクが会ったのはね」 |
| 徹 | 「ああ…」 |
| GM | 冥夢:「実は、1回だけなんだよね。 アハハハ、暴走してた、あの瞬間だけ」 あの、一瞬。 物語の外側、過去の存在…… 忘れられた夢が、ストーリーに取り込まれた瞬間。 物語の破綻。 |
| 徹 | 「あのときか……」 |
| GM | 冥夢:「千歌は、多分僕を巻き込むつもりは無くって、 逆に僕が巻き込まれなければ―― 最後の理想郷までは辿り着かなかった」 夜吹木枯までで、止まってた。 |
| 徹 | 「…… そうだな……」 |
| GM | 冥夢:「でも、あそこでボクが暴走しちゃったから……、 あの場に語り部が出てきちゃったから、アハハ、 他のメンバーもその存在を知ることになり――って所かな」 |
| 徹 | 「ありがとう……冥夢。お前がいてくれて、良かった」 |
| GM | 冥夢:「ううん」 首を軽く振って。 冥夢:「うん。アハ、そろそろ行こうかな」 |
| 徹 | 「行くって……?」 |
| GM | 冥夢:「ボクの兄弟さん……強化型ジャーム? だかがまだ世界中に居たりするらしいから。 UGNに任せっきりってわけには行かないよ。 アハハ、ある意味ボクの身内だし。 ちゃんと収めるところは収めないとね」 |
| 徹 | 「けど、冥夢は……もう充分頑張っただろ? そんな体になって、誰にも感謝されないで、それでも…行くのか?」 |
| GM | 冥夢:「ボクはわがままを言ったり、遊んだりしてただけだよ。 アハ……誰も見てないと思っても、案外誰か見てくれてるし」 徹とか――、千歌とかね。 と、笑う。 |
| 徹 | 「……じゃあ、さ。 僕も、一緒に行かせてくれよ」 |
| GM | 冥夢:「駄目」 |
| 徹 | 「なんでだよ。 みんな、みんないなくなったんだ。 なら僕は、お前と一緒にいたい」 |
| GM | 冥夢:「成長期もそろそろ終えて、やっと反抗期なボクは、 徹の言いなりになるのはごめんなのです」 アハハハハハ、と笑ってから。 |
| 徹 | 「冥夢は…僕と一緒が、嫌なのか?」 |
| GM | 冥夢:「違うよ。 ボクは、上成徹な上成徹と一緒なのが好きなんだ」 |
| 徹 | 「じゃあ!」 |
| GM | 冥夢:「続けてよ、日常を。 続けなよ、普通を。 皆が逸脱しちゃったそれを続けるのは、凄く難しくて凄く羨ましくて、 凄く格好良い、事なんだから」 |
| 徹 | ……… |
| GM | 冥夢:「安易に道を外れない、格好良い徹が良いな」 魅惑的に、冥夢は笑う。 |
| 徹 | 「……そう、か。 我儘だな、冥夢は」 |
| GM | 白い瞳を閉じて、ウィンクをする。 冥夢:「ボクはわがままだよ、アハ……当然じゃない」 |
| 徹 | 「じゃあ……じゃあ、さ。 何時か冥夢の仕事が全部終わった時は、その時は…」 |
| GM | 冥夢:「あ、わかった。チョコレートパフェだね」 |
| 徹 | 「ああ、帰って来て。一緒に、チョコレートパフェを食べよう」 |
| GM | 冥夢:「アハハ、良いよ。喫茶:Dearの非オジサンにもまた会いたいし」 |
| 徹 | 「それまで僕は、毎日、普通に生きてるよ」 ―――冥夢を、待ちながら |
| GM | 冥夢:「うん。強くなったね、徹」 ぱぁっと、両腕を広げる。 |
| 徹 | 「弱いままだよ、僕は……でも、頑張らないといけないだけだ」 |
| GM | 冥夢:「……ねぇ、覚えてる?」 |
| 徹 | 「……ああ、覚えてる」 |
| GM | 冥夢:「ここ、ボクと徹が、初めて会った場所」 |
| 徹 | 「ここは、僕と冥夢が初めて会った場所」 |
| GM | 冬の日の入りは早い。 さっきまで夕方だったのに。 既に日は落ちて。 公園の街灯に――明かりが灯る。 すっ。 |
| 徹 | どちらからともなく、あの時のように。 |
| GM | 街灯の上に、そいつは立っていました。 |
| 徹 | 街灯を見上げる。 |
| GM | 視線が合う。 |
| 徹 | あの日、あの時のように。 |
| GM | 冥夢:「アハ……素敵な夜だね、おめでとう♪」 そう言って、いたずらっ子のような笑みで―― |
| 徹 | 「こういうときは、こんばんわ、だ」 とん |
| GM | と、一瞬のうちに。 瞬きをしている間に。 |
| 徹 | 「……」 |
| GM | 音も無く、風も無く。 そいつの顔が―― ――今度は、目の前では止まらずに―― |
| 徹 | 「あ…」 「じゃぁね、また……」 「ああ……また、な」 .....Do you know "This" world? Yes! Good Night, and Have a Nice Dream♪ |
| GM | シーンカット。 |
| 徹 | はい。 |
| GM | 最後に皆様へ 流さなければいけないこと。 |
| 徹 | はい。 |
| GM | この話全てを通して―― うそつきなんか だいきらい Dropt-lily |
| GM | 最後の彼女の歌。 |
| 徹 | はい。 |
| GM | ふー………………………………… ふぅ。 |
| 徹 | ふう…… |
| GM | はぁ……。 お、終った。 |
| 沖那 | ああ。これで、終わりだな |
| 遙 | 終わりましたね。 |
| 明彦 | お疲れ様、だ。 |
| GM | ごめんなさい、質問いいですか? 私、どんな方法で殺されるんでしょう? |
| 徹 | いやいやw |
| GM | どんな悪逆で、どんな恐怖的で、 どんな猟奇な方法で殺されるんでしょう…… |
| 沖那 | 褒め殺しあたりでどうでしょう |
| 遙 | それだ。 |
| 徹 | 愛で殺しですね。 |
| 遙 | GMに深い感謝を、とても面白い物語を堪能しました、ありがとうございます。 |
| 徹 | 本当にありがとうございました。お疲れ様です。 |
| GM | ちょ。何でもののみごとに、見事すぎるくらいに、 私の一番苦手な殺し方選択なさるんですか! と、とりあえず、〆ましょう。 ええ、これは大事です。 とても大事です。 |
| 徹 | はい。 |
| GM | これにて、 「Double Cross Second Edition... 夢吐き達の現―うそつきたちのゆううつ―」 最終幕。 ひいては、「Do you know "This" world?」を 終了とさせていただきます。 幕を閉じさせて、頂きます。 皆様、本当にありがとう御座いました。 |
| 徹 | はーい。 |
| GM | そして、お疲れ様で御座いました! |
| 遙 | ありがとうございます、御疲れ様でした。 |
| 沖那 | お疲れ様でした、ありがとうございます |
| 明彦 | アンコールには暫くは答えない。見てくれて感謝する。お疲れ様! |
| 徹 | 本当にありがとうございました。お疲れ様です。 |