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エンディング・フェイズ04
 
GM    少し時間を飛ばします。
   近いのと、遠いの、どちらがいいですか?
 
   遠い……かな?
 
GM    では、12月頃にしましょうか。
   よろしい?
 
   はい。
 
GM    では、参りましょう。


誰かが居なくても、時間は進む。
そんな月並みなことを言うわけでもないけれど……

江梨麻紀ちゃんの、茂野明彦先輩病が治って。
浮橋君光が、ガールハントを自粛し始めて。
浅田仮名に、まさかの彼氏が出来て。
伊勢千歌が、引っ越して。
扇冥夢が、行方不明で。
八月朔日遙も、転校してしまって。

当の、上成徹はと言えば……


 
   あれから、僕は……普通に、生きていた。
   冥夢を、待ちながら。
 
GM    ……相変わらず、普通の高校二年生を続けていた。
   続けて、続けて、気付けば既に肌寒い、12月。
 
   もう、息が白い。
   あの夏は、もう、遠く、遠い。
 
GM    雪はまだまだ降らないだろうけれど、それでも寒い。
   徹君は、そんな中、下校中です。
 
   はい。
   この季節は、日が落ちるのが早い。
 
GM    既に薄暗くなり始めてますね。
 
   僕はひとり、家路をゆっくりと歩く。
 
GM    角を曲がり、帰路を辿る。
   曲がった角のところに、サングラスをかけた人が居た。
 
   「………」
 
GM    もう、日は暮れるのに。
   腕を組んで、誰かを待っているみたいに。
 
   僕はその人の前で立ち止まり
   軽く会釈をする。
 
GM    その人は、軽く首を下げた。
   さらり、と黒髪が揺れる。
   肩口で切り揃えられたショートボブ。
 
   「君は……誰?」
 
GM    首を傾げます。 ゆるり、と。
   サングラスで、表情は伺えない。

   沈黙……
 
   静かな、空気。


 ふっ……


 
GM    顔を伏せて、その人ががたがたと震えだす。

   「アハッ、アハハハハハハハハハ!」
 
   「……!」
 
GM    サングラスを外して、顔を上げて――

   「誰って、アハハハ!
    もう、忘れちゃった?」
 
   「忘れる……もんか!」
 
GM    冥夢:「ボクだよ――徹。お久し振りだね、おめでとう♪」

   サングラスを外すと、あの目が上成徹を見据えて、微笑んでいた。
 
   「ああ、冥夢……こういうときは、こんばんわだ」


黒い、黒い瞳と――
――白い、瞳。


 
GM    白濁と言ってもいい、左目。
 
   きっと―――
   色々、あったんだろう。
 
GM    冥夢:「ふぅん、そっか」
 
   「そうだよ」
 
GM    冥夢:「歩きながら話そうよ。
       アハ、色々話したい事あるんじゃない?
       ボクは、たくさんあるよ」
 
   「ああ……たくさんある、たくさんあるんだ」
 
GM    冥夢:「なら、一緒だね♪」
 
   「でも、とりあえず……」

   僕は
   笑う。
   泣くのではなく、笑う。
 
GM    冥夢も、無垢に笑う。
   置き忘れてしまった、あの幼さのように。




                   「おかえり、冥夢」

                     「うん、ただいま」




 
   そうして――――

   また、物語は始まる。




 
GM    冥夢:「んーん。
       やっぱり、千歌だったんだね」
 
   「ああ。千歌ちゃんだったんだ」
 
GM    何処に向かうかも知れず、歩きながら冥夢と話す。
   それはきっと――暗黙の了解。

   冥夢:「そっか……予想はしてたけれど、ちょっと残念だね」

   残念。 と、冥夢は言う。
 
   「でも……
    彼女は、最後、笑っていたんだ…」

   江梨さんのこと、浅田のこと、浮橋のこと、
   委員長のこと、明彦先輩のこと、沖那先輩のこと。
   他にも、たくさん、たくさん。
 
GM    冥夢:「ふーん……」
 
   「冥夢は夜吹と……どうなった?」
 
GM    冥夢:「えー」

   長く伸ばして。
<「……っと」

   さっき仕舞いこんだサングラスを取り出して、両手でかけて見せる。

   冥夢:「これが形見。
       アハ――結局、最後まで思い出してくれなかったなぁ……」
 
   「そうか……ごめんな」
 
GM    くっと頭を傾けて

   冥夢:「ううん。徹や、他の人にも一杯迷惑かけたしね。
       謝るんだったらボクのほうでしょ」
 
   「いいよ、僕は……冥夢が帰ってきてくれたんだ」
 
GM    サングラスを外します。

   冥夢:「アハハ。嬉しいなぁ、徹は。そんな事言ってくれて」
 
   「その、眼は…?」
 
GM    冥夢:「うん。傷の方は消えたんだけどね。
       最後にざっくりやられた時に、
       ここのレネゲイドウィルスが変質しちゃったみたい」

   ぱちぱちと、片目ずつウィンクをしてみて。
 
   「大丈夫、なのか?」
 
GM    冥夢:「多分問題ないと思うよ。
       アハ……戻るかどうかは分らないけど♪
       ボクもギリギリだったから……
       自分の体、また保てなくなっちゃって」
 
   「……」
 
GM    冥夢:「引っ込んでたんだ」

   と、苦笑します。
 
   「大変だったんだな…」
 
GM    冥夢:「元々借り物の体だからね」
 
   手を握る。少しでも、繋ぎ止めるように。
 
GM    手を握った徹に対して、不思議そうに。
   ……と、思い出したような顔をして。

   冥夢:「そうそう、言ってなかったね!」
 
   「うん?」
 
GM    冥夢:「って言うか話して無かったって言うか。
       ちゃんと公言しておいた方が良いかもって」

   手を離して、たたっと軽くかけて、正面に立ちます。
 
   「うん、なんだ?」
 
GM    冥夢:「予想はついていると思うけれど――
       ボクは、緋葉移視です」

   自分を掌で指して、そう言う。
 
   「ああ」
 
GM    冥夢:「アハハ、反応薄いなぁ」
 
   「お前は…冥夢と、移視、どっちがいいんだ?」
 
GM    冥夢:「んー?」
 
   「僕にとっては、お前はお前だから」
 
GM    そうだなぁ、と、見上げて。

   冥夢:「扇冥夢が良いな。
       アハ――冥夢って、呼んで下さい。これからも」

   そう言って、お辞儀します。
 
   「ああ。僕は、冥夢が好きだよ」
 
GM    冥夢:「アハハ、言うタイミング間違ってない?」
 
   「そうだったかな……ごめん」
 
GM    そうひとしきり笑ってから、思い起こすように言います。

   冥夢:「お父さんの――研究で、ある生命体が作られてたんだ」
 
   「うん」
 
GM    冥夢:「まぁ、大体は知ってると思うけど。
       それが暴走して、ボクは一度死んだ」
 
   「…うん」
 
GM    冥夢:「死んじゃったんだよね。6歳だったかな……。
       悲しいって言うより、お父さんが悲しむかな、って思った」
 
   「悲しんだよ……いや、悲しめばよかったんだ、あいつは」
 
GM    冥夢:「でも、何より……『それ』――ボクを殺した生命、
       命が、謝ってるのが聞こえたよ」
 
   「……」


 ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ
 ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ


 
GM    呟くように、呪文のように。


 ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ
 ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ


 
GM    とにかく、後悔の言葉だけ。謝罪の言葉だけ。懺悔の言葉だけ。
 
   「……優しかったんだな。
    そんな生まれで、それでも……優しかったんだな」


 マチガイデシタマチガイデシタマチガイダッタンデス、
 ジブンナンカウマレテクルベキデハナカッタ、
 ズットユメデヨカッタンデス


 ウマレルノヲノゾマナケレバヨカッタ、
 コンナグウゼンネガワナケレバヨカッタ、マチガイデシタ


 ゴメンナサイ


 
GM    冥夢:「……そんなのが聞こえて……、
       まぁ、いろいろ話したんだけれど」
 
   「お前は…どう思ったんだ?」
 
GM    冥夢:「うーん。可愛そうだって思ったかな。
       何とかしてあげたいと思ったし、アハハ。
       ……何をするにも、手足なんかもうバラバラだったんだけどねー。
       そしたらさ」
 
   「そうしたら?」
 
GM    冥夢は、言う。

   冥夢:「イキタイデスカ……生きたいですか、って」
 
   「……生きたかったんだな」
 
GM    冥夢:「うん。 で、体を貰ったんだけど……じゃじゃ馬で」

   アハハ、と笑い飛ばす。

   冥夢:「落ち着かせるのに凄く時間かかっちゃった。10年近く」
 
   「そんなに…」
 
GM    冥夢:「それで、やっと動けるようになって……
       そうだ、お父さんに会いに行こうって」
 
   「………」
 
GM    冥夢:「いろいろ調べてる内に、徹達に会ったりしてね」
 
   「ああ…」
 
GM    冥夢:「その後は知ってるでしょう?」
 
   「ああ。知っている。憶えてるよ。
    色々あったな…」
 
GM    冥夢:「色々会ったね」
 
   「話してくれて、ありがとう……冥夢」
 
GM    冥夢:「ううん。このくらいの物語、もういくらでも。アハハ。
       物語……徹の言ってる語り部さん……
       と、ボクが会ったのはね」
 
   「ああ…」
 
GM    冥夢:「実は、1回だけなんだよね。
       アハハハ、暴走してた、あの瞬間だけ」

   あの、一瞬。
   物語の外側、過去の存在……
   忘れられた夢が、ストーリーに取り込まれた瞬間。

   物語の破綻。
 
   「あのときか……」
 
GM    冥夢:「千歌は、多分僕を巻き込むつもりは無くって、
       逆に僕が巻き込まれなければ――
       最後の理想郷までは辿り着かなかった」

   夜吹木枯までで、止まってた。
 
   「……
    そうだな……」
 
GM    冥夢:「でも、あそこでボクが暴走しちゃったから……、
       あの場に語り部が出てきちゃったから、アハハ、
       他のメンバーもその存在を知ることになり――って所かな」
 
   「ありがとう……冥夢。お前がいてくれて、良かった」
 
GM    冥夢:「ううん」

   首を軽く振って。

   冥夢:「うん。アハ、そろそろ行こうかな」
 
   「行くって……?」
 
GM    冥夢:「ボクの兄弟さん……強化型ジャーム?
       だかがまだ世界中に居たりするらしいから。
       UGNに任せっきりってわけには行かないよ。
       アハハ、ある意味ボクの身内だし。
       ちゃんと収めるところは収めないとね」
 
   「けど、冥夢は……もう充分頑張っただろ?
    そんな体になって、誰にも感謝されないで、それでも…行くのか?」
 
GM    冥夢:「ボクはわがままを言ったり、遊んだりしてただけだよ。
       アハ……誰も見てないと思っても、案外誰か見てくれてるし」

   徹とか――、千歌とかね。  と、笑う。
 
   「……じゃあ、さ。
    僕も、一緒に行かせてくれよ」
 
GM    冥夢:「駄目」
 
   「なんでだよ。
    みんな、みんないなくなったんだ。
    なら僕は、お前と一緒にいたい」
 
GM    冥夢:「成長期もそろそろ終えて、やっと反抗期なボクは、
       徹の言いなりになるのはごめんなのです」

   アハハハハハ、と笑ってから。
 
   「冥夢は…僕と一緒が、嫌なのか?」
 
GM    冥夢:「違うよ。
       ボクは、上成徹な上成徹と一緒なのが好きなんだ」
 
   「じゃあ!」
 
GM    冥夢:「続けてよ、日常を。
       続けなよ、普通を。
       皆が逸脱しちゃったそれを続けるのは、凄く難しくて凄く羨ましくて、
       凄く格好良い、事なんだから」
 
   ………
 
GM    冥夢:「安易に道を外れない、格好良い徹が良いな」

   魅惑的に、冥夢は笑う。
 
   「……そう、か。
    我儘だな、冥夢は」
 
GM    白い瞳を閉じて、ウィンクをする。

   冥夢:「ボクはわがままだよ、アハ……当然じゃない」
 
   「じゃあ……じゃあ、さ。
    何時か冥夢の仕事が全部終わった時は、その時は…」
 
GM    冥夢:「あ、わかった。チョコレートパフェだね」
 
   「ああ、帰って来て。一緒に、チョコレートパフェを食べよう」
 
GM    冥夢:「アハハ、良いよ。喫茶:Dearの非オジサンにもまた会いたいし」
 
   「それまで僕は、毎日、普通に生きてるよ」


―――冥夢を、待ちながら


 
GM    冥夢:「うん。強くなったね、徹」

   ぱぁっと、両腕を広げる。
 
   「弱いままだよ、僕は……でも、頑張らないといけないだけだ」


 
GM    冥夢:「……ねぇ、覚えてる?」


 
   「……ああ、覚えてる」


 
GM    冥夢:「ここ、ボクと徹が、初めて会った場所」


 
   「ここは、僕と冥夢が初めて会った場所」


 
GM    冬の日の入りは早い。
   さっきまで夕方だったのに。
   既に日は落ちて。
   公園の街灯に――明かりが灯る。


       すっ。


 
   どちらからともなく、あの時のように。
 
GM    街灯の上に、そいつは立っていました。
 
   街灯を見上げる。
 
GM    視線が合う。
 
   あの日、あの時のように。
 
GM    冥夢:「アハ……素敵な夜だね、おめでとう♪」

   そう言って、いたずらっ子のような笑みで――
 
   「こういうときは、こんばんわ、だ」


       とん


 
GM    と、一瞬のうちに。
   瞬きをしている間に。
 
   「……」
 
GM    音も無く、風も無く。

   そいつの顔が――

   ――今度は、目の前では止まらずに――
 
   「あ…」






                「じゃぁね、また……」




           「ああ……また、な」




          .....Do you know "This" world?

      Yes!

     Good Night, and Have a Nice Dream♪




 
GM    シーンカット。
 
   はい。
 
GM    最後に皆様へ
   流さなければいけないこと。
 
   はい。
 
GM    この話全てを通して――




 うそつきなんか
  だいきらい


  Dropt-lily




 
GM    最後の彼女の歌。
 
   はい。
 
GM    ふー…………………………………
   ふぅ。
 
   ふう……
 
GM    はぁ……。
   お、終った。
 
沖那    ああ。これで、終わりだな
 
   終わりましたね。
 
明彦    お疲れ様、だ。
 
GM    ごめんなさい、質問いいですか?
   私、どんな方法で殺されるんでしょう?
 
   いやいやw
 
GM    どんな悪逆で、どんな恐怖的で、
   どんな猟奇な方法で殺されるんでしょう……
 
沖那    褒め殺しあたりでどうでしょう
 
   それだ。
 
   愛で殺しですね。
 
   GMに深い感謝を、とても面白い物語を堪能しました、ありがとうございます。
 
   本当にありがとうございました。お疲れ様です。
 
GM    ちょ。何でもののみごとに、見事すぎるくらいに、
   私の一番苦手な殺し方選択なさるんですか!
   と、とりあえず、〆ましょう。
   ええ、これは大事です。
   とても大事です。
 
   はい。
 
GM    これにて、
   「Double Cross Second Edition...
    夢吐き達の現―うそつきたちのゆううつ―」
   最終幕。
   ひいては、「Do you know "This" world?」を
   終了とさせていただきます。
   幕を閉じさせて、頂きます。
   皆様、本当にありがとう御座いました。
 
   はーい。
 
GM    そして、お疲れ様で御座いました!
 
   ありがとうございます、御疲れ様でした。
 
沖那    お疲れ様でした、ありがとうございます
 
明彦    アンコールには暫くは答えない。見てくれて感謝する。お疲れ様!
 
   本当にありがとうございました。お疲れ様です。
最終更新:2020年05月16日 12:56