ほむらスレ80より



309 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/12(月) 19:53:54.77 ID:8ehO9NnP0
今夜は中秋の名月と聞いて「月が綺麗ね…」とかそんな感じのお月見ほむまど想像したらSG浄化された

336 名前:>>309 月見 1/2[sage] 投稿日:2011/09/12(月) 21:49:17.83 ID:QaPBZU0Q0
 季節が秋に差し掛かり、しつこく残る夏の暑さも徐々に薄れてきた頃。
見滝原のとある公園に、並んで座る二つの人影があった。

「わぁ、綺麗だねー」
一人は肩に届く位の明るい髪を、二つ結びにして。

「そうね……」
もう一人は、長い黒髪。

 時刻は午後9時を回った頃。

 今夜は中秋の名月。
煌々と輝く真円が、夜空を切り取るかのように浮かんでいる。

「ねぇ、まどか」
「ん? なぁに、ほむらちゃん」

 ほむらと呼ばれた黒髪の少女が、月明かりに照らされる整った顔をもう一人の少女に向けて、言葉を続ける。

「夏目漱石が学校の先生をしていた時。彼の教え子が『I love you』を『我君ヲ愛ス』と訳したのを聞いて、こう言ったそうなの」
「『月が綺麗ですね』と言いなさい。それで伝わりますから」

「ふぅん。なんだか、素敵。夏目漱石さんって、ロマンチストだったんだね」

 まどかと呼ばれた少女は、幼さの残る顔に笑みを浮かべて応える。
そうね、とほむらが返し、

ふと、いつもより明るく街を照らしていた月明かりが翳る。
見れば、月には薄い雲が掛かっていた。

337 名前:>>309 月見 2/2[sage] 投稿日:2011/09/12(月) 21:50:21.51 ID:QaPBZU0Q0
「…………」
「…………」

 静寂。

 しかし、それは決して、重い沈黙ではなく。
それは決して、完全な無音ではなく。
微かな風の音と虫達の声が辺りに満ちて。
緩やかに、優しい時間が流れていた。

 そして、月に陰を落としていた雲が切れ。

「ほむらちゃん」
「まどか」

 二人同時に投げ掛けた呼び声が、静寂を破る。

「ふふ。どうしたの、まどか」
「えへへ……ほむらちゃんから、どうぞ」
「……たぶん、あなたと同じ事を言おうと思っているわ」
「そうだね……じゃあ、一緒に言おっか」
「ええ」

 二人が互いに向き直る。
合図などは要らない。
確かな信頼が、そこには在って。

『月が、綺麗ですね』

 優しい月明かりに照らされて、地面に伸びる二つの影が。
再び訪れた静寂の中、そっと一つに重なった。

338 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/12(月) 21:52:54.69 ID:QaPBZU0Q0
月見ほむまどと聞いて妄想したら即興で出来てしまったSSのような何かでした
お邪魔しました
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最終更新:2011年09月15日 05:11