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「随分無茶をするんだねキミは。たしかにソウルジェムの秘密に気がついた子が居なかったわけじゃないけれど、自分から投げ捨てるような真似をするのは初めてみたよ、暁美ほむら」

ほむらの呼びかけに応じる形で、屋上の入り口の一番近くに居たマミの側に、蜃気楼が立ち込めるように白いぬいぐるみが現れる

「うぉ!?・・・キュゥべえ、あんたいきなり現れないでよ。つーかその登場の仕方、怪しすぎなんだけど」
「キュゥべえ・・・一体これはどういうことなの?」

現れた『大事なお友達』に、怪訝な表情を浮べて問い質すマミ

「どういうことも何も見た通りさ。彼女の言っていたように、ソウルジェムは魔法少女の魂で肉体は外付けのハードウェア。だからさっきみたいに本体から離れすぎるとコントロールが利かなくなってしまうのさ」
「そんな!・・・そんなこと、聞いてないわ」
「知らなくても何の不都合もないからね。普段は当然肌身離さず持ち歩いてるんだから、こういう事故は滅多にあることじゃないんだ。それにキミはデメリットばかりに目が行っているようだけど、
むしろメリットの方が遥かに大きいんだよ?魔力をより効率的に運用できるし、ソウルジェムが砕かれない限り、肉体が死のうと魔法少女としての死には繋がらないからね」
「・・・だからってこんなの・・・誰も頼んでないわよ!」

裏切られたような表情を浮かべ、キュゥべえをみつめるマミ
その様子はまどかやさやかが今まで見たことがない、優しい先輩とはかけ離れたものだった

「マミさん・・・」

(巴さん・・・やっぱりショックは隠しきれないか。まさかアイツの弁護をするはめになるとはね)

「落ち着いて巴さん。そいつの言う通り、この事は私たち魔法少女にとっては有利に働くことの方が多い。痛覚を制御したり・・・あの時まどかを庇った私がああやって立っていられたのは・・・いいえ、
そもそも傷を負いながらまどかを庇い続けられたのも、魂が肉体から分離できていたお陰です。そうじゃなかったら、きっと最初の一撃で痛みの余り気を失っていたか、まどかを離していたでしょうね」

マミの両肩に手を置き、静かに諭すほむら

「でも!・・・これじゃあ私たちは・・・」
「それに私の祈りは・・・肉体をズタズタにされた程度のことで立ち止まってはいられないんです」

どこか遠くを見るような目で語るほむらと、その表情を見上げて言葉を失うマミ

そんな二人の心中も知らず、淡々と続けるキュゥべえ

「たしかに痛覚を制御出来るのも大きなメリットだね。でも完全に痛みを消してしまうと動作が鈍るからお勧めはしないよ。それにそもそも、交通事故で死に掛っていたマミに選択の余地なんて無かったじゃないか。
あのまま死んでしまうよりずっとマシだったはずだろう?それに暁美ほむらに至っては、ボクは契約した覚えすらないんだけど。それで文句を言われるのは納得がいかないよ」
「キュゥべえアンタ・・・ほむらが力づくでもまどかや私に近づけまいとした訳が、ちょっとわかる気がしてきたわ。お前・・・他にも魔法少女について私たちに隠してることがあるんじゃないでしょうね?」

かつてのマスコットに対するような態度とは一転させて、鋭い目つきで問い質すさやか

「そんなことを言われても、ボクが知っていて君たちが知らない知識なんてたくさんありすぎてどれを指しているのやら。具体的に指摘してもらわないとわからないよ。
さしあたって知らないと困るような事は、全て教えているつもりだけね」 

ほむらはそんなことをのたまう白い小動物を一瞥すると、静かに言い放つ

「・・・聞くだけのことは聞いたわ。消えなさい」
「やれやれ・・・君たちはいつもそうだね。事実をありのままに伝えると、決まって同じ反応をする」

キュゥべえは首を左右に軽く振ると、出てきた時と同じく霞のように消えてしまった




結局、その後は三人で付き添ってマミを自宅まで送り届けることになった
思い思いに慰めの言葉をかけるさやかとまどかと、静かにマミの右手を握り続けたほむら
別れ際にはなんとか平静を取り戻したようには見受けられたが・・・


更にその後、三人で途中まで帰宅する間に、まどかとさやかに釘を差すほむら

「ああいう事はなってしまった後だから言えるのよ。貴女たちが魔法少女に対して変な幻想を抱くのはやめなさい」
「・・・上げたり落したり、アンタも苦労性ね。んー?あれかー?転校生はツンデレキャラってやつか?・・・そう考えると、なんかアンタのやってた事が可愛く思えてくるわね」
「? 何を言っているの?美樹さやか」
「あんた実は良いヤツだから、今までごめんねって言ってんの」

そんなセリフをまくし立てながら、照れ隠しにほむらに抱きついて腰周りに手を伸ばすさやか

「な、貴女何をしているの?」
「んー?スキンシップ?悔しいけどアンタ容姿は最高だもんね、性格はちょっと捻くれてるけど。なんならさやかちゃんの嫁にしてやってもいいんだよ?へへっ」
「もー!さやかちゃんほむらちゃんに変なことしちゃだめだよ。今まであれだけ意地悪言ってたくせに、調子良いんだから」

呆れ顔で物申すまどかに黒髪の少女の腰を抱いたまま近づくと、空いた左手で抱き寄せるさやか

「ジェラシーかぁ?心配しなくても本妻はまどかだから安心しなって。あー、それかこの場合はむしろアタシに嫉妬してるのか?可愛いやつめ~うりうり」

左腕に抱えたまどかと右腕に抱えたほむらをまとめて抱きしめる

「さ、さやかちゃん・・・何言ってるの?(あわわ、ほむらちゃんの顔がこんな近くに・・・)」
(この子なりにまどかを心配して空気を明るくしようとしてくれているのかしら・・・)

さやかのハグから抜け出すと、軽く髪を整えて、静かに呟くほむら

「お陰さまでさっきまでの気まずさはなくなったわ。ありがとう、美樹さん」
「へ!? ・・・なんのことやら?ははは・・・。んじゃ、私はここで別れるわ。ちょっと寄るところがあるし。ほむらはこの子を家まで送ってやって?じゃーねー」
「・・・さやかちゃんったら、ほんと一方的なんだもん・・・ごめんねほむらちゃん。あはは」

逃げるように去っていくさやかを見送って、苦笑を浮べるまどか

「彼女・・・やっぱりお見舞いに行くのかしら」
「え・・・多分そうだと思うけど。よく知ってるね」
「・・・奇跡には重い対価が付き物なの。変な事を考えなければ良いけれど」

小さくなっていくさやかの背中を見送りながら、まどかには聞こえない小さな声で呟いた




「それであの・・・さやかちゃんのごめんなさいついでなんだけど。さっきはあんな生意気なことを言ってごめんね?」

通学鞄の紐を両手で弄って歩きながら、少し俯いて語りかけるまどか

「? どれのことかしら」
「えっと・・・屋上でその・・・ほむらちゃんがさやかちゃんと仲直りしたくて計算してやったことなのに、取り乱して・・・その」
「その事なら気にしなくて良いわ。あんな方法しか浮かばなかった私に非があるし。・・・それに、ああいう風に言ってもらえて嬉しかったから・・・。きっとあの言葉も巴さんには慰めになったでしょうね」
「それなら良いんだけど・・・それじゃあ、さやかちゃんと仲直りしてくれてありがとうね」
「・・・どう致しまして。正直、私も少しほっとしたわ」
「うん・・・あ、それとまたマミさんの事も慰めてあげてね?私たちから言うより、ほむらちゃんからの方がマミさんも嬉しいだろうから・・・」

浮べた笑顔を一転、少し曇らせながら呟くまどか

「そうね。私と彼女はこの町で二人きりの魔法少女だから・・・。でもきっと大丈夫よ。彼女は強いもの」
「・・・そうだほむらちゃん。あのね、今から時間ある?」
「ええ、まだ明るいし少しなら大丈夫だけれど」
「あのね、今まで何度も助けてもらったお礼に、ケーキをごちそうしたいの。ちょっと通り過ぎちゃったけど、美味しいケーキ屋さんまで付き合ってもらえないかな?」

(これ以上まどかと親しくするべきではないけれど・・・)

この後立ち寄るであろう、マミの部屋でのやり取りを考えると気が重く、またまどかのささやかな願いを断るほどの強い意志は、今のほむらには残されていなかった

「そう・・・ありがとう。お言葉に甘えるわ」




「だめね、開かないわ・・・」

変身したほむらは薄暗く狭いエレベーターの中で、分厚い扉を開けようと中央の隙間に両手を掛けて左右に懸命に引くも、びくともせずに大きく息を吐いた

「どうしよう・・・まさか閉じ込められちゃうなんて」

ショッピングモールのカフェでケーキを楽しんだ後、帰宅するために1Fへと続くエレベーターに乗り、閉じ込められてしまった二人

(重火器や爆弾を使えば開けれなくはないけれど・・・それだとまどかに危害が及ぶ上に、あとでやっかいなことになりかねないわ・・・お手上げね)

「ごめんなさい、私の魔法少女としての力が足りないせいだわ。きっと巴さんや他の子なら、これくらい難なく脱出出来るんでしょうけど・・・」

変身を解いて、念の為にもう一度非常回線のインターホンを確認しながら呟くほむら

(私は無力ね・・・こんな些細な事からもまどかを守れない・・・)

「そんな、ほむらちゃんのせいじゃないよ。・・・だめだ、携帯も電波が通じないや」
「・・・かすかに使い魔の気配を感じたから、おそらくこのエレベーターの周りが結界に取り込まれたんでしょうね。電気も電波も通じてないし」
「どうにかならないの?マミさんにテレパシーで助けを呼ぶとか・・・」
「さすがにここから巴さんのマンションまでは届かないわね。普段の彼女なら、使い魔の気配に気が付いて助けに来てくれるでしょうけど・・・」

別れ際の覇気の無いマミの表情を思い浮かべ、ため息をつく

(魔法少女の気配に気付かずに結界に巻き込むような使い魔じゃ、あっちから出向いてきてくれることもないか。・・・これは長引くかもしれないわね)

「うん、きっとマミさんが助けに来てくれるよね・・・」
「今私たちに出来る事は・・・極力何もしない事ね。じっとして、助けを待ちましょう」

壁際の床に通学鞄を置くと、その上に体育座りで腰掛けるほむらとそれに習うまどか

『なるべく喋らないようにして、呼吸をする回数も減らしましょう。長時間閉じ込められれば窒息する可能性も出てくる。喋れないのは辛いし、こうしてテレパシーで話しかけてくれてかまわないから』
『うん・・・ありがとうほむらちゃん』

右に寄り添って座るまどかの不安を和らげようと、髪を優しく撫で、その小さな左手を握って魔力で意思を伝えるほむら
そんな黒髪の美少女に甘えるように、寄りかかるまどか

そしてその体温に触れた時に、鼓動が不自然なほど遅い事に気が付いてしまう

『ほむらちゃん?なんだかほむらちゃんの身体が冷たくなってるような・・・それに心臓も遅くない・・・?』
『・・・ええ、酸素の消費を抑えるために身体の機能を最低限を残してカットしているから。それでも息苦しくなってきたら言って。完全にOFFにして10分に1回ほど魔力を送って動かすようにするわ』
『それってまさか・・・また』
『大丈夫よ。仮死状態にするだけだし、意識はソウルジェムの方で管理するから話すことは出来る』

「だめだよ!また私のせいでほむらちゃんがあんな風になるなんて・・・そんなの絶対だめっ!」

屋上で瞳孔を開いたまま冷たくなって動かない、変わり果てたほむらの姿を思い出し、思わず声を上げてしまうまどか

『落ち着いて。待機電力を節約するために、テレビのコンセントを抜くようなものよ。動かそうと思えばすぐに動かせるから』
『でも・・・』
『これは自分を粗末にするわけじゃないわ、貴女を守るために必要なことなの。それに巴さんにあんなえらそうなことを言っておいて、ここから出られないのもまたまどかを巻き込んでしまったのも、私の力が及ばないせいだから』
『ほむらちゃん・・・』

ほむらに大きく寄りかかったまどかは、腕の中に顔を埋めてその華奢な身体を強く抱きしめる
まるで冷たくなっていく愛しい人の体温を、少しでも温めようとするかのように

しばらくそうして抱き合ってから、かすかに聞こえるやさしい鼓動とほのかに甘い香りに包まれて、心を落ち着けたまどかは
冷静になって胸に顔を埋めるような体勢を取っている事に気が付き、赤面して距離を取った

『ご、ごめんね。ずっとあんな体勢で重かったよね?』
『平気よ、身体の感覚は殆どカットしていたから重さも感じないもの。夜になって冷えてきたのね、寒いならこの身体は貴女の好きに使ってくれてかまわないわ』
『え・・・あはは、女の子がそんなこと言っちゃだめだよ、ほむらちゃん』

ほむらの言い回しにドキっとしたまどかは、苦笑しながら雑念を払うも、肌の感触が恋しくなって左手を繋ぎなおす

『あのねほむらちゃん・・・どうして出合ったばかりの私にこんなに優しくしてくれるの?』
『・・・別にやさしくしているつもりはないのだけれど。魔法少女である私が一般人の貴女を守るのが、そこまで不自然かしら?』

(まるで巴さんみたいな正義の魔法少女のセリフね。・・・私なんかが)

でも学校では他の子に話しかけたりしないよね・・・と続けようとして、まどか自身もほむらから話しかけられる事は殆どなかった事に気が付く

(・・・そっか、そうだよね。ほむらちゃんはやさしいベテラン魔法少女だもんね。私だけ特別なわけないよね・・・)

そしてマミに対してだけ時折見せる、打ち解けた表情を思い出して言葉を紡ぐ

『でもマミさんとは仲直りしてから親しげだよね?・・・まるで昔からの知り合いだったみたいに見えたもん』
『・・・気のせいよ。彼女とは利害の一致から組んでいるに過ぎない』
『えぇ・・・そんなことないよ。マミさんも、ほむらちゃんの事を話すときは嬉しそうだったし』
『・・・彼女はずっと一人でこの街を守ってきて、魔法少女の仲間が欲しかったのよ。パートナーを組めるなら誰が相手でも喜んだでしょうね』

かつてマミが契約したまどかと楽しげにしていたことを、同じように羨ましく思っていた事が頭をよぎる

『・・・どうしてそんな冷たいことを言うの?』
『私はきっと、貴女が思っているよりずっと卑怯で醜い人間よ・・・』
『そんなことないよ・・・ほむらちゃんは・・・』

そんな時、遠くからかすかに幼児が叫ぶような声が聞こえ、薄暗かった密室の電灯が点滅し、緊急停止していたエレベーターに電気が通い始める

「あれ・・・動き出した」

状況の変化を確認すると、停止させていた肉体に意識を戻し、立ち上がって軽く伸びをすると、1Fのボタンを押すほむら
活動を再開したエレベーターは静かな機械音と共に動き出し、チーンと到着を告げる音がしてあっさりと外界への扉が開かれた

「出られたわね・・・使い魔が移動したのかしら」

外に出ると周囲の様子を注意深く確認し、不自然なほど人気を感じない町並みを見渡す
すると、学校へと続く道路の方から見慣れた羽帽子と黄色い衣装が目に映った

『巴さん、来てくれたんですね・・・助かりました』
『あら、貴女たち・・・』

少し離れた場所から魔力で視力を強化した瞳で、遠ざかっていく使い魔の結界とエレベーターの中から顔を覗かせるまどか、それを守るように立つほむらを見つけ、
薄々事情を察したマミが駆け寄ってくる

「マミさんやっぱり助けに来てくれたんですね、ありがとうございます」
「私は使い魔を追ってここにたどり着いただけよ。何匹かは倒したんだけど、数が多くて半分くらいは逃げられてしまったわ。追わないと」
「じゃあほむらちゃん、私の事は良いからマミさんを手伝ってあげて?」
「でも使い魔は鹿目さんの家の方角へ逃げたのよ・・・今一人で帰るのは危険ね」

マミの状況説明を聞いて、少し思案したほむらはまどかの小さな身体を抱き上げた

「わっ!?・・・ほむらちゃん?」
「使い魔を追うついでに送るわ。どうせ向かう方向は一緒だもの。しっかり捕まってなさい」
「あらあら、お姫様抱っこで追いかけっこだなんて、まるで映画みたいで素敵ね?鹿目さん」
「あははは・・・」

今日はよく抱きしめたり抱きしめられたりする日だな、なんて場違いな感想を浮べて頬を染めるまどかであった




「大丈夫暁美さん?・・・本当にごめんなさい。完全に私のミスだわ・・・」

使い魔の群を追いかけ、追い詰めたほむらたち
そしてまどかをマミの結界で守りつつ、互いに背を預けて空中から飛びかかる使い魔を相手にしていた
しかしギャラリーが居た為か、昼間の屋上での一件が尾を引いていたのか、どこか集中を欠いていたマミは側面から襲い掛かる一匹の使い魔に気がつけなかった
四方を油断無く見張っていたほむらは、咄嗟にそんなマミを突き飛ばして庇うも、身代わりにわき腹を貫かれてしまったのであった

使い魔を倒し終わった後、傷を案じるまどかを帰らせるのに苦労したのは言うまでも無かった

「いえ、私の判断も悪かったですから・・・気になさらないでください。それに怪我も治していただきましたし」

治癒魔法による治療が終わり、捲った服の裾を戻しながら答えるほむら

「そんなの・・・私のせいなんだから当然よ。力になるどころか足を引っ張って貴女に怪我まで負わせてしまうなんて・・・これじゃパートナー失格ね」
「どうせ私の身体なんて魔女を殺すための道具に過ぎないんですから。魔力が尽きない限り勝手に治るんだし、気に病む必要はないです」

そんな不器用な後輩らしい慰めの言葉を聞いて、その華奢な身体を改めてまじまじと見つめるマミ

「・・・私にはそんな風には割り切れないわ。暁美さんはとっても綺麗ですもの」
「ふふ、ありがとうございます。そういう巴さんこそとても素敵だと思います。ですから、昼間の事なら気になさらないでください。結局考え方一つだと思いますから。
巴さんは今までこの街を守るために頑張ってこられたんでしょう?それなら何も後悔するようなことはないはずです」

その言葉に弱々しい笑みを返すマミ

「・・・そんな風に慰めてもらえるなんて・・・なんだか調子が狂うわね。今までずっと一人だったから・・・」
「はい、巴さんはもう一人じゃありません。だから私のせいにしてくれてかまわないんですよ?あんなエレベーターに閉じ込められて何やってるの!って」
「ふふっ、そうね。まさか暁美さんほどの魔法少女がエレベーターに閉じ込められて出られないなんて思わなかったわ」
「言ったでしょう?私より巴さんの方がずっと強いって」

ソファーに腰掛けて不器用に笑顔を浮べるほむらの胸に額をこつんとつけると、小さくささやくマミ

「そんな風にやさしくされたら・・・縋ってしまいそう。・・・信じていいの?暁美さん」

そんなマミの問い掛けに、少しの間をおいてから耳元で囁き返す

「・・・えぇ、二人でこの街を守りましょう、巴さん」

(・・・もっと大事な秘密を隠したまま、都合のいい言葉を並べて巴さんに付け入って・・・やっぱり私は最低ね、まどか・・・)

その返事に思わず顔を見上げたマミの目からは、ほむらの表情が寂しげで今にも泣きそうに見えた

「・・・暁美さん、今夜はもう遅いから。泊まっていくと良いわ・・・」

そう呟くと、マミは黒髪の少女の背中に両手を回して抱きしめた・・・


To Be Continued

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最終更新:2011年11月02日 06:29