368 名前:前スレ>>1000のその後[sage] 投稿日:2012/04/23(月) 01:26:31.71 ID:6tkfQpd50 [1/3]
エリーは後悔していた。
「なんで、こんな…」
数日前まどかとさやかのバカップルっぷりに我慢の限界を迎えた自身が引き起こした一種の電波ジャック。
自身の力を電波に乗せ、一定時間誰もが二人のそれはもう甘い心の声を聞こえるようにしたのだ。
「まさかこんな事になるなんて…」
その行動はエリーの予測以上にまど界に混乱を引き起こす。
まず魔法少女達が次々に砂糖を吐き、病院に搬送される事態となった。
次にまど界のライフラインを担うまどかの分霊達が恥ずかしがってしまい電気などがストップ、このために仁美の記録がいくつか消滅してしまったらしい。
さらに一部の分霊達が嫉妬してしまい第五次さやかちゃん大戦が勃発、一時期まど界は騒がしい状況にさらされていたのである。
「っ!?や、やばい、来た!」
しかしエリーからすればここまではまだたいした事ではない。
さやかちゃん大戦はもはや一種の恒例行事となりはてているし、ここは魔法少女の集まりだからライフラインもすぐに復旧、パニックまでにはならずにすんでいる。
問題なのは…
「しつこいわよあんた達!」
「エリーさん、いえ師匠!そんな事を言わずどうか私達に読心術を教えてください!」
「私達真剣なんです!」
「私は弟子なんか取る気はないし、読心術なんか持ってたって辛い事ばっかりだっつーの!」
そう、今エリーを悩ませているのは自分を追いかけてくる弟子入り希望の魔法少女達。
彼女達は一定時間とはいえ二人の甘いやり取りを聞き覚醒、もっと聴けるようになりたいと読心術を教えてもらおうとしているのだ。
そのためエリーの家には頻繁に弟子入り志願の魔法少女達が訪れ、彼女の日常から平穏の二文字は消えていたのである。
「…とりあえず撒けたか。もう冗談じゃない…ただでさえ逃げなきゃいけない相手が二人もいるって言うのに」
「へー」
「それはどなたなのでしょう?」
「決まってんでしょ、さやかと仁美よ!仁美はなんか変なオーラ出してるらしいし、さやかは鬼気迫る顔で私を捜し…?」
エリーはそこで口を閉ざす。
―私は、今、誰と話をしてるの?
背中に走る悪寒にガタガタと震えながらエリーが振り向くと…
「エリー」
「やっと見つけましたわ」
修羅がそこにいた。
「ご、ごめんなさい、ごめんなさい!いや、おしおきはやだ、そんなの無理、お願い許…いやあああああ!!」
まど界は今日も平和です…?
最終更新:2012年05月07日 07:59