28-805

805 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/05/05(土) 00:55:53.63 ID:Zvmgnb5/0 [1/2]
5月5日は子供の日なのでこいのぼりで友情のお話。絵が一向に進まないから逃げてるだけか…。

[Your Color,My Color]
―鹿目家―
5月5日、鹿目家の庭には立派なこいのぼりが立てられている。
まどかは自分の為のものでもないのに、遊びに来たさやかと仁美にまずこれを自慢気に見せていた。
「見て見てー!タツヤの為にパパが買ってくれたんだよ♪」
「まどかは女の子でしょ。あんたが自慢してどーすんのよ?」
「えへへっ…♪」
「まどかさん…?」
こいのぼりを見上げながら、さやかはふと気付いた事をそのまま感想として述べた。
親友のツッコみにも我関せず、まどかはやたらと嬉しそうだ。
「そういやこのこいのぼり、一番大きいのが青とピンクなんだね。」
「そうですわね。青とピンク…―――! あらまぁ♪」
「どしたの? 仁美までそんな嬉しそうにして…。」
まどかが嬉しそうにしたいた理由を仁美は早速気付いたらしい。
頬に手を当てて満面の笑みを浮かべながらさやかの為に理由を説明し始めた。
「こいのぼりの一番大きな鯉は、父と母を表しますのよ。まるで夫婦がまどさかんとさやかさんみたいですわね♪
「…い"っ!?///」
仁美にまどかの真意に気付かされたさやかは急に真っ赤になってしまった。
「えへへっ♪ このこいのぼりは"おーだーめいど"なんだよ。パパが色はわたしに決めていいよって言ってくれたの。」
「それでお二人のイメージに合うお色を選んだ訳ですのね。」
「ううーっ…なんか急に恥ずかしくなってきたよ…///」
「さやかさん。夫婦になる未来を想像しただけで赤くなっていては、これから先が思いやられますわよ?」
「仁美ぃー!先とか言わないでよー!」
「えへへ…さやかちゃんと夫婦…///」
さやかに釣られてか、まどかも頬に手を当てながら嬉しそうに赤面していた。
話題を変えようと周囲を見渡したさやかは、このこいのぼりにある別の点に気付いて話を振る事にする。
「…ってか、小さいのは緑なんだね。あれってさ…もしかして仁美とか…?」
「うん、緑は仁美ちゃんのイメージなんだよー。」
「確か大きいのが親なら小さいのが子供だっけ…? 仁美があたしらの子供って訳ですかい。」
「仁美ちゃんも大切なお友達だから一緒がいいかなって。」
「あらあら、わたくしも混ぜて頂いて感激ですわ♪」
この場合は子供というより友達・仲間と言ったイメージが正しいのだが。
どちらにしても、周囲の人間を大切に思うまどからしい考え方と言えるだろう。
………………………………………♭♭♭………………………………………
そんな中、茂みの中では別の人物がこっそりと三人の様子を覗いていた。
「(…楽しそう…。さやかはまどかの好きな人で、仁美はまどかの友人。私もあの中にいられたら…。)」
………………………………………♭♭♭………………………………………
「そういやまどか、一番下の黒いのは誰? 仁美の緑とおんなじくらいの大きさだけど。」
「あれはほむらちゃんだよ。ほむらちゃんもお友達だから仲間に入れてあげたいなって。」
「(―――!!)」ホムッ!
「ああ…なるほどねぇ…。」チラッ
さやかはまどかの説明と同時に何かを感じたらしく、こいのぼりとは逆の方向へと歩き始めた。
「さやかさん、どちらへ行かれますの?」
さやかが向かったのは庭の外にある茂みの方。そして茂みにゴソッと手をツッコんだのだ。
(ズボッ!)「―――きゃぁぁぁぁっ!?」ガサッ
「ふぇぇっ!?」「な、何ですの~!?」
突然の出来事に、隠れていたほむらは思わず茂みから飛び出してしまった。その悲鳴を聞いてまどかと仁美も驚いている。
さやかが音も立てずに隠れていた第三者に気付いた理由は理解らないが…。
「…ったく。こんなトコに隠れてないで素直に遊ぼうって言えないのかあんたは。」
「き、ききき奇遇ね…! こんな場所で会うなんて…。」ファサァ
「大方恥ずかしくて声を掛けられなかったんでしょ。」
「………ごめんなさい…。」ショボン
クールに決めようとしたが胸中を全部見透かされたらしく、ほむらはしょげ返って何も言えない。
まどかの気持ちがさやかと仁美に向けられていて、自分の居場所は無いと勝手に決め付けていた。
引っ込んでいたのはそれを恥じる自分への気持ちと、3人に対し申し訳ない気持ちの表れであろう。
「ほむらさん…それではまるでストーカーですわ…。」
「ほむらちゃんはわたし達の友達じゃないの?」

806 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/05/05(土) 00:56:38.43 ID:Zvmgnb5/0 [2/2]
「うっ…い、いいのかしら…? こんな私でも…友達だなんて…。」
「そうやって引け目感じてんのはあんただけだよ、友達なんだから気にすんなって。ほれ!」グイッ
「―――わ…!」
さやかに引っ張られ、ほむらもまどか達と一緒にこいのぼりの前へ立つ。
雲の下では吹流しを先頭にピンクと青の大きな鯉と、緑と黒の小さな鯉が仲良く並んでいた。
「そんじゃ丁度4人いる事だしゲーセンでも行くか! 2-2で対戦も出来そうだしね♪」
「さやかちゃん。わたし後で喫茶店も寄りたいなー。」
「まぁ!喫茶店ですとお二人のケーキ"あーん"なんかが間近で見られますのね♪」
「はいはい喫茶店もね。…っておいぃぃぃ~!? 今日は仁美とほむらいるからあーんとか無理無理無理っ!」アタフタ
「…さやかちゃん…。やっぱりわたしじゃ…駄目なのかな…?」
うろたえるさやかを、まどかは得意技(?)の捨てられた子犬の様な目で上目遣いに見詰めている。
まどか自身も迷わず仁美の提案に悪乗りしてしまった。
「うぐっ!そ、そんな目で見るなぁ~っ!!///」
さやかは耳まで真っ赤になり目を逸らしてしまう。だが意外にも救いの手を差し伸べたのはほむらだった。
「まどか、ちゃんとさやかの気持ちも考えてあげなきゃ駄目よ。」
「(ほむら…!)」
味方がいてちょっと感動したさやか。が、安堵の時間は一瞬で消え去る事になる。
「"将来の夫婦"は今更子供染みた"あーん"では恥ずかしいそうよ。
 だからここは、一歩大人な関係を目指して口移しなんかが良いと思うのだけどどうかしら?。」
「あ、そっか…!いつまでもあーん止まりじゃ駄目だよね。ありがとうほむらちゃん、わたし頑張るよ!」
「」
子供染みているのかはともかく既にさやかは四面楚歌でした。逃げ場なんてありゃしない。
「さぁ皆さん、さやかさんのご提案通りお出かけに参りましょうか。」
「さやかちゃん。わたしもっと頑張って大人になるよ!」
「へ?! あ、うあああちょっと待てぇぇぇ~!あ、ああああたしまだ心の準備が…!」
手をバタつかせて訴えるさやかだが、言い出しっぺ&無意識に承諾していた故に今更断る余地が無い訳で。
「心配はいらないわ、さやか。今朝新調したばかりの最新型のデジカメがあるのよ。
 貴女達の踏み出す一歩はしっかり記録に残しておくから背中は任せなさい。」
「ほむらさんはお友達思いですのね。これはわたくしも負けていられませんわ!」
林檎の様に真っ赤なさやかと、桃の様に頬を染めて嬉しそうなまどか、期待に満ちた表情で見守る友人二人。
4人はこいのぼりに見送られながら街へと繰り出してゆくのでした。

[Your Color,My Color]

おしまい。友情のつもりだったんですが…うーん(´・ω・`)

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最終更新:2012年05月21日 08:11
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