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450 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/05/12(土) 00:43:32.25 ID:A4deZgiW0 [2/4]
新生活のお話がちらっと出てたので上げさせていただきます。みぢかいですが。
昨日の妊娠ネタは自分で読み返してみても結構エグい内容だったので今日は爽やかなのを。

[Dearest]

「………はぁっ…。パパ、ママ、行って来ます…。」
これから新しい高校生活のスタートだと言うのに、わたしは溜息を吐かずにはいられなかった。
わたしの通う高校は全寮制。それは勿論、家族と離れて生活しなければいけないのです。
「な~に浮かない顔してんだい。月に1回はうちに帰って来られるんだろ?」
「うん…でもぉ…。」
ママの言う通り、寮には月に1回だけ帰宅日というものがあり、長期休暇以外でお家に帰れるのはその日だけ。
せめてこれが普通の下宿だったら毎週でも会いに帰れるのに…。
今まで当たり前だったパパやママやタツヤと会えなくなる事が、こんなに悲しいなんて思ってもいませんでした。
「でもまどかは独りじゃないだろう? そんな顔をしてたらルームメイトに怒られてしまうよ。」
「あっ…うん…!」
パパに言われて大切な事を思い出し、わたしは顔を上げました。
そしてその時、開けたままのドアの向こうから足音が近付いて来たのです。
「まーどかぁ~! おっはよぉ~!!」
「―――さやかちゃんっ!!」
中学の頃と全然変わらない元気な声を聞いて、わたしは不思議なくらい元気が湧いて来ました。
「詢子さん、知久さん、おはようございます! まどかが全然メール返さないから心配して家まで来ちゃいましたよ。」
「ほらまどか。さやかちゃんはこんなに元気じゃないか。」
「せっかくさやかちゃんとルームメイトになれたんだから、しっかり元気を分けて貰いな!」
「えへへ…そだね♪」
そうです。わたしの生活する寮は二人部屋で、さやかちゃんと二人きりでの生活が始まるのです。
家族と離れるのは淋しいけど、さやかちゃんと寮もクラスも一緒だから頑張れるかも…。
「まどか!新幹線に乗り換えたらデュエルしようぜデュエル!」
「もう、さやかちゃんったら遊ぶ事ばっかり考えてるよねー。」
「いいじゃんかー。今日こそブルーアイズデッキでまどかのブラマジデッキに勝たせて貰うぞー!
 あ、そだ。まどかは荷物は何送って貰った?
 あたしはサイレントヴァイオリンとミニコンポとノートパソコンとそれからね~…」
わたしと違ってさやかちゃんは溜息どころか新しい生活へに希望に満ち溢れていたみたいです。
何だかさっきまで自分が落ち込んでいたのが馬鹿らしくなっちゃったよ…。
「あっ、勿論全部学校には許可済みですよ? パソコンとコンポは勿論まどかにも貸してあげるから。」
「さやかちゃんってば、そんなに荷物たくさんだと部屋狭くなっちゃうよ?」
「うぐっ…!このくらい余裕だって! それにまどかと一緒なら狭くても平気だしね♪」
「さやかちゃんと一緒…えへへへへ…///」
さやかちゃんにはぐらかされた気がしないでもないけど、やっぱり一緒のお部屋なのは凄く嬉しいです。
二人きりの時なら思いっきり甘えさせてくれるし…ってそれはいつでも変わらないかも。
「ほらほら二人共、そろそろ行かないと電車一本遅れちまうよ。新幹線は指定席なんだろ?」
「やべっ!そうだった! それじゃ詢子さん、知久さん、行って来まーす!」
「さやかちゃん、まどかをよろしくお願いするよ。」
新学期が始まるのは明日からですが、今日はこれから電車と新幹線を乗り継いで入寮の準備に向かいます。
どんな時もどんな場所でもさやかちゃんと一緒ならきっと楽しい新生活になるよね。
それはとっても幸せだなって、そう思ってしまうのでした。
「ねぇさやかちゃん、お部屋の配置はどうしようか?」
「うーん…とりあえずベッドは二つくっつけるとして…」
「ふぇぇぇぇ~っ!???///」

[Dearest]
おしまい。

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最終更新:2012年05月22日 01:38
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