29-621

621 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/05/13(日) 18:03:41.53 ID:meBRYk8U0 [4/5]
ちらっと話題が出たテニス部で高校生活部活ネタを。個人的なイメージで勝手な設定追加してますが。

[Prime]

「「お疲れ様でしたー!」」

すっかり空は真っ赤に染まった5月の夕暮れ。高校生活が始まってから1ヶ月ちょっとが経ちました。
わたしは半ばさやかちゃんの後を追う形でテニス部に入部し、こうして夕方まで汗を流しています。

さやか「ほらまどか、ちゃんと水分取っとかなきゃ。」

そう言ってさやかちゃんが差し出したのはスポーツドリンク。
でもそれはさっきまでさやかちゃんが飲んでいたもので…つまり…。

まどか「で、でもこれって…間接キスだよね…?」
さやか「あっ…! ま、まぁそんなの気にしないの!あたしら親友じゃん!」アセアセ

さやかちゃんが運動部に入ると聞いて、わたしも自分で入りたい部活を探していました。
でもやっぱりさやかちゃんと離れたくなかったんです。最初はただ同じ時間が過ごせればそれでいいかなと思いました。

部長さん「美樹さん凄いねー。ホントに初心者なの~?」
さやか「あはは、あたしこういうのしか取り得無いんですよ。
    正直言うと最初は"ダラダラしたくない"って理由だけで運動部選んだんですけど、いざやってみると楽しくって。
    こうしてみんなで一緒に走って練習して、同じ場所を目指すのって初めてなんですよ。」
部長さん「うんうん!何事も楽しむのは良い事だヨ。美樹さんは期待の星だからしっかり頑張って貰わなきゃ☆」

さやかちゃんは思いの他部活に熱中してて、朝練も放課後もかなり本気で打ち込んでいます。
元々運動が得意で背も高めのさやかちゃんは、入部してから早くも注目の的になりつつありました。

一方のわたしは帰宅前には既にヘトヘトで、ランニングや筋トレでもみんなに付いて行くのがやっとです。
わたし、さやかちゃんの優しさに甘えてるだけじゃないのかな…? 最近はそんな事を考え始めました。

………………………………………………♭♭♭………………………………………………

―帰り道―

まどか「ねぇさやかちゃん…。ちょっと…相談が……あるんだけど…。」
さやか「およ?どしたのまどか?」

さやかちゃんは言い辛そうにしているわたしの顔を覗き込んで心配してくれます。
でもわたしはちゃんと伝えなきゃいけないんです。自分の為に、さやかちゃんの為にも。

まどか「あ、あのね…わたし…やっぱり…その……。部活…やめようと思うの…。」
さやか「―――ええっ!? なんでよ急に…。もしかして楽しくなかった…?」
まどか「ううん、そうじゃないの。」

確かに基礎トレーニングはとても苦しいですが、決して部活が楽しくない訳ではありません。

まどか「さやかちゃんは優しいから、わたしが一緒にいたいのを理解っててくれるから…。」
さやか「…???」

うちの高校の女子テニス部は部員三十人弱ですが、中学からの経験者はそれなりにいます。
そんな中でも将来を期待されてるさやかちゃん。傍にいる事で、わたしは邪魔をしているんじゃないでしょうか。

まどか「練習の時とかペア組むのだって、ホントはもっと出来る子と組んだ方がいいと思うし…。
    それにさやかちゃん左利きだから、他にもさやかちゃんと一緒に練習したい人がいると思うよ。」

622 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/05/13(日) 18:04:35.19 ID:meBRYk8U0 [5/5]
さやかちゃんにはわたしの為じゃなくて、さやかちゃん自身の為に頑張って欲しい。だからわたしは決めたんです。
わたしのお話を聞き終えたさやかちゃんは「はぁ~」と大きく溜め息を吐いていました。

(ビシッ!)まどか「あうっ!?」
わたしはいきなりさやかちゃんにデコピンをされていました。手加減無しで思いっきりなんて酷いよ…。

まどか「い、痛いよさやかちゃぁん…。」
さやか「…自分が迷惑だって…思ってた?」

でもさやかちゃんは怒ってなんていませんでした。むしろデコピンはわたしを励ましてくれる類のものでした。

さやか「あたしはね、あんたが一緒にテニス部入ってくれたのがすっごい嬉しいんだよ?
    そりゃあまどかは運動苦手そうだけどさ、あたしは迷惑だなんてこれっぽっちも思ってないよ!」

それから"ポン!"とわたしの両肩に手を置いてさやかちゃんは続けます。

さやか「練習かなり辛そうだけど、何ヶ月か続けてりゃ基礎体力だって付くだろうし、一緒に三年間頑張ってみない?」
まどか「………わたしなんかで…いいのかな…?」

"一緒に頑張って"、その言葉が嬉しくてポロポロと涙が零れてしまいます。
さやかちゃんはそんなわたしの涙を指で拭い、頭を優しく撫でてくれました。

部長さん「ほーら二人共、汗かいたままで身体冷やすと風邪ひいちゃうヨ。」
さやか「すみません!すぐ着替えに戻りますー!」
部長さん「鹿目さんもいつまでも泣いてちゃ駄目だぞ。美樹さんとダブルス組みたいんでしょ?」
まどか「ふぇっ!?あっ、はぅぅ…!///」

どうやら部長さんにお話の一部始終を聞かれてたみたいです。
わたしもさやかちゃんと一緒に頑張って、テニス部の可愛いユニフォームで試合に出てみたいな。

………………………………………………♭♭♭………………………………………………

―朝練、グランドにて―

まどか「~~~っ!!」
先輩「鹿目さん頑張れー!あとちょっとだよー!」
部長さん「愛しの美樹さんがゴールで待ってるぞー!」
さやか「なっ…!えっ…?ちょっ!?」

わたしは部内で一番身体が小さくて力も弱くて、やっぱりまだランニングもビリです…。
でもありがたい事に、テニス部のみなさんは快く背中を押してくれるのです。

同輩「にひひ。さやっちとまどっちがラブラブなのはうちの部入る前からだもんねー?今更隠したって遅いぞぉ♪」
さやか「うっわあぁぁぁ~!///」

まだ暫くは毎日ヘトヘトだろうけど、さやかちゃんと一緒なら頑張り続けられそうです。
わたしとさやかちゃんは親友です。高校の部活でもパートナーになれたら、それはとっても嬉しいなって。

[Prime]
おしまい。頑張れまどっち。

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最終更新:2012年05月22日 01:41
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