959 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/05/18(金) 02:17:33.52 ID:gRsaGoVq0 [2/2]
まどさやに喧嘩させてみた。あんまり斬新なネタでもないですが…。
まどかとさやかは珍しく高級百貨店の中を歩いていた。
と言っても何の理由も無く立ち入った訳ではなく、お嬢様の仁美に連れられての事であるが。
特に洋服売り場は庶民の二人には物珍しくかつ惹かれるものがあり、度々軽く声を上げては眼を輝かせていた。
せっかくの機会であるし心行くまで目に焼き付けておいても損は無いだろう。
ふとそんな中で、さやかの視線が一点に集中していた。
白いフリルのあしらわれた洋服ばかりが飾られたゴシックロリータ調のお店だ。
「あら? さやかさん、あのお洋服をご所望ですの?」
「へっ…!? い、いや…あたしあんなの似合わないから…」
ガン見していた為に仁美に気付かれ、さやかは慌てて目を逸らした。
先程までさやかの視界にあったのは水色のブラウスと黒のフレアスカートといういたって清楚なセット服。
しかしブラウスの襟は大きなフリルが肩まで伸びており、二の腕下辺りとにもフリルがあしらわれている。
胸元の黒いリボンはスカートと合わせる事を前提にしたものであり、そのフレアスカートからもフリルのペチコートが覗いている。
シンプルな組み合わせながらも古さを感じさせない華やかな洋服である。
(ちょっと違いますがこういう感じのイメージttp://blog-imgs-13.fc2.com/h/i/m/himeithigo/20051214039221.jpg)
「えーっと何て言うか…そのぉ…。あっ!むしろまどかがこういうの着たら可愛いかなーなんて!」
さやかは赤面しつつつつまどかに話を向けて誤魔化そうとする。だがそれがいけなかった。
「むぅっ・・・さやかちゃんの意地悪! わたしのスタイルじゃ似合わないよ~。むしろさやかちゃんの方が可愛い服似合いそうなのに…。」
「はぁ!?あたしにあんなの着ろっての!? まどかの方がよっぽど可愛いじゃん!」
さやかはまどかを立てたつもりだが、若干コンプレックスを持つまどかにはどちらかと言うと嫌味に聴こえなくもなかった。
言い出したさやかの方もいざ自分が勧められると恥ずかしいものがあり、静かな店内で早速痴話喧嘩が始まってしまった。
「そんな事ないよ!さやかちゃんわたしのスリーサイズ知ってて言ってるの?」
「B76W60H77なんて中学生が気にしてどうすんのよ!」※超適当です
「ああっ!酷いよさやかちゃん!仁美ちゃんの前で言うなんてあんまりだよっ!!」
お金持ちばかりが集まるこの店内で、他に騒ぎ立てている客などそうそういない。
その頃…仁美は傍で密かにワナワナと拳を握っていた。
「――お二人共お静かにっ!!」
「は、はい…。」
「ぁぅ…ごめんなさい…。」
仁美の一喝で二人は素直に反省したらしい。だが仁美としてはただで終わらせるつもりは無かった。
せっかく二人がフリル溢れるゴスロリ調の服に興味を持ってくれたのだから。
「うふふっ♪ まどかさん、さやかさん。ここは喧嘩両成敗ですわ。」
「「???」」
………………………………………♭♭♭………………………………………
―次の日―
「………」ソワソワ
さやかは駅前でまどかと待ち合わせていた。やや挙動不審にキョロキョロと辺りを見回している。
今日の私服は普段着慣れていない水色の女の子らしい服…それは昨日百貨店でさやかが目に留めた洋服だった。
(タタタタ…)
「さやかちゃ~ん!」
「あっ!まどか!遅いよー!このカッコで一人で待つの恥ずかしかったんだから!」
通行人に結構見られたのが恥ずかしかったのか、さやかは耳まで真っ赤になっている。
尤も常識を逸脱した服装でもなく、またさやか自身の容姿もあってなかなかサマになっているのだが。
そしてさやかの元に駆け付けたまどかもさやかの色違いのピンクの洋服を身に纏っていた。
昨日はあれから仁美に"服の事で喧嘩をしない様に"…とあの服を購入させられたのだった。
そして今日一日二人お揃いのゴスロリ服でデートする事を条件に、代金は仁美持ちという約束で。
「さやかちゃん…可愛いよ…///」
「ま、まどかこそすっごい似合ってるじゃん///」
「それじゃ、行こっか♪」
「(…さてと…。わたくしはお二人にさとられぬようにこっそりと撮影しなければなりませんわね♪)
おしまい。
最終更新:2012年05月22日 01:47