93 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/07/04(月) 23:29:12.82 ID:gUq/mtM3O [2/10]
>>89
これぞまさに夫婦の軌跡…!
自分もテンプレに加えるべきだと思います!
さてそれでは自分もまどさやSSを投下させていただきます!
まど界で同棲を始めたまどさや。今日も今日とてさやかちゃんの料理を作る音が聞こえてきます。
「まどか~」
「なーに、さやかちゃん?」
「あのさ、ちょっと醤油切らしちゃったから買ってきてくれない?今日のご飯を満足な味にするには醤油がもう少し必要なのだよ」
「いいよ~、じゃあひとっ飛び行ってくるね!」
まどかちゃんは魔法少女女神モードに変身、窓からスーパーに向かって飛び立ちます。
醤油がなければ料理を作れないのでさやかちゃんはコンロの火を止め、まどかちゃんの帰りを待つことにしました。
「いやー…世界広しと言えど神様に醤油買いに行かせるのはあたしぐらいだろうね。まっ、あたしはまどかの旦那でまどかはあたしの嫁なんだし…これくらいはいいでしょ」
夫婦は助け合いだからね~とまどかちゃんを信仰してる魔法少女達に聞かれたらギッタギタにされそうな事を呟きながら、さやかちゃんはリビングに行きます。
リビングのテーブルの上にはまどかちゃん自作のさやかちゃんぬいぐるみと…いつも着けているリボンが置かれていました。
「あ、まどかリボン忘れてってる…」
相変わらずドジっ子だねぇ…と笑いながらさやかちゃんはリボンを手に取ります。
まどかちゃんのお気に入りの桃色の可愛らしいリボン…見てるだけでなぜか笑みが深まるのをさやかちゃんは感じました。
95 名前:93続き[sage] 投稿日:2011/07/04(月) 23:31:59.79 ID:gUq/mtM3O [3/10]
ふと…さやかちゃんの中に「あたしがこれを着けたらどう見えるんだろう?」という思いが浮かび上がってきました。
「誰も見てないし…いいよね?あっ、そうだ!」
キョロキョロと誰もいない事を確認しつつさやかちゃんはリビングを出ていきます。
そして数分後戻ってきたさやかちゃんの手にあったのは、彼女の持っている服とはあきらかに気色が違うフリルのたくさんついた青いワンピースでした。
このワンピースはまどかちゃんが自らの手で作ってくれた贈り物だったのですが、どうにも似合わない気がして着る機会がなかったのです。
「まどかがいない時くらいしか着れないからね~…恥ずかしいし」
せっかくまどかのリボンを着けるのなら、それに合った格好をしてみたい…そんな思いを抱えてさやかちゃんは姿見の前まで移動します。
いつも着けているヘアピンを外し、自分のショートヘアにどうリボンを結ぶか試行錯誤しながらリボンで自分の髪を結っていきました。
「ふんふんふ~ん…♪」
さやかちゃんは上機嫌に鼻歌を歌っています。
まどかちゃんの旦那をいつも主張している彼女もやっぱり女の子…可愛い格好が出来て嬉しくないわけがないのです。
96 名前:95続き[sage] 投稿日:2011/07/04(月) 23:33:42.75 ID:gUq/mtM3O [4/10]
「完成っと!」
数分後、姿見の前にあったのは頭の片側だけをリボンで結い上げフリルのたくさんついたワンピースに身を包んださやかちゃんの姿。
「うーん…」
姿見に写るいつもとちょっとだけ違う自分。
クルッと回ってみたり、リボンを整えてみたり、ワンピースの端を持ってニッコリと笑ってみたり…よく読んでいた少女マンガの主人公になった気分で自分を見つめます。
「…はは、似合わなさすぎ」
しかし色々やってさやかちゃんが出した結論は、やっぱり自分にこんな女の子らしいのは似合わないというもので。
さっきまでの自分の行動が酷く恥ずかしくなってさやかちゃんは服を着替えに戻ろうとします。
「さやかちゃん、ただいまー!」
「っ!?」
ところが、とりあえず戻しとこうとさやかちゃんがリボンに手をかけたのとほぼ同時に、スーパーの袋を手に下げたまどかちゃんが帰ってきてしまいました。
「聞いて聞いてさやかちゃん!今日はね、お醤油だけじゃなくて…」
しかも鏡に反射して見えたまどかちゃんは最初ニコニコと話していたのに、自分のリボンを着け、自分が作ったワンピースを着たさやかちゃんを見た途端ピタッとその動きを止めてしまいます。
「さやかちゃん…その格好」
「あっ、いや、違、違うんだよまどか!別に、たまにはあたしもまどかみたいに可愛い格好してみたいなぁとかそんな事考えてたんじゃ…」
さやかちゃんは必死に誤魔化そうとしますが、その言葉は誤魔化しどころか完全に墓穴を掘っていて。
「うう…だからその、これはあの…「可愛い!」…えっ」
恥ずかしさから俯いてしまっていたさやかちゃんが顔をあげると…まどかちゃんは目をキラキラさせていました。
97 名前:96続き[sage] 投稿日:2011/07/04(月) 23:37:00.11 ID:gUq/mtM3O [5/10]
「すごく可愛いよさやかちゃん!こんなに似合うのにどうして今まで着て見せてくれなかったの?」
「いや、褒めすぎだよまどか…あたしはそんな…」
可愛くない…そう続けようとしたさやかちゃんの手をまどかちゃんがギュッと握ります。
まどかちゃんは自分の魅力を全然理解していないさやかちゃんにご不満らしく、頬をプウッと膨らませていました。
「さやかちゃん、何もわかってない!さやかちゃんはすごく可愛いよ!」
「そ、そんなことないって!」
「むう~…なんでわかってくれないの…そうだ!」
いいことを思いついたとばかりにさやかちゃんの手を握る力を少し強くするまどかちゃん。
しかしその様子はさやかちゃんにとっては嫌な予感しかしなくて…
「ま、まどか…あたしご飯の支度に戻らなきゃ…」
「そんなの後でいいよ!それより実はさやかちゃんに似合うかなと思って作った服がいっぱいあるから着て見せてほしいな!」
「うえっ!?あのそれはもしかして…フリフリいっぱい…とか?」
「えへへ、フリルもリボンも…あるんだよ!」
「やっぱりかーーーっ!!」
まどかちゃんの趣味を知っているさやかちゃんにとってそれはまさに死刑宣告に等しい言葉。
当然逃げようとしたさやかちゃんでしたが、女神モードのまどかちゃんに力で勝てるわけもなく…
「いや、嘘でしょ…待って!あたしにそんなフリフリ似合わな…」
「これとそれとあれとー…あ、あとこれも着てみようよ、さやかちゃん!」
「いやぁぁぁぁっ…!」
98 名前:97続き[sage] 投稿日:2011/07/04(月) 23:39:12.66 ID:gUq/mtM3O [6/10]
††
「おーっす、遊びに来たぜまどかー、さやかー」
その日、まどかちゃん達の家の近くに用事があった杏子ちゃんはついでに顔でも見ていこうとまどかちゃん達の家にお邪魔していました。
「おーい、いないのかー?おっかしいな…鍵はかかってなかったし、中から確かに気配がするんだけど…」
しかしいくら呼びかけても中から返事はありません。
しかしまどかちゃんとさやかちゃんの気配は何となく感じますし、声も微かにですが聞こえてきていました。
『…ら、杏…ちゃんだよ!早く……てあげなきゃ!』
『イ…だ!あ……にこんな……られる…らいなら…の方が……だよ!』
「…何してんだ、アイツら…ったく…そりゃ突然来たのはアタシだけどさ…出迎えもなしってのは酷くないか?」
ちょっと文句言ってやると、杏子ちゃんが家に上がろうとしたその時。
『…から、もう…わ、うわあああああっ!?』
『さやかちゃんっ!?きゃああっ!』
「っ!?」
2人の悲鳴と何かが崩れるような音…そこから何かあったのだと察した杏子ちゃんは靴を脱ぐ事も忘れて家の中に足を踏み入れます。
いくつもある部屋から悲鳴が聞こえてきた部屋を的確に導き出した杏子ちゃんは、蹴破る勢いでその部屋の扉を…開けました。
99 名前:98続き[sage] 投稿日:2011/07/04(月) 23:40:25.44 ID:gUq/mtM3O [7/10]
「おい、大丈夫かっ!?さやか、まど、か……」
「「あ…」」
しかし扉を開けた瞬間、目の前に広がる光景に杏子ちゃんは一切の動きを止めてしまいます。
そこに広がっていたのは…いくつも散乱した服の中心でまどかちゃんを押し倒しているさやかちゃんの姿。
ご丁寧に2人の身体はリボンが絡まって密着しており、挙げ句着ている服ははだけています。
「ア、アンタら…何、してんだよ…?」
聞きはしたもののそういう知識に疎い杏子ちゃんにだって、今目の前にある光景が何を意味するかはわかるわけで。
今の彼女にはさやかちゃんがフリルやリボンいっぱいの服を着ているという事は、完全に頭の中に入ってきませんでした。
「き、杏子!これは違うんだよ!いや、違わないっちゃ違わない事もないけど…少なくとも今はそういう事をしてたわけじゃ…」
「ハ、ハハハハ……ア、アタシ来るタイミング間違えたんだな…」
「いや、だから…」
「邪魔して悪い!じゃあ…幸せになーーーっ!!」
「だからあたしの話を聞けぇーーーっ!!」
さやかちゃんの叫びも虚しく杏子ちゃんはその場から走り去ってしまいます。
咄嗟に追いかけようとしたさやかちゃんでしたが、脚に絡まっていたリボンがそれを許してはくれず…結局諦めるしかありませんでした。
100 名前:99続き[sage] 投稿日:2011/07/04(月) 23:42:35.37 ID:gUq/mtM3O [8/10]
「あー…まずいとこ見られたなー…」
「あ、あのさやかちゃん…ごめんね…私のせいで…」
「…いいよ、何だかんだであたしも可愛い格好出来るって内心喜んでたから…それに杏子なら周りに言うような真似しないだろうし」
「…信じてるんだ」
「まっ、友達ですからねー…あっ、まどかは嫁なんだからやきもち妬かないでよ?」
「や、妬かないよぉ…私だってさやかちゃん信じてるもん」
杏子ちゃんに見られてしまったためかもうさやかちゃんの心から焦りは消えていて。
そのかわりに、沸々と悪戯心が湧いてきたさやかちゃんは、リボンがさらに絡むのも気にせずまどかちゃんの身体を抱き締めました。
「さやかちゃん?」
「んー…考えたんだけどさー…やっぱりまどかに責任取ってもらっちゃおっかなー…」
「えっ…」
さっきはいいと言ってくれたのに、やっぱり責任を取らせるというさやかちゃんにまどかちゃんは目を丸くします。
そんな予想通りの反応をしてくれるまどかちゃんにたまらない愛しさを感じながら、さやかちゃんは彼女の耳元に口を寄せました。
「ねぇまどか…服を贈り物にする意味って知ってる?」
「へっ…う、ううん」
フルフルと首を振るまどかちゃんに漏れそうな笑いをこらえながら、さやかちゃんは彼女の耳元で囁きます。
「服を贈るのは…その服を脱がせたいからなんだってさ」と…
101 名前:100続き[sage] 投稿日:2011/07/04(月) 23:45:05.18 ID:gUq/mtM3O [9/10]
「っ!?」
「いや~…まさかまどかがそんなエッチな子だとは思わなかったな~…」
「ち、違うよさやかちゃん!私、そんなつもり…」
「ほんとかな~?(まっ、男の人が女の人に服を贈った場合だから、まどかにそんな意図がないのはわかってるけどね)」
顔を真っ赤にして否定するまどかちゃんがさやかちゃんは可愛くて仕方ありません。
魔法少女として強くなっても、神様になったとしても…ちょっとからかうだけで顔を紅くしてしまう純粋さを彼女の大切な人は失っていないのですから。
「……まどか…今、ドキドキしてるでしょ?」
「えっ、あ…それは…」
「さっきの事で動揺しちゃった?それとも…あたしを脱がしてるとこでも想像した?」
「あ、うぅ…」
プイッと顔を背けてしまうまどかちゃんですが、さやかちゃんとの距離は相変わらず密着したままで。
まどかちゃんの瞳が期待に潤んでいた事は当然さやかちゃんにもばれていました。
「まどかは嘘をつけないねぇ…でもダメだよ」
「えっ?」
「言ったでしょ?責任取ってもらっちゃおっかなってさ」
さやかちゃんはニヤニヤと笑みを浮かべながらまどかちゃんの額に口づけを落とします。
ピクッと身体を震わせたまどかちゃんの頬がさっきの比ではないくらい紅くなるのを確認してから、さやかちゃんは言い放ちました。
「今日はまどかに主導権はあげない。最初から最後まで…あたしがまどかにしてあげる」
「えっ……えぇっ!?」
「いつも女神様なまどかにはやられっぱなしだったからね~…たまにはあたしの立場を味合わせてあげるよ…」
「……わ、わかったよ…でも私からも1ついいかな…?」
「なに?」
「…家の中だけでいいから、私の作った服を着てほしいな…」
「…善処するよ」
正直に言えば勘弁してほしい交換条件でしたが、まどかちゃんに下剋上するチャンスに目が眩んでいたさやかちゃんはそれを了承してしまいます。
まどかちゃんは嬉しそうに笑うと、ゆっくり目を閉じました。
「えへへ…ありがとう。じゃあ…いいよ、さやかちゃん…」
「…………」
やけにあっさりと受け入れるまどかちゃんにさやかちゃんは疑問を感じましす。
さやかちゃんがその疑問に答えを出すのはそれから数日後でした…
102 名前:101続き[sage] 投稿日:2011/07/04(月) 23:50:11.10 ID:gUq/mtM3O [10/10]
††
―数日後―
「さやかちゃんさやかちゃん!次はこれ着てみて!」
「まどか~…もう勘弁してよ~…」
数日後…さやかちゃんは約束通りまどかちゃん手製の服を着せられていました。
家にいる時限定なのは確かなのですが、まるで着せ替え人形みたいに色々な服を着させられ、その度に「さやかちゃん似合うよ!可愛いよ!」と褒められるので、恥ずかしさと疲労でおかしくなりそうです。
「あーあ…あんな約束、目の前の餌につられてするんじゃ…………まさか」
さやかちゃんは気付いてしまいました…自分は結局まどかの手のひらの上だったのだと。
なぜならあの約束はまどかちゃんにとってはあの時限定で…さやかちゃんにとってはこれからも続くのですから。
(や、やられた…いや、まどかにそんなつもりはなかったんだろうけど…)
「さやかちゃん、どうしたの?」
「は、はは…何でもない…」
「……?あっ、そうそう!今度はこの服…」
一時でも神様モードなまどかに勝とうと思ったのが間違いだった…
結局まどかちゃんに勝てない自分を情けなく思いながら、さやかちゃんは差し出された服を受け取ったのでした…
以上です!
さやかちゃんにもフリフリの服を着せたかったんです…絵が描けないのであくまで文章ですが。
まどかちゃんは服装に関しては可愛らしい物を選ぶと思っています…それはもう似合うわけないよ…とさやかちゃんが躊躇するぐらい
最終更新:2011年08月17日 15:03