30-424

424 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/05/24(木) 00:07:27.20 ID:+bm+agBR0 [1/3]
>>418 楽しそうなさやかちゃんと嬉しそうなまどっち、二人共幸せそうで何よりだ~!
ちょっと遅れましたが自分も同じネタで…。



「よろしいですかみなさん! 人前で猥らにキスをしたり、恥じらいもなく愛の言葉を囁き合うような…」
放課後を直後に控えたホームルーム。まどか達の担任、早乙女和子はいつになく鬼気迫る表情だった。

「ねぇさやかちゃん、今日はキスの日なんだって。」
「へっへー、それじゃキスし放題って事ですか♪」
「あとラブレターの日でもあるみたいだよ。さやかちゃんに初めてあげた人になりたかったな…。」
「へぇー…まどかは手紙より身体の初めてじゃ不満って訳?」
「ち、違うよぉ…さやかちゃんの…意地悪ぅ…。」
「ははは、ごめんごめん…。」
他愛の無い冗談を交わしながら、さやかは謝罪の言葉ではなく別の目的でまどかの耳元に顔を近付けた。
「まどかの事を誰よりも愛してるのはあたしだからね。」ボソッ
「はぅぅぅ…///」
静かに愛の言葉を囁いたのは、まどかにだけ鮮明に聞かせたかったから。
普段のさやかとは違う至極真面目なそれに、まどかは頬に手を当てて今にも爆発してしまいそうだった。

「不埒な恋人関係になどッ! 決っっっっっしてなってはいけませんよッ!!」
更に語気を強めながら先生は続ける。そろそろ肩や眉がワナワナと震えて始めていた。

「さやかちゃん…」ウルッ
まどかが上目遣いに名前だけを呼ぶと、それだけでサインは的確にさやかへと伝わった。
「おっ?今日は"あたしから"…?」
「うん。キスの日だから、さやかちゃんにリードして欲しい気分かなって…」
「いいけどまだホームルーム中だからあんまし音立てるのは駄目だぞー?」
席が隣同士なのが幸いして身体を寄せ合う二人。元々近かった距離は今や髪や胴が触れそうな程だ。
まだ先生の話は終わっていないのに、気にする素振りすら見せず準備万端と言った次第だ。
「(…あの…お二人共…先生に怒られますわよ…)」
流石に見かねた友人の仁美がそっと声を掛けたが二人が離れる素振りは微塵も無い。
「―――ちゅっ……んっ…。」
「…んふぅっ…ひゃやひゃ…ひゃぁん…」

「…っ…!(ピキピキ)そもそもッ…! 健全な恋人同士というものはですねッ!!
 お互いを理解し合いながら常識ある範囲で関係を深めてゆくものであり…(プルプルプル)」

「ぷはぁっ…。ねぇさやかちゃん、わたし達ってお互いを理解し合えてるよね…?」
一度唇を離してからまどかは幸せそうな表情でさやかに訊ねた。一応担任の話は聞いていたらしい。
「何言ってんの。あんたは小さい頃からあたしの事…そういう目で見てたんでしょ…?」
「ぁぅぅっ…言わないで…///」
今更な問い掛けにもさやかは優しく微笑み、まどかの求める言葉を迷い無く紡ぎ返してゆく。
「あたしはあたしなりにまどかの事は理解したつもりなんだ。もう…寂しくさせたりしないからさ…。」
まどかにとっては初恋だがさやかにとっては二度目の恋だ。その間待たせた分は倍にしてして返したかった。
そんなさやかも少し顔を赤らめてまどかの顔を覗き込めば、震えるピンクの瞳は淡く深いブルーに釘付けになる。
「(ちょ、ちょっと!マズいわよ二人共!そのくらいにした方が…)」
二人に迫る危機を感じたほむらも仁美に続いて止めようと警告する。だが時既に遅し…。

「聞いてるんですかッ!! 鹿目さん!美樹さん!貴女達の事ですッ!!」バンッ!!
今まで怒りを懸命に抑えていた先生だが両手で教壇を本気で叩きながら遂にぶちキレた。
年に一度あるか無いかの狂鬼降臨。教室内の生徒全員が肩を竦ませ静寂が立ち込める。
それでも当の二人は怯みもせず、さやかはあろう事か顔を半分だけ向けて反撃に出たのだ。
「へぇ~…先生、もしかして…羨ましいんですかぁ?」ニヤソ
余裕の表情でラブラブっぷりを見せ付ける様に、さやかは挑発的な横目で視線を担任に向けていた。
「早乙女先生っていい人に出会えなくて可愛そうですよね…。」クスン
一方のまどかも哀れむ様にワザとらしく泣き真似の仕草を取って見せる。

425 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/05/24(木) 00:08:09.74 ID:+bm+agBR0 [2/3]
「―――ッ!!」(ピキィッ!)「………っ…!」(ジワッ)
早乙女先生の怒りの表情はみるみるうちに涙目へと変わってゆく。
「………うああああ~ん!!」(ダダダダッ!! ガラガラッ!! ピシャッ!!)
二人のイチャイチャもとい精神的反撃は見事なまでに先生にクリティカルヒットしたらしい。
生徒に先を越された敗北感に耐え切れなかったのか、泣きながら教室を走り去ってしまった。
最早男女だとか女同士だとかそんな事は些細な違いに過ぎないレベルだった。
「………………」(しーん)
再び教室は静寂に包まれ、生徒達は仕方ないのでそれぞれ帰路に就く事になった。
ある者はうっとりとした表情を浮かべ、またある者は砂糖を吐きながら。

………………………………………………♭♭♭………………………………………………

その夜…
「ううううう…聞いてよ詢子ぉぉぉ! うちの生徒がね!大人の癖にって私を馬鹿にするのよぉぉぉ~!!」
「ああはいはい、うちの娘が悪かったね。今度は少し手加減してくれって言っとくよ。」

おしまい。
帰りのホームルームにて先生そろそろキレるの巻。
ちょっとやりすぎた気もしますが…和子先生酷いネタにしちゃってごめんなさい。

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最終更新:2012年05月31日 12:55
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