34-3

3 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/07/06(金) 14:49:16.51 ID:/VzyvvSkP [1/3]
ま「……だからね、まずはその友達にあなたのことを恋愛対象として見てもらわなきゃダメだと思うの。さやかちゃんもそうだったんだけど、
  今まで普通に男の子を好きだった子に、いきなり女の子に目を向けさせるのって結構大変だから」
エ「ん? 神様何やってんだろ?」
ま「まずは、だいすきだよってちゃんと言うの。ううん、告白じゃなくて、友達として好きって言ってように受け止めてもらえるニュアンスでいいから。
  それで、折に触れて何度も言うの。最初のうちは何とも思われないだろうけど、何度も言ううちに相手も『あれ、もしかして……』って
  思ってくれるようになるから。そうそう、恥ずかしがらないで」
エ「あの神様に話しかけてる魔法少女の恋愛相談ってとこか……」
ま「それから、その子のいいところ、いっぱいあるよね? あなたが好きになった理由、たくさんあるでしょう? それを褒めてあげるの。
  その子のどんなところを好きになったの? うんうん、優しくて、勇気があって、それでいて女の子らしい表情もすっごく魅力的?
  うん、いいよね。さやかちゃんもそんな感じでね、わたしもさやかちゃんのそういうところだいすき! だから、結構アドバイスできると思うよ。
  やっぱりかばってもらったり優しくしてもらったら、ちゃんとお礼を言うことは大事だよね。言ってる? 恥ずかしくて言えない?
  うーん、気持ちはわかるよ。お姫様抱っことかされちゃったら、もうドキドキしすぎてそれどころじゃないもんね。でも、ちゃんとお礼は言わないと。
  そうしたら相手も嬉しいし、もっとそうやって接する機会が増えるはずだよ。それで相手の子があなたの魅力に気づく確率も上がるんだし。
  え? 自分なんかに魅力ない? だめだめ、そんなこと言っちゃ! 自信持って、あなたは十分可愛いよ。本当だってば!
  うーんじゃあ、あなたが自分に自信持てるように自分磨きも必要だね。少しずつでいいよ。服をおしゃれにしてみたり、髪形も変えて、
  肌のお手入れも気を使って、それでそのうちふとした時に相手の子が気づくの。あれ、この子こんなに綺麗だったっけ?ってね。
  ね、素敵でしょう?」
エ「結構熱心にやってるなぁ……」
ま「あとね、相手の子もわりと自分に自信のないところない? ああ、やっぱり。え? どうしてわかったのかって? だって、さやかちゃんもそうだったから。
  だからね、わたしが今まで言ってきたことが大事なの。その子の事、わたしはこんなにだいすきなんだよって、そのままでいいんだよって、
  そんなあなたに優しくしてもらうのが嬉しいんだよって、何度も言ってあげることが大事なの。うん、そうそう。
  相手に好きになってもらおうって考えるんじゃなくて、自分が相手の子の事もっともっと好きになるの。そういう気持ち、絶対相手には伝わるから。
  なるべく一緒にいて、だいすきだよって言葉と態度でいつも伝えるの。それで、そのときが来たら思い切って告白して? え?
  まだ昔好きだった男の子のこと忘れられてないだろうから望みない? そんなことないってば! その男の子以上に、あなたが彼女の大切な存在になればいいの!
  大丈夫、あなたなら頑張れる。わたしはいつでも相談に乗るから、ね? うん、頑張って!」

エ「神様ー?」
ま「あ、エリーちゃん! 見てたなら声かけてくれればいいのに」
エ「あーいえ、ずいぶん熱が入ってらしたようなので邪魔しちゃ悪いかと。あの子は?」
ま「うん、あのね、あの子はわたしとさやかちゃんに憧れてるんだって。『お二人はもともとは友達同士だったのに、今は毎日デートしたり
  一緒のベッドで寝たりしてすっごくラブラブで、見ててとっても羨ましいです』って。あの子にも一緒に魔法少女になったとっても仲のいい友達がいて、
  一緒にまど界に来たんだけどなかなか告白できないって相談されたの。それで、わたしもなんとか力になりたいと思ってアドバイスしてたの」
エ「なるほど……で、神様?」
ま「なに?」
エ「うしろめたくありません?」
ま「な、なんで?」
エ「だって、あのアドバイス通りにしてて、神様いまだにさやかに自分の気持ち気づいてもらえてないじゃないですか」
ま「ぎくっ」
エ「ていうか、告白もできてないですよね」
ま「どきっ」
エ「なのに、知ったかぶりしてあんな自信満々にアドバイスして、いつでも相談に乗るよとか言って……。神様自分ができてないじゃないですか」
ま「で、できてるよぉ! 毎日だいすきって言ってるし、ありがとうもだし、衣装もさやかちゃんを悩殺するセクシーなのにして、さやかちゃんかっこいいよって……」

4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/07/06(金) 14:50:14.68 ID:/VzyvvSkP [2/3]
エ「で、その結果?」
ま「き、キスしてもらってるよ!」
エ「ほっぺとかおでこにね」
ま「ま、毎日手つないでデートしてるし!」
エ「さやかはデートだとは微塵も思ってないですけどね」
ま「だ、抱きついてくるし!」
エ「いつものセクハラですね」
ま「嫁だって言ってくれるし!」
エ「平常運転ですね」
ま「い、一緒のお風呂!」
エ「ドキドキしてるの神様だけですけどね」
ま「一緒のお布団!」
エ「神様が一人じゃ寝られないって言うからじゃないですか」
ま「うう~……」
エ「まあ、傍目にはお二人は完全にカップルに見えますけどね。だからあの子も勘違いしたんでしょうし。結構多いんですよね、勘違いしてる子」
ま「か、勘違いじゃないよぉ……」
エ「往生際が悪いですね。さやかにちゃんと告白したらどうです? 神様のセリフじゃないけど、大丈夫だと思いますよあたしも」
ま「だってだって、さやかちゃんには上条君が……」
エ「いつの話してるんです。最近とんとさやかの口から上条君の事聞かないじゃないですか。もう吹っ切れてると思いますよ。あれでさやかも思い切りのいいところあるし」
ま「でもぉ……上条君がさやかちゃんにとって大事な人なのは変わりないし……」
エ「『その男の子以上に、あなたが彼女の大切な存在になればいいの』って言ってたのどこの誰ですか」
ま「でも、わたしは今のままでも十分幸せで……」
エ「逃げないで下さいよ。じゃあ、さやかに聞いてみましょうか? 神様のことどう思ってる?って」
ま「さ、さやかちゃんはわたしのこと好きって言ってくれるもん!」
エ「友達としてね」
ま「うう~……」
さ「ありゃ? まどかとエリー? なにしてんの?」
エ「噂をすれば。ちょうどよかった、さやかさー」
ま「だめー!」ダキッ
さ「おおう、どしたのまどか。あれ、まどか泣いてるの?」
ま「うっうっ……さやかちゃん……」
さ「ちょっとエリー……あんたがまどかを泣かしたの? 返答次第じゃ……」
エ「そう睨みなさんな。どっちかって言うと、泣かしたのはさやか、あんただよ」
さ「あたし? あたしがなんで……。どういうこと、まどか?」
ま「あ、あのね……」
エ「ほれ、言ってしまいなさいな」
さ「せかさないで、エリー! まどかだって頑張ってるんだから」ギュッ
エ「へいへい。おっそろしい保護者様だこと」
ま「あうう……」
さ「よしよし、まどか、あたしのせいで泣いてるの? そうだとしたら、ごめんね。あたしまた気づかないうちにまどかを傷つけてたんだね。
  本当にごめん。遠慮しないで、あたしの悪いところ言って? あたしこんなんだから約束はできないけど、できる限り直すように努力するから」
ま「あ、あの……」
さ「ね、お願いだから教えて? まどかはあたしの大切な≪友達≫なんだから」キリッ
ま「ぐさっ」
さ「ぐさ?」
ま「……」
さ「まどか?」
エ「(なんでこういうときに限って力いっぱい『友達』って……)さやか、そこはせめて『あたしの大事な嫁』くらいは言ってやんなよ……」
さ「まぜっかえさないでよエリー、今はそんな≪冗談≫言える雰囲気じゃないでしょ。≪おふざけ≫じゃなきゃそんなこと言わないわよ。
  こういうときくらいはちゃんと≪友達≫って言わなきゃだめでしょうが」
ま「ぐさぐさぐさ」
エ「(だめだこりゃ)」」
さ「ねえまど」
ま「さ」
さ「さ?」
ま「さやかちゃんのバカあああああーーーーーーーーーーーー!!!!!!」ダッ
さ「え、ちょっと待ってよまどか! あたしの何がいけなかったの!?」
ま「さやかちゃんがかっこよくて可愛いのが悪いの! わあああああん!」ピュー
さ「えーと……どういうこと?」
エ「さあ……(不憫な……)」
5 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/07/06(金) 14:52:03.00 ID:/VzyvvSkP [3/3]

                 *

ま「(あうう……あれから何か月か経つのに、気まずくなってるのわたしだけだし、さやかちゃんわたしの気持ちに気付いてくれる気配もないし……
  わたしどうしたら……)」トボトボ
魔「あっ、神様! お久しぶりです!」
ま「あ、この間の魔法少女の子……。あれ、隣の子はもしかして……」
魔「そうなんです! その節は本当にありがとうございました! みんな神様のアドバイスのおかげですよ!」
ま「ということは……」
魔「はい、私たち、晴れて恋人同士になれたんです! 今本当に幸せで、神様にはいくら感謝してもし足りないです!」
ま「」ガーン
魔「神様? どうかなさったんですか?」
ま「う、ううん。なんでもないよ……。おめでとう、お幸せにね……」
魔「はい、神様も!」
ま「……」

ま「もしもし、仁美ちゃん!? ケーキやけ食いするから付き合って! そう、まど界まで来てもらえればわかるようにしておくから! え? どうしたもこうしたもないよ! さやかちゃんが、さやかちゃんが……さやかちゃんのバカぁ!」
さ「わっ、びっくりした。隣の部屋から怒号が……。まどかのやつ、いまだに怒ってる理由教えてくれないし、どういうことなんだろ?」

さ「ねえ最近まどかがしょっちゅう泣いてたりして情緒不安定なんだけど、エリーなんか知らない?」
エ「さあ……本人に聞きなよ……」
さ「聞いても教えてくれないんだよ。泣いたりわめいたりするばっかりで」
エ「ちなみになんて聞いたのさ?」
さ「『お願いだからまどかが泣いてる理由教えてよ。あたしだってまどかの力になりたいんだよ、大事な≪友達≫として!』って」
エ「(わざとやってんじゃないだろうなこいつ)鈍感>>1乙」

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最終更新:2012年07月27日 07:47
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