40-709

709 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/10/03(水) 01:24:23.00 ID:08ILvRSHP [1/3]
さ「たたたたーん、たたたたーん♪」
ま「(さやかちゃん……いつも通りの表情でお料理してる……)」
さ「たたたたん、たたたたん、たたたたん、たたたたん、たたた♪」
ま「(やっぱり忘れちゃったのかな……? 今日がわたしの誕生日で、ふたりの結婚記念日だってこと……)」
さ「たーんたんたたんたんたんたんたーんたたんたったん、たたたたたた♪」
ま「(ひどいよ、さやかちゃん……一年前『あたしの人生、まるごとぜーんぶまどかにあげる』って言ってくれたくせに……)」
さ「たーんたんたたんたんたんたんたーんたたたんたったたーたん♪」
ま「(この一年、さやかちゃんはわたしと結婚してて幸せじゃなかったのかな……? だから誕生日も忘れられちゃったのかな……)」
さ「たたたたーん、たたたた、たたたたーん、たたたた♪」
ま「(ううん、さやかちゃんのことだから、きっとうっかり忘れてるだけなんだ……でも、ひどいよ……)」
さ「たたたたん、たたたたん、たたたたん、たたたたん、たたた♪」
ま「(わたしの気も知らないで、鼻歌なんか歌って……もういいや、お部屋に帰ってふて寝しよう……)」スタスタ
さ「たーんたんた……あれ? 待ってまどか。どこいくの?」
ま「どこだっていいじゃない……。お部屋だよ……」
さ「んー、でもちょっと待っててくれない? もうすぐみんな来るから」
ま「みんな? みんなって……?」
ピンポーン
さ「おっ、来た来た! 開いてるよ、入ってー!」
エ「ちわー」
マ「お邪魔します」
ま「エリーちゃん、エルザちゃん……どうしたの?」
エ「どうしたもなにも、さやかに呼ばれたんですよ」
マ「結婚一年目の結婚記念日のお祝いをするからって」
ま「えっ……えっ? どういう……こと?」
エ「あれ、もしかして知らない?」
マ「なんで神様がまだ知らないんです?」
さ「あー、ちょっとー! あんたたちが先にばらしちゃダメじゃない!」
エ「というかさやか、まだ神様に言ってなかったの?」
さ「だってせっかくのサプライズなんだから、もう少し引っ張りたいじゃん!」
ま「えっ……さやかちゃん、覚えて……?」
さ「とーぜん! あたしがまどかの誕生日忘れるわけないじゃん! まして自分の結婚記念日でもあるんだよ?」
ま「うそ……だって、なにか準備してたような素振りとか、全然……」
さ「と、思うでしょ? じゃーん、実はさっきまで料理してたのが記念日用のごちそうなのでしたー!」
エ「あちゃー、本当に神様気づいてなかったんだ……」
マ「『今年はまどかに準備とか料理とか隠し通せないと思うから、むしろまどかの前で堂々とやることにしたよ』って
  言ってましたけど、まさか本当に気づかれないなんて……」
さ「いやー、こそこそしない方がかえって気づかれないだろうと思ってさ! さやかちゃん冴えてるね!」
ま「じゃあ……これから……?」
さ「そう! 結婚一周年のお祝いするよ! さあまどか、テーブルについて?」
ま「……うっ……えぐっ……」
さ「あれ? まどか?」
エ「ほら言ったじゃん。こういうのはサプライズにしない方がいいって」
マ「女の子には前々から色々と準備があるんですから、せっかくの日には神様だっていいお洋服とか着たかったでしょうに」
さ「あー……そっか……。しまったな……その、ごめんね、まどかの気持ちも考えないで……」
ま「ううん……いいの……悲しくて泣いてるんじゃないの……。さやかちゃんが、覚えててくれただけで、嬉しくて……」
さ「まどか……」ギュッ
エ「あーもーバカップルめ」
マ「でも、嬉し涙でよかったです」
仁「皆さん、準備できてますわよー」
エ「わっ、仁美、飾り付けと料理の盛り付けまでいつの間に……」
ま「仁美ちゃん……」
仁「お二人とも、おめでとうございます。さあ、座ってくださいな。ささやかですけれど、今日は私たちがお祝いさせていただきます」
ま「そんな……ありがとう、仁美ちゃん。とっても嬉しいよ」

710 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/10/03(水) 01:25:36.47 ID:08ILvRSHP [2/3]
マ「ではまず、神様、誕生日並びに結婚一周年本当におめでとうございます。まど界住人を代表して、お祝いを申し上げます」
ま「うん、ありがとうエルザちゃん!」
エ「さやかも、おめでと。今日は少人数でやる予定だったから、来れなかった連中からもお祝い預かってるからね」
さ「ありがとう、エリー。今日のために色々協力もしてもらって」
仁「さやかさんにも内緒で色々と企画も用意させていただきましたから、早速会を始めましょう」
エ「(司会なんてガラじゃないな……)はいじゃあまずはプレゼントの贈呈から」
さ「早速か。では……はい、まどか」
ま「わあ……素敵なバッグ! ありがとう、さやかちゃん。あっ、これ和紙で作ってある……?」
さ「そだよ。これもひと月前からまどかの目の前で作ってたんだ」
ま「ああ、ずっと毎日なにやってるのかなって思ってたら……」
エ「というか神様、気づきましょうよ……」
マ「そうですねえ」
さ「本当だよ。さっきなんか、鼻歌で『結婚行進曲』歌ってみたのに、まどかったらそれでも気づかないんだもんねー」
ま「え、あれ『結婚行進曲』だったの……? 音程外れすぎててなにがなんだかわからなかったよ……?」
エ「……プレゼントも、あまりになにやってるかわからなかったから気づかれなかっただけじゃないの?」
さ「失敬な。さやかちゃん渾身の一品ですよ。まあこれの前に失敗作が三十個くらいあるけど」
仁「本当は熟練した職人が作るものですからね。でも、多少不出来でもその分愛情が込められてますわ」
ま「えへへ……。でも、どうして和紙なの? お洒落だし見た目よりは丈夫そうだけど……」
さ「知らない? 結婚一周年は紙婚式って言うんだよ。二周年が綿婚式、三周年が革婚式」
ま「あっ、それって……?」
さ「そ。二十五周年で銀婚式、五十周年で金婚式、七十五周年でプラチナ婚式ってなるやつだよ。だから、あたしは
  毎年その年に合わせた材料でプレゼント作ってまどかにあげることにしたのだ!」
ま「そうなんだ……嬉しい、嬉しいよさやかちゃん……」グスッ
さ「プラチナ婚式できるまで、ずーっと一緒にいようね、まどか」
ま「うん……!」
エ「あーもーお幸せで大変結構でございますことですね。ではしばしご歓談を……」
マ「ちょっとエリー、ちゃんと司会なさいな」
エ「うへえ……じゃあ、次のコーナー……お二人に質問です、『この一年を振り返って、どうでしたか?』」
仁「キマシタワー!」
エ「これ盛り込んだの仁美か……はいさやかどうぞ」
さ「えーっと、まずはまどか、誕生日おめでとう! まどかのためにサプライズにしたけど、喜んでもらえてあたしも
  嬉しいです! それで、去年のまどかの誕生日に結婚してからこの一年、とにかくすっごい幸せだったです!
  毎日目が覚めるとまどかの可愛い寝顔が目の前にあって、もう食べちゃいたいくらい可愛くて、まどかを抱きしめて
  ずっとこうしてられたらなーっていつも思ってます! あと、まどかがお勤めから帰ってきて、玄関であたしに
  飛びついてくる瞬間も大好きです! ずっと抱き合って、頭撫でてあげて、キスしたりもして、そんなことずっと
  やってても全然飽きなくて、幸せで……。さっきも言ったけど、これからもずっと、まどかと一緒にいたいってそう思ってます!」
ま「さやかちゃん……///」
エ「えー大変砂糖まみれなコメント本当にありがとうございます。じゃあ次神様」
ま「あのっ、その……基本的には、さやかちゃんとおんなじで……この一年幸せで幸せで……こんなに幸せでいいのかなって
  不安になるくらいで……。でも、そういうことを言うたびにさやかちゃんが『いいんだよ。まどかはもっともっと
  いくらでも幸せになる権利があるんだから』って言ってくれて、それも嬉しくて……。だから、わたしは、その……
  さやかちゃんにもっともっと幸せにしてもらいたいです! あと、わたしもさやかちゃんをもっと幸せにします!
  それで、その……今日わたしはさやかちゃんにプレゼントを用意できてないので、一年前さやかちゃんがわたしに
  言ってくれたのと同じように、わたしもこの先の人生ぜーんぶさやかちゃんにあげたいと思います!」
さ「まどか……///」
ま「さやかちゃん……///」
チュッ
さ「んっ……まどかぁ……」
ま「さやかちゃっ……んんっ……さやかちゃあん……」
エ「やれやれ……二人とももう周りなんか眼中になくなっちゃったよ……」
マ「退散しますか。ほら、仁美さんもカメラをしまってくださいな」
仁「残念ですわー……。まあ、撮影は無粋ですわね。お幸せにですわ、まどかさん、さやかさん」

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最終更新:2012年10月13日 09:22
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