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528 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/07/16(土) 22:03:22.68 ID:4alj7G2rO [4/10]
自分も1ですね…もう幼稚園の頃のまどかちゃんが「しゃやかちゃん、しゃやかちゃん」って舌足らずな声で呼びながら、さやかちゃんをひよこみたいに追いかけてるのを想像するだけで……すっごく和みませんか!?(力説)

さて、それはともかくSSが完成したので投下させていただきます!

今さらながら>>427の時のさやかちゃんの心境を書いてみました


えー…ただ今、あたし…美樹さやかは非常に厄介な状況にいる…

「…………」
「さやか、ちゃん…?」

あたしの身体の下から聞こえてくる戸惑いと驚きがごちゃ混ぜになったような声。
あたしの大親友にして…えーっと…………こ、恋人の鹿目まどかの声だ。
そう、あたしは…勢いに任せてまどかをベッド押し倒しちゃったのだ…

「ど、どうしたのさやかちゃん?」

まどか困ってるなぁ…そりゃそうだよね、いきなりベッドに押し倒されたらあたしだって困るし驚くよ。
それが今までキスもろくに出来なかった恋人なんだから尚更、ね。

「えと…さやかちゃん、どうしてこんな…?」
「どうしてって…(い、言えない…「頑張って既成事実作ってきな」ってまどかママに言われたからなんて言えるわけない…)」

まどかママはあたしとまどかの関係を知ってるらしくて、「まどかを頼んだ!」とありがたい言葉ももらってる。
でもなんでまどかママ、あたしがキスすら満足に出来なくて悩んでた事知ってたんだろう…?

「さやかちゃん?」
「ほ、ほら!そういう気分とか雰囲気とか、あるじゃん?今のさやかちゃんはそういう気分なのだー……なんて」

というか、気づいてるなら止めるもんなんじゃないの、親って?
…………あたしが気にしすぎ、なのかな?
反対されてまどかと二度と会えないなんてなるのは嫌だったからほんとに嬉しかったんだけど…なんか釈然としないなぁ。

529 名前:528続き[sage] 投稿日:2011/07/16(土) 22:04:26.60 ID:4alj7G2rO [5/10]
「そっか…さやかちゃん、こういう事、したいんだ」
「そ、そうだよ」
「……うん、いいよ。さやかちゃんなら私…」

そんなあたしの思考は、まどかのお許しとふにゃって浮かべた笑顔であっという間に吹き飛ばされた。
…………聞いた?聞きましたかっ!?あたしならいいって、いいんだって!!
…ああもう、誰に話してんだ、あたしはっ!?

「…………」

あぁ、まどかが目閉じた…準備万端、やる気は満々、勇気は凛々って事?
お願いだからもうちょっと躊躇ってよ、なんでそんなあっさり受け入れてんのよぉ…

「よ、よし…行くよまどか」

でもここまで来たら女は度胸!やるしかない!
あたしは意を決してまどかのプニプニして柔らかい頬に手を添えた。

「うん…来て、さやかちゃん」

530 名前:529続き[sage] 投稿日:2011/07/16(土) 22:06:03.15 ID:4alj7G2rO [6/10]
よし、いざ…………あ、あれ…こういう時はあたしも目閉じた方がいいんだっけ?でもそしたらぶつかっちゃうかもしんないし、まだ開けてた方が…

「さやかちゃん…?」

いっこうにキスしてこないあたしを不思議に思ったんだろう、まどかが目を閉じたまま首をかしげる。

「ご、ごめん!すぐにするから…」

だんだんまどかの顔が近づいて…いや、近づいてるのはあたしか。
あっ、まどか意外にまつ毛長いんだ…こんなに顔近づけるなんてそんなになかったから知らなかったな…

「…………」

後10センチ…9…8…7…後少しであたしとまどかは…

「さやかちゃん…」


531 名前:530続き[sage] 投稿日:2011/07/16(土) 22:07:03.25 ID:4alj7G2rO [7/10]
「ーーっ!?」

5センチくらいにまで近付いた時まどかが漏らした掠れたような、熱っぽい声…
それを聞いた途端恥ずかしさがどうしようもなく沸き上がって、あたしはバッ!とまどかから身体を離していた。

「え、さやかちゃん…?」
「ううっ、あああ…ご、ごめんまどか……やっぱり無理ーーーーーっ!!」
「さ、さやかちゃんっ!?」

また勇気が出せなかった自分が情けなくて、まどかからの視線に耐えられなくて…あたしはまどかの部屋を飛び出す。
でも部屋のすぐ近くにはまどかパパがいて、あたしは危うくぶつかりそうになるのを身体を捻って何とか避ける。

「うわっ!?さ、さやかちゃんどうしたんだい、そんなに慌てて…」
「す、すいません!あ、あのあたしもう帰りますんで!お、お邪魔しましたーーっ!」
「えっ、今日は泊まってくんじゃ…」

まどかパパが何か言ってたみたいだけど、今のあたしには何にも聞こえてなくて。
バタンッ!!と大きな音を立てて、あたしは…文字通り鹿目家から逃げ出した。

「あたしのヘタレ、ヘタレ、ヘタレーーッ!!」

走りながらあたしは自分を責める。
あたし…ほんと何してんだろう…あんだけ頑張ろうって決めたのに…恭介との事があって落ち込んでたあたしをまどかはずっとずっと支えてきてくれたのに…!
そんなあの子の気持ちにちゃんと応えようって決めたのに…!

「あたしの、あたしのバカァーーーーーッ!!うわああああんっ!!」

今度まどかに会ったらなんて言おう…そんなこと考えながら走ってたあたしが鞄をまどかの家に忘れてた事を思い出すのは、まだまだ先の事だった…

532 名前:531続き[sage] 投稿日:2011/07/16(土) 22:11:21.27 ID:4alj7G2rO [8/10]
おまけ…さやかちゃんが出ていった後の鹿目家


「ママ…」
「あー…駄目だったか」
「うん…」
「ふうむ…予想以上に手強い…ああいうタイプはけっこう色恋には奥手なのはわかってたけどまさかここまでなんてな」
「…………」
「こうなったらもう少しからめ手を…「ねぇ、ママ…」んっ?」
「なんで、ママもパパも何も言わないの?ママは私に協力してくれるの?」

「はぁ?娘の恋に協力してるのがそんなに変な事か?」
「で、でも!私達、女の子同士だし…だから、その「さやかちゃんと別れろ、あの子とはもう付き合うな」っ!?」
「そう言ってやった方がよかったか?そう言われてあんたは納得できたのか?」
「……出来ない、けど」
「だろう?まぁ、これが犯罪だったりしたらぶん殴ってでも止めるけどさ。あんたとさやかちゃんがしてるのはそうじゃない」
「うん…」

「それに、たとえ今のあんたがさやかちゃんに抱いてる気持ちが一時の気の迷いだとしても…」
「そんなことないっ!!」
「たとえなんだからそう怒んなって。まぁ、どちらにしてもさ、それはまどか、あんたをまた1つ成長させる経験だ。娘の成長に繋がるなら喜んで手伝うよ」
「ママ…ありがとう」


533 名前:532続き[sage] 投稿日:2011/07/16(土) 22:13:30.04 ID:4alj7G2rO [9/10]
「それにしても…本当にまどかはさやかちゃんにベタ惚れなんだな」
「えへへ…」
「ちっちゃい頃から『さやかちゃんさやかちゃん』ってあの子の後ばっか追いかけてたから、
いっそのこと結婚させるかなんて思った事もあったけどまさか本当にくっつくとはな~」
「も、もうママ!」
「ははは!…でもさ、だったらこのままってのはまずいよな」
「うん…」
「だけどあんたはさやかちゃんにリードしてほしいんだっけ?」
「だって私、さやかちゃんのお嫁さんになりたいし…「まどか、それは違うと思うよ」パパ?」

「別にお嫁さんはリードされなきゃいけないわけじゃない。ママとパパを見ればわかるだろう?」
「あっ…それもそうだね」
「ちょっとパパ、それはどういう意味?まどかも変な納得すんじゃないの」
「うっ…ごめんママ…」
「まったく…でもパパの言う通りではあるな。正直このままじゃいつまで経っても進展はない……まどか」
「は、はい!」

「ヤれるか?」


534 名前:533続き[sage] 投稿日:2011/07/16(土) 22:18:09.11 ID:4alj7G2rO [10/10]
「え、ええと…「あれー?さやか姉ちゃはー?」あ…」
「あっ、タツヤ。ごめんね、さやかちゃんは帰っちゃったよ」
「えー!さやか姉ちゃ、遊んでくれる約束したー!」
「残念だけどさやかちゃんにも用事があるんだよ、タツヤ」
「ううー!」

「…ねぇ、タツヤ」
「……なに、姉ちゃー?」
「もしさやかちゃんがお姉ちゃんになったら…」
「さやか姉ちゃも姉ちゃになるの!?」
「…そうなったら嬉しい?」
「うれしい!うれしい、うれしいー!」

「ははは、よかったなまどか。タツヤもあんた達の関係を将来含めて認めてくれるってさ」
「うん!」

ピンポーン…スイマセーン…

「あっ、さやかちゃん…!?」
「おや、戻ってきたのか」
「そういえば、今日はさやかちゃん泊まる予定だったから荷物を持ってきてたね。出ていくときは手ぶらだったからまだ家にあるんじゃないかな?」

「だから戻ってきたのか……まどか、さっそくチャンスが来たぞ…わかってんな?」
「うん…私、皆のおかげで勇気が出たよ!今度は…私の方から頑張る!」
「よし、よく言った!あたしらはあんたの味方だ、思いっきりぶつかってきな!」
「頑張るんだよ、まどか。今日は赤飯にしておくから」
「姉ちゃ、頑張ってー!」
「行ってきます!」

(さやかちゃん、私…ずっと甘えちゃってたね。さやかちゃんがこういう時臆病なのはよく知ってたのに)

ガチャ…

(だから今度は私がさやかちゃんを引っ張ってくよ。私達…親友で恋人だもんね)

「あっ…あのさ、まどか…あたし荷物…」

(だから…覚悟してね、さやかちゃん!いっぱい、いーっぱい、私から気持ちを伝えるから!)

「おかえりなさい、さやかちゃん!」


以上です!
色々とあるでしょうが、やっぱり鹿目家はまどかちゃんの味方でいてくれると思うんですよね。
そして狭まるさやかちゃん包囲網…さやかちゃんは知らない間に外堀を埋められてると思います。
気付いた時にはもう逃げられない、さやかちゃんにも逃げる気はないんでしょうけどね。

それでは長々と失礼いたしました。

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最終更新:2011年08月18日 17:55
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