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863 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/10/24(水) 21:51:51.05 ID:Mgv8IpDJ0
>>862
そのまま口移しコースですねわかります!


イチャラブチュッチュなスレの雰囲気ぶち壊しな拙作ですがとても久しぶりに文章を書いたので↓

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夕焼け、日暮れ、空はオレンジに染まって。
公園で一緒に遊んでいたクラスメイトの友達は一人、また一人とまたねと手を振り家路へ急ぐ。
それはわたしも例外ではなく、近くの家からただよう夕ご飯の匂いに気づいて「そろそろ帰らなきゃ」とランドセルを背負った。
けれど、わたしと一緒に最後まで残った彼女はランドセルに手をのばすことをしなくて。

「さやかちゃんは帰らないの?」
「んー、まだもうちょっとここにいる。まどか先に帰っていいよ」

ブランコに座って、ぶらぶらと、一人で遊び始める。
ここのところ、さやかちゃんは友達と遊んでいても一番最後まで残っていることが多かった。
無理して楽しんでいるような表情-かお-でブランコを漕ぐ彼女を見て、わたしははっと思い出す。
……ああ、そうだ。さやかちゃんのお母さんとお父さんは共働きで、帰りはいつも遅いのだと前に聞いたことがある。
きっと今日もお仕事が忙しくて、事前に彼女に遅くなるって伝えているんだろう。
家に帰っても、中は暗くて。
おかえりの声も、聞こえなくて。
それはきっと、とても―――
だからさやかちゃんは少しでも長く人の傍にいようと、友達のみんなが帰るまで最後までこの公園に残ってるんだ、なんて考えたら。
なんだか、いてもたってもいられなくなって。

「じゃあ、わたしももうちょっとここにいる」

さやかちゃんの隣のブランコに座って、同じように漕ぎ出す。
意外なわたしの態度にびっくりしたのか「夕ご飯に間に合わなくなっちゃう」とか、「あんまり遅いとパパさん心配しちゃうよ」とか、
早く帰るようにと心配してくれるけれど、こういう時のわたしはちょっぴり頑固だから。

「もうちょっとさやかちゃんと一緒にいたいんだもん」

そんなわがままを口にする。

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最終更新:2012年11月07日 08:09
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