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400 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/10/30(火) 02:13:01.06 ID:OzTIunh60 [1/2]
>>394 僕も素晴らしいキマシを見ました!
友情だとSSも何一つネタが思い浮かばない自分は末期かもです

すっかり寒くなってきた秋空の下、今日は自宅のお庭で暖を取っていました。

「まどかー、火ぃ気を付けなさいよー?」
「はーい!」

わたし達はお庭の落ち葉を一箇所に集めて燃やしています。
乾燥した空気の所為もあって火加減は良好です。そして燃える落ち葉の下には…

「お芋さんまだかな~。」
「まどかってば気が早いんだから。生焼けの芋なんて美味しくないぞー?」
「えへへ♪」

そう、焚き火の下では焼き芋を焼いているのです。庭掃除の後のとっておきのお楽しみ。
落ち葉をかき集めて来たさやかちゃんも一通り集め終わったみたいで、わたしの横に並んで手を温めて始めました。

「ほーれまどか~♪」ピトッ
「ひゃわわわわわわ!冷たいよぉ!」

いきなりさやかちゃんに冷えた手でほっぺに触られてしまって思わずわたしは悲鳴を上げました。
「へっへっへ、まどかのほっぺは暖かいのぉ~。んじゃあたしも。」
「もう、さやかちゃんってば。」

二人仲良く焚き火の前に縮こまって手を擦り合わせながら暖まっています。
何でもない唯の焚き火なのに、こうしてさやかちゃんと二人きりだと胸の奥まで自然と暖まって来るのです。

「おっ、そろそろかな? ちょっと芋見てみるか。」
「わーい!」

さやかちゃんが火ばさみで燃える落ち葉を掻き分けると、底の方からアルミホイルに包まれたお芋さんが姿を現しました。

「あちっ! …っと、とりあえずこの辺に置いとこうか。」
「すごーい、いい匂いだよぉ~。」」

火ばさみで器用にアルミホイルを開けると中からは早くも甘い香りが漂っています。
ちょっと冷ましてから軍手で芋を割ってみると、中には焼けたばかりでほくほくの黄色くなったお芋さん。

「それじゃ…「「いただきまーす!」」

焼きたての焼き芋はとっても美味しいおやつです。あっという間に一つ目は食べきってしまいました。

「もう一個ずつあるけど食べれそうなら焼くよ?」
「さやかちゃんと一緒ならいくらでも食べられるよっ♪」
「こらこら、そんな事言ってるとあたしがまどかを食べちゃうぞ~!」
「きゃー♪」

さやかちゃんは軍手を脱いでわたしのほっぺに手をスリスリします。
さっきの冷たい手とは違ってとってもあったくなった手。わたしの大好きなさやかちゃんの手。
そこでふと、さやかちゃんの手が止まりました。

401 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/10/30(火) 02:13:24.04 ID:OzTIunh60 [2/2]
「…へっ……へっ……」
「さやかちゃん???」
「へくしっ!」

(プッ)

さやかちゃんの可愛らしいくしゃみ。と同時に何か珍しい音がちょっとだけ聞こえました。

「うわあああああああっ!!///」
「さ、さやかちゃん!?急にどうしたの…?」

何とさやかちゃんは急に丸くなってその場に座り込んでしまったのです。横から顔をよく見ると真っ赤でした。

「ううう…よりによってまどかの目の前で…最悪だぁ…。」
「さやかちゃん、おならくらいでわたし気にしないよ?」
「あのねぇ!女なんだから気にするに決まってるでしょ!しかも好きな子の前で…。」

さやかちゃんはちょっとだけ目に涙を浮かべていました。でもその涙がわたしにはとても嬉しかったのです。何故なら…

「わたし、さやかちゃんの"好きな子"になれたのかなぁ?」
「…馬鹿まどか。鈍感。」

そっぽを向いてちょっと膨れた女の子の表情。赤く頬を染めた顔はわたしの前でだけ見せてくれる顔です。
わたしは勿論こんな可愛いさやかちゃんを抱きしめられずにはいられません。

「わたしさやかちゃんの頼もしい所も好き。でもちょっとおっちょこちょいな所だって大好きだよ。」ギュッ
「まどか…。」

小さい頃からこうして抱き合って来たけれど、今は触れるだけでトクントクンと心臓の鼓動が伝わって来るのです。
寒空の下で重なるこの温もりは焚き火より焼き芋より暖かく感じました。

おしまい。焚き火や焼き芋が何かネタになるといいですね。

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最終更新:2012年11月12日 08:11
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