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334 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/11/09(金) 19:58:57.88 ID:ioIufwGp0
ゲームの話題らしいですが、この手のゲームしかよう知らんのでいまさら1レス完結のSS……元ネタからはかなり誇張してます。

「いろんな音が聞こえるんですのね」
 ゲームセンターの自動ドアが開くと、仁美ちゃんの言う通り、いろんなゲームが「僕にコインを入れて、プレイしてよ!」とわたしたちを誘ってきます。
「仁美って、ゲーセン自体はじめて?」
 右に左に目移りしている仁美ちゃんに、さやかちゃんの助け船が出ます。
「ええ。タイミングがなくて……あら?」
 さやかちゃんと話しながらお店を歩いているうちに、仁美ちゃんは一つのゲームを見つめています。
「うりゃ!」
 おっきなブラウン管に映っているそのゲームは、2人のキャラクターさんが、飛んだり跳ねたりして戦う「対戦格闘ゲーム」です。
「仁美、あのゲーム知ってるの?」
「何度かテレビで見たことある気がします。ゲームではなかったと思うのですが」
「あー、確か有名な漫画が原作だから」
 さやかちゃんの言うとおりその漫画は有名らしくて、わたしのママも大好きです。
「確かまどかの家にあったよね、これ」
「うん。ママが持ってる」
 おうちで遊ぶゲーム機用のこのソフトも、ゲーム用のテレビとセットで家にあります。
 さやかちゃんとそんなことを確認している間も、仁美ちゃんはずっとそのゲームを眺めていました。
「仁美ちゃん、やりたいなら、わたしのおうちでやろうよ」
 わたしはせっかくおうちにあるんだからと、そう提案してみました。

「難しいですわ……」
「えっと、確かそのあとはぐるっとレバーを回して……」
「やっぱ持ち主は違うねぇ」
「いや、でもママのだし、わたし全然ママに勝てないし……」
「確かに、これでまどかがまどかのママに勝ってる様子は想像できないわ」
 3人でおうちに帰って、さっきのソフトで遊んでいます。
「こうして、レバーを回して、ボタンを押すんでしたよね?」
「そうそう、そうしてからジャンプすると、もっと攻撃続けられるよ?」
「太鼓のゲームのコンボみたいだね。……ねえさ、あたしもちょっとやってみていい?」
「じゃあさやかちゃんはこっちのコントローラーでスタートボタンを押してみて」
 一応持ち主の娘なんだし、2人をおもてなししないといけません。
「えい、えい、うりゃー」
「さ、さやかさん一寸待ってください……あ」
「あれ、あたしのほうが攻撃された!」
「今のは『ガードキャンセル』って言って……」
 わたしはいつもさやかちゃんや仁美ちゃんについていくことが多いんですけど、たまには少し前にいるのも、これはこれで楽しいです。
「……勝てませんでしたわ」
「このさやかちゃんの運動神経を舐めてもらっちゃ困るなぁ」
「さやかちゃん、運動は指先しかしてないよ……」
「よーし、これでまどかへの挑戦権ゲット!」
「ええっ!」
 そんな話、私は聞いてません。
「ほら、さっきからずっと見てばっかりでしょ?」
「それじゃあ、ちょっとだけ……」
 いつもママに負けてばっかりだから、あんまり自信はないんですけど、せっかくなのでちょっと頑張ってみます。

 2分後、わたしはさやかちゃんに何とか勝てました。
「……えっと、あたし右にレバー押してただけなんだけど……」
 さやかちゃんはそう言いますけど、結構危なかったんです。
「だって、さやかちゃんの使ってるキャラクターさんに攻撃されると、何もできないで負けちゃうこともあるから……」
「いや、あたしはさっきのまどかみたいにずっと攻撃できるほど上手くないし」
 そう言われてみると、私もママに勝とうと頑張って練習していた頃があったのを思い出します。
「ねえねえ、さっきのあたしにも教えてよ」
「私も、まどかさんのようにプレイしてみたいですわ」
 2人とも正座して、わたしに真剣な目を向けてきました。
 面と向かってお願いされるとさすがにちょっと恥ずかしかったんですけど、
「うん、それじゃあ……」
 実際に教えるって事をやってみたら、なんだか先生みたいでちょっと楽しかったです。

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最終更新:2012年11月12日 08:30
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