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142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/18(日) 02:56:58.62 ID:SgmpaiEV0
>>138 ふおおおおお!運命の出会いいいですね(≧∇≦)♪

「ねぇまどか…どうしてあたしを生き返らせたの?」
「そ、それは…さやかちゃんが大切だから。いなくなるなんて悲しいもん。」
「………それだけ…?」
「えっ…?」
「じゃぁさ。もしもあたしが、あんたに生き返らせて貰ったあたしが、恭介と結婚したらどうするの?」
「―――っ!?」
さやかの本来望んでいた未来を思い出し思わず絶句してしまう。それでもまどかは躊躇いがちに答えた。
「…さやかちゃんは…やっぱり上条君が好きだから…。応援しなきゃいけないなって、思うよ…。」
「………へぇ、しなきゃ"いけない"んだ? それってあんたの本心な訳?」
「ふえっ!?」
少し強い口調と胸の内を暴かれたみたいな感覚に驚き、まどかは俯いていた顔を上げた。
「…うん、そうだよぉ…。わたしずっとさやかちゃんの傍で、さやかちゃんの事を見て来たから…。」
「………。あたし、あんたが嘘吐いてるって事が理解るんだ。その何かを諦めた様な言い方がね。」
「さ、さやかちゃん…?」
「もういいよ。あたしはこれ以上まどかを傷付たい訳じゃないからハッキリ言っとく。」
さやかは一度溜息を吐くとまどかに横顔を向けて続ける。突き放す様な遠さではなく、自分の心を整理する様に。
「あたしが恭介に告白する事はもう無いよ。」
「えっ…? で、でも…さやかちゃんは…。」
まどかの顔に浮かんだのは先程とは違う驚きと幽かな希望だ。
でもそう願う自分を何処から許せない、そんな自分も同時に居た。
「あたしが目を醒ました瞬間、凄くたくさんの想いがあたしの中に流れ込んで来たんだ。"祈り"って奴?」
目を閉じて自分の胸に手を当てて、さやかはあの時自分に降り注いだ少女の祈りに耳を傾ける。
その祈りは今でも一時もさやかの脳裏から離れる事は無かったのだ。
「『さやかちゃん大好き』『ずっと一緒に居たい』『さやかちゃん愛してる』呆れるくらいそんなのばっかしだったよ。」
「ふええええええええええっ!?///」
まどかの祈りは正にそれだった。直接言葉にせずとも、祈った相手に対して内に秘めた想いを隠し通す事は出来ない。
「だからさ…まどかが幾ら嘘吐いても、あたしはあんたを諦めない。」
さやかはまどかに向き直ると真っ直ぐな眼差しでまどかに視線をぴったりと合わせた。
「あたしはまどかが好き。愛してる。これだけ祈りを注ぎ込まれて、トキメかない訳ないでしょ?」
始めてまどかを"女性"として見るのはいつになく真剣な瞳。少し震えて頼りなく感じる恋する女の子の瞳。
「だからあたしはね、恭介と一緒に居て欲しいって言われても、あたしはまどかと一緒に居たい。
「さやかちゃんっ…! ごめんなさい…わたし…嘘吐いてたよぉ…。本当は…やっぱりさやかちゃんが…」
「"好き"なんでしょ?」
「ぁぅ…さやかちゃんズルい…。」
続きを言うのをさやかに奪われてまどかは少しむくれる。しかし次の瞬間さやかは違う物を奪っていた。
柔らかな温もりがまどかの唇に数秒の間重なり、名残惜しく離れる。
「これが、あたしからの気持ち。まどかは?」
「わわわわ…わたしは……大好きっ!さやかちゃんが大好きだよ!」

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最終更新:2012年12月15日 14:31
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