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799 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/12/08(土) 02:09:55.63 ID:BcMHNIkA0 [1/2]
どれくらい時間があれば、心って繋がるのかな?
ふと、そんなことを考えた。
またあした、ってまどかが手を振る時、あの子はすごく寂しそうな顔をする。
…そんな顔しないでさ、笑ってよ、まどか。
あたしが、あの子を笑顔に出来たらいいのに。そんなことばかり考えていた。

近すぎて気付けなかった、一番大事な人。
そばに居てくれるだけでも幸せを感じる。

悲しみにくれた夜も、新しく始まって行く朝も、あたしを見守ってくれたあの子。
でも、ただ一言「ありがとう」も伝えられなくて。素直になるのが怖かったから。
今、あなたの腕の中で心がだんだん解けていく。悲しみも、後悔も全て洗い流すように。
あの時、ずっと感じていた暖かい安らぎに包まれながら…。

「静かだね」
「…うん」

ふと窓の外を見ると、雪が舞い降りていた。
真っ白に染まる世界。あたし達は二人、寄り添いながら眺めていた。

「…まどかはなんでもお見通しだったね。あたしの事」
「え…?」
「あたしが本当は弱いんだってことも、つい強がり言っちゃう癖もさ。知ってたんでしょ?」
「…うん。でも、だから受け止めてあげたかったの…さやかちゃんのこと。
もう傷つかないでほしくて、もうこれ以上泣かないでって…」
「…まどか…」
「ひゃっ…」
「…ありがとう、まどか…」

800 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/12/08(土) 02:10:57.85 ID:BcMHNIkA0 [2/2]
「…でも、いつか終わっちゃうんだよね。遅かれ早かれ、夢はいつか覚めちゃうものだから。」
「…それでも私は忘れないよ。ずっとずっとさやかちゃんを離さない。」
「まどか…。
…あたし、ずっとまどかといたい。ここで、一緒にさ。」
「…私もだよ。いつまでもさやかちゃんといられるなら、こんなに幸せなことなんてない。」

「…あ、あれ?なんで、あたし…」
「…さやかちゃん?」
「あはっ!やだなぁ、ここは泣く場面じゃないっしょ…だから…!」
「さやかちゃん…。」

「いいんだよ、さやかちゃん…さやかちゃんの涙も、私が受け止めるから…。
悲しみも、全部私が癒すよ…。だから、笑って…?」
「…う…あぁ…」
「さやかちゃん…」
「うぁ…!…ああああぁぁ……!!」


「…泣きつかれて寝ちゃったんだね、さやかちゃん。」
「…てぃひひ、寝顔はあの頃と全然変わってない。ずっと、可愛いまま…。」
「いつも、どんな時でも私を見守っててくれたさやかちゃん…本当にありがとう。」
「…自分の気持ちに素直になれなくて、ずっと言えなかったけど。」
「大好きだよ、さやかちゃん。」

…やっぱり寝るならさやかちゃんの腕の中が一番だな、って。
あの頃の懐かしさに身を委ねながら、考えていたのでした。

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最終更新:2013年01月22日 00:52
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