756 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/12/25(火) 00:35:49.19 ID:GITFROXyP [1/2]
さ「よし、プレゼントも用意したし、夕飯も完璧! まどか早く帰ってこないかなー」
ま「ただいまー」
さ「おっ、お帰りまどか! ……あれ、その後ろの分霊たちは?」
ま「うん。あのね、さやかちゃんにクリスマスプレゼントをあげようと思って」
さ「ん? どういうこと?」
ま「わたしね、ずっと準備してたの。どうにかして実現できないかって、色々試行錯誤して。それで、ようやく
分霊たちと魔力を合わせればできることがわかったの!」
さ「えーっと? なにができるって?」
ま「だからね、さやかちゃんを現世に戻せるんだよ!」
さ「……は?」
ま「びっくりするよね、わたしも最初、そんなこと出来ると思わなかったもん! でもね、絶対大丈夫なことは
確かめてあるから、安心して? でも、まど界と同じ時間軸の現世にしか戻してあげられないから、現世では
二年近くさやかちゃん行方不明だったことになっちゃうけど、それだけは我慢してね。じゃあ……」
さ「ちょ、ちょっと待ってよ! なんであたしが……」
ま「だって、さやかちゃんこれでさやかちゃんのパパやママに会えるんだよ? 仁美ちゃんやほむらちゃんや
マミさんや杏子ちゃんや、クラスの友達にも! そして……上条君にも」
さ「……」
ま「もちろん、魔法少女じゃなくて普通の人間の状態で帰れるから、またこっちに戻ってきちゃうこともないし」
さ「……それ、あたしだけ?」
ま「うん、そうだよ。これでも無理してるんだから、さすがに他の子は戻してあげられないんだ。だから、
他のみんなには内緒だよ?」
さ「そうじゃなくて、まどかは? まどかは一緒に帰れないの?」
ま「それは無理だよ。わたしには円環のお仕事もあるし。さあ、急いで! 現世のみんなにとっても、最高の
クリスマスプレゼントに……きゃあっ!?」パシッ
さ「……ま、どか……っ!」
ま「な、なにするのさやかちゃん……痛いよ……嬉しくないの……?」
さ「あんたねえ、そんなんであたしが本当に喜ぶと思ってんの!? あたしがまどかを置いて一人現世に戻れる
わけないじゃない!」
ま「だって、わたしは、さやかちゃんがどうしたら一番幸せになれるか考えて……」
さ「あたしの幸せはまどかのそばにいることだよ! 結婚までしたのに、なんで今更あたしを現世に戻すとか、
そんなこと言うの!? 今までのあたしたちは何だったのよっ!?」
ま「でも、さやかちゃん、わたしにほとんど何もしてくれないから……」
さ「あっ、いや、その……それは……」
ま「ううん。いいの。わたし、上条君の代わりだってわかってるから」
さ「!」
ま「大丈夫、わたしのことは気にしないで。さやかちゃんは上条君と……」ポロッ
さ「……まどか、涙……」
ま「あ、あれ? おかしいな、わたし全然悲しくなんかないのに、さやかちゃんが幸せになれるんだから、
嬉しいはずなのに……。お、おかしいね、でも大丈夫だから……」
さ「大丈夫なんかじゃないっ!」
ま「!」ビクッ
さ「……まどか、まどか。どうして信じてくれないの。あたしが好きなのは、まどかだけだよ。まどかはあたしの
大事な大事な、世界で一番大好きな嫁なのに」
ま「でも……」
さ「ううん、そっか。確かにあたしが悪いね、まどかとは滅多に一緒に寝たりしないし、キスもほっぺとか
おでこばっかだし……。でもね、これだけは信じて。あたしはまどかが好き。恭介の代わりなんかじゃない。
あたしはまどかのことがなによりも大切で傷つけたくなくて、それで……その、ごめん!」
ま「さやかちゃん?」
757 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/12/25(火) 00:36:58.05 ID:GITFROXyP [2/2]
さ「本当にごめん。まどかを不安にさせて、こんなことまでさせて。まどかの旦那失格だね。さっきだって、
まどか叩いちゃったし。でも、お願い、お願いだから、あたしを現世に戻すなんて言わないで!
あたしはまどかのそばにいたいの!」
ま「そんな、わたしに気を遣って、無理して嘘つかなくても……」
さ「無理してるのは、まどかでしょ?」
ま「……してないよ」
さ「してるよ! まどかだって、本当はあたしと一緒にいたいでしょ!? それなのに、そんな自分の心を
押し殺すような真似して!」
ま「……」
さ「まどか!」
ま「……本当に? さやかちゃん、わたしのこと、本当に好きになってくれてるの……?」
さ「本当だよ、本当だよ! あたしは、まどかのことが好き、誰よりも愛してる!」
ま「……じゃあ、証拠見せて?」
さ「えっ、それって、その……///」
ま「……ほら、さやかちゃん、やっぱり……」
さ「……いや、違、えーと、ちょ、ちょっと待ってなさい!」キュッキュッ ポンッ
ま「それ、シャンパン?」
さ「ええい、ままよ!」グイッ ゴキュゴキュゴキュ
ま「ああっ、さやかちゃん、そんな一気飲みして、大丈夫?」オロオロ
さ「……あのね、まどか」キッ
ま「は、はいっ!」
さ「……これからすることは、酒の勢いなんかじゃないから。やっ、お酒飲んでるけど、本心だから」グイッ
ま「へ? さやかちゃ……っ」チュウッ
さ「んっ……ふぅっ……んんっ」
ま「んう……んふう……ぷはっ」ハア……ハア……
さ「……まどか」ハア……ハア……
ま「はい……」ハア……ハア……
さ「ベッド、行くよ……今夜は、寝かさないから」
ま「はいっ……」
めでたしめでたし、どっとはらい。
最終更新:2013年02月01日 08:19