7 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/03/02(土) 19:45:43.25 ID:z2KrWLhi0 [1/4]
>>1おつまどさや!
雨の日の電話での会話が書いてみたかったんだけど、けっこう長くなってしまいました。
#雨降り#
ざーざー
今日は日曜日。さやかちゃんと一緒にデパートへ行く予定だったんだけど…。
はぁ。
「まどか。残念なのはわかるけど、大雨洪水警報が出てるし外出は禁止だよ。後でホットココア作るよ」
「うん…。パパ、ありがとう…」
ざーざー
わたしは窓辺で頬杖をついて外をぼんやり眺めていました。
空は暗くどんよりしていて、大粒の雨が絶えることなく地面に落ちていきます。
手前ではてるてる坊主たちがむなしく揺れています。
あーあ、昨日頑張ってたくさん作ったんだけどなぁ。
もし今日晴れてたら、今頃さやかちゃんとデパートの屋上でクレープを頼んで…。
「はい、まどか。あーん♪」
わたしの想像の中のさやかちゃんがクレープを差し出します。
「あーん、とってもおいひーよー♪じゃあお返しにわたしのイチゴアイスクレープもどーぞ」
「あーん♪うーん、こっちもイケるわー」
「ここ色んな味があっていいよね。今のところ全部おいしいし…」
「よーし、いつかまどかと全味制覇してやるのだー!あ、まどか。もう1個だけ注文しない?」
「おなかいっぱいになりすぎない?」
「まどかと半分こで」
「うん♪どれにする?」
「えーと…。まどかはどれがいい?まどかに任せるよ」
「えー、わたしはさやかちゃんが選ぶものならなんでもいいよー」
「わかったよ。じゃあ"あたしの思うまどかが食べたい味のクレープ”を選ぶね♪」
「わーい、ヨロシクね♪」
…。
うぇひひ。
はぁ。
別に雨でもいいのです。警報さえ出てなかったら…。
さやかちゃんと並んで傘をさして一緒にデパートへ買い物に行って…。
あ、でも、一つの傘に二人入るのもいいよね…///
あ、わたし、前から新しい抱き枕が欲しかったんだ…。
……。
「前から欲しいなーって思ってたけど、実際来てみたらいっぱいあって迷っちゃうよー」
「抱き枕かー。まどかはどんなのがいいの?」
「んーとね。…わたしより少し大っきくて、抱きしめると落ち着けて幸せになれるようなのがいいかなって」
「むむむ、なかなか難しい注文だね。でも、さやかちゃんに任せなさーい!」
さやかちゃんが腕を組んで真剣に考え込んでいる様子が浮かんできます。
「この香りつき抱き枕なんてどう?ジャスミンの香りなんてリラックスできていいと思うよ」
「…」
本当はさやかちゃんを毎晩ぎゅっと抱いて眠れたらいいのになぁ。
「ん?まどか、どうしたの?」
「ううん。なんでもない…///」
「ふーん。せっかく頑張って選んであげたのに、ぼーっとしちゃってる子にはこうだぁ!!」
さやかちゃんがイタズラっぽく笑って、わたしにこちょこちょこちょ。
「うぇひひ。さやかちゃんくすぐったいよぉー」
「まだまだぁー!さやかちゃんの対まどか用くすぐり地獄を受けてみよー!!」
「うぇひー」
…。
えへへ、し・あ・わ・せ。
8 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/03/02(土) 19:47:54.20 ID:z2KrWLhi0 [2/4]
ざーざー
はぁ。
今日は雨。しかも朝から警報が出てるのです。
わたしはドサッとベッドに倒れます。今日のわたしはホントにため息だらけだなぁ。
~~~♪
このまま寝ちゃおうかなと思い始めた頃、机の上に置いてある携帯が鳴り出しました。
~~~♪
「この着信音は…、さやかちゃんからだ!」
わたしはベッドから跳ね起きて携帯に飛びつきます。
「もしもし、さやかちゃんっ!」
『やっほーまどか♪まどかの声がどうしても聞きたくて電話しちゃったよー』
スピーカー越しによく聞きなれた声が聞こえてきて、今までの憂鬱な気分は一気に吹き飛びました。
「わたしもさやかちゃんの声がとっても聞きたかった!」
『あはは///…雨、やまないね』
「うん。今日はさやかちゃんとたくさん遊べると思ってたのに…。」
『あたしもまどかといっぱい遊びたいよー。本当だったら今頃あたし達はマックでポテト山盛りにチャレンジして…』
「えーそんなにいっぱい食べられないよー」
『あはは。その後ショッピングでまどかに可愛い服をたくさん着せて…』
「えへへ。さやかちゃん、いっつも上手に選んでくれるよね」
『あはは。どーも。まどかもいっぱい服を持ってくるよね』
「だってさやかちゃん、わたしがすすめないとなかなか可愛い系の服着てくれないんだもん」
『それであたしはたいてい自分には似合わないよーって言うんだけど…』
「…わたしがお願いして結局着てくれるんだよね、さやかちゃんは」
『あれはずるいよー。あたしがまどかのお願いを断れない事知ってるくせにー』
「えへへぇ。でも、とっても似合ってると思うんだけどなぁ…」
『う///』
その後も、さやかちゃんともし今日一緒に出かけられていたらの想像をおしゃべりします。
………
『…うぅ。なんであんたの想像の中のあたしがそんなことを』
「えへへ。だって、わたしの中のさやかちゃんはいっつもそうだもん///」
『たはは…。まいったなぁ…///』
少しだけ沈黙があった後、突然さやかちゃんが大声をあげます。
『駄目!やっぱり我慢できない!』
「え?」
『ん、なんでもない。一回電話切るわ』
「…あ、…うん。さやかちゃんの声が聞けてとっても嬉しかった。ありがとう、さやかちゃん」
『えへへぇ、あたしもだよ。ありがとう、まどか。じゃあまた後で』
「…?」
「うぇひひ…。さ・や・か・ちゃん(はぁと)!」
わたしはベッドに倒れこんで、さやかちゃんとの会話の余韻に浸っていました。
9 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/03/02(土) 19:50:54.38 ID:z2KrWLhi0 [3/4]
……
そのまま幸せな気分になって眠ってしまったみたいです。
リビングのほうが騒がしくなって、わたしは目を覚ましました。
あれ?この声はもしかして…!
わたしは急いでリビングに向かうと、そこにいたのは…!
「さやかちゃん!?どうして…?」
「いやーどうしてもまどかに会いたくて、…来ちゃった♪…たはは…///」
さやかちゃんは雨でびっしょり濡れています。
「まどかのママに怒られたわー。警報が出てるし、もしあたしに何かあったらどうするんだーって」
「さやかちゃん!」
わたしもさやかちゃんに会いたかったよ、と抱きつきます。
「今あたしにくっついたら濡れちゃうよ、まどか。あたしはお風呂借りることになったから、その後で一緒にゲームやろうね♪」
「うん♪…あ、わたしも一緒にお風呂入るね。わたし、さやかちゃんと入りたい…」
「OK!じゃ、まどか、一緒に浴室へレッツゴー!!」
「おー!」
さやかちゃんが遊びに来てくれたことだし、この後はとっても楽しくてとっても幸せな時間を過ごせる事間違いなし!…です。
おしまい
最終更新:2013年04月16日 08:21