815 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 04:11:33.58 ID:cQ5eKoSP0 [1/3]
結局さやかちゃんがエスコートしてるじゃないですか!!
>>801より
~川べりのゆるい斜面の草むらにて~
「今日はあったかくて気持ちいいね、まどか♪」
「うん♪」
あたしたちは草むらに仰向けに寝転んで空を見上げる。
青空には柔らかそうな雲がぽつりぽつりと浮かんでいる。
「見て、まどか!あの雲、イチゴみたい!」
「わーほんとだ♪」
「あっちはソフトクリームかな。まだ、季節的には早いけど」
「もぅ。さやかちゃん、食いしん坊さんなんだからー」
まどかがにこっと笑うものだから、あたしは少し恥ずかしくなって言い訳をする。
「えー、ちょっとおなかすいてたものだから…」
…
ちょん。
あたしの手にまどかの手が当たる。
横を見ると、まどかが笑顔でこっちを見ていた。
「まーどか♪」
あたしはその手をぎゅっと握り返す。
「えへへ。さやかちゃん♪」
まどかがごろんと転がって、あたしにぴったりしがみつく。
「もー甘えん坊さん♪」
あたしもまどかにぎゅっと抱きつく。
まどか、あったかくて抱き心地いいなー。
ずっとこのままでいたいよ。
あたしはそう思った。
816 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 04:15:22.86 ID:cQ5eKoSP0 [2/3]
「えへへ。さ、や、か…ちゃん♪」
「え…?ぐ…」
あたしは軽い衝撃に目をつぶる。
再び目を開けると、あたしのすぐ前にまどかの顔があった。
その顔はイタズラっぽく笑っている。
どうやら、まどかがあたしの上に飛び乗ってきたみたいだ。
「もーイタズラっ子めー。そんな子には、こうだー!!」
あたしは仰向けの姿勢のまま、まどかを抱きしめると、くるっと回転した。
形勢逆転。
あたしはまどかの上に陣取って、今度は仰向けになったまどかをくすぐり始める。
「あはは。やめてーさやかちゃん。クスグッタイヨー」
「だーめー♪いきなり飛び乗ってきた罰だー♪」
あはは。
まどかはじたばたしてるけど、あたしのくすぐり攻撃からそう簡単に逃れられるものかー♪
こちょこちょ。
…
…
「う、…く、くしゅん」
春風に飛ばされてきた綿毛が、あたしの鼻をくすぐる。
「えへへ、すきありだよ!さやかちゃん♪」
あたしのくすぐり攻撃が弱まったのを見て、まどかの両手があたしの首の後ろに回される。
そして…チュ。
まどかの唇があたしのほっぺに当たっていた。
「わわわ…///」
いきなりほっぺにキスをされて、あたしは真っ赤になる。
まどかの反撃は効果抜群だ。
あたしはすっかり混乱してしまい、仰向けにされているまどかから離れようとする。
しかし、まどかの両手はあたしの身体にしっかり回されていた。
そんな状態だったものだから、あたしが飛び退こうとすると、まどかもそのまま付いてきてしまった。
そして、あたしはバランスを崩してしまい…、
「キャー!!」
―あたしたちは一緒に緩い斜面を転がり落ちた。
817 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 04:19:04.49 ID:cQ5eKoSP0 [3/3]
「いたた。…まどか、大丈夫!?」
「…うん、平気。…さやかちゃんは?」
あたしたちは草が生い茂ってるところで止まれて、川原の石がごろごろしてるところまで落ちずにすんだ。
「あたしも平気。ごめんね、まどか」
「ううん、謝らないといけないのはわたしだよ。…ごめんね、さやかちゃん…」
「ううん、やっぱり悪いのはあたしだよ。ごめんね」
「でも…」
お互いに謝りあっていると、なぜだかくすぐったい気持ちになってきた。
そして、
「あはは」
「うぇひひ」
―あたしたちは、青空の中で大笑いした。
おしまい
最終更新:2013年04月18日 06:25