51-505

505 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/01/12(土) 00:36:26.03 ID:RfRKkWty0 [1/7]
仁美が今日も男子からラブレターを貰った、ということであたしの家で相談を受けていた
・・・まぁ結局お断りするということで話がついたんだけど,今日の話題は専らラブレターについてだった

さ「そういえば、ラブレターならあたしも貰ったことあるよ。女の子からだけど」
ひ「女の子から・・・ですか?」

ちょっと興味があるような目で聞き返してきた。仁美ははなんかこっち方面の話題に食いつくんだよなぁ。

さ「小学生のころだし、名前かいてなかったから誰なのかはわからないんだけどねー。・・・やっぱり変かな?」
ま「そんなことないよーさやかちゃんって可愛いだけじゃなくてカッコいいから気になっちゃう女の子だっていっぱいいるって思うな」
さ「そ、そうかな・・・?さすがあたしの嫁!褒めるのがうまいねぇー」

あたしはそんなこといいながらまどかに抱きついてみる。まどかは「きゃー」なんてかるく悲鳴を上げるが、顔はすごくうれしそうに笑っている。
あたしはこの笑顔が大好きだ。ちなみに仁美はそんなあたしたちを眼を輝かせながら見つめている・・・この子の将来大丈夫なんだろうか。

ひ「それで、そのラブレターって今も持っていますの?」
さ「え?うん。初めてもらったラブレターだったから私も結構うれしくって・・・捨てるに捨てられなかったんだ。捨てるのも相手に悪いしねぇ。」
ひ「不躾なお願いですが、わたくし後学のためにそのラブレター拝見したいですわ。」
さ「え、ええ?、でも相手に悪いし・・・っていうか後学って何を学ぶつもりなのよ」
ま「あ、私も見てみたいなー」
さ「ええ?まどかまで?何でそんなに二人とも興味津々なのよー」
ひ「さやかさんのお嫁さんとしては他の女性からのラブレターなんて見過ごせませんものね」
ま「べ、べつにそういうわけじゃ・・・」
さ「あはは・・・んー、じゃあちょっと待ってて、取って来るよ。2人には特別見せたげる。・・・誰にも言っちゃ駄目だよ?」

そういってあたしは件の手紙を引き出しから取り出した。実はこれお気に入りっていうか・・・今でもたまに読み返したりしてるのは秘密だ
なんか心があったかくなるんだよね、これ読んでると。

ひ「3人で同じ手紙を読むのは窮屈ですし、せっかくですからさやかさんが呼んでいただけませんか?」
さ「あたしが?い、いやぁ自分宛のラブレター声に出して読むってなんか恥ずかしいな・・・」

『大好きなさやかちゃんへ
急にこんなお手紙を貰って、さやかちゃんは困っちゃうかもしれません。私も直接伝えたかったんだけど、恥ずかしくって、さやかちゃんを目の前にすると
全然言葉が出なくなっちゃって、だからお手紙で私の気持ちを伝えたいと思って、このお手紙を書きました。私はさやかちゃんが大好きです
さやかちゃんと出会う前、私は一人ぼっちで、さみしくって、毎日がつまらなくって、明日なんか来ないで欲しい、なんて思うときもありました。
まるでまっくらな世界に一人だけ取り残されているような、そんな気持ちになったときもありました
でも、さやかちゃんと出会ってから、私は毎日が楽しくて、まるで真っ暗だった世界に太陽が差し込んだように明るくなったような、そんな気がしたんです。
さやかちゃんがいてくれるおかげで私は一人ぼっちにならずにすみました。さやかちゃんがいてくれたおかげで毎日が楽しくなりました
わたしはさやかちゃんにいくら感謝してもし足りません。今、私はさやかちゃんにいろいろな気持ちを貰うだけの女の子だけど、わたしはがんばって、さやかちゃんに
私が貰った暖かい気持ちを返せるような、いえ、さやかちゃんに貰った以上に多くの暖かい気持ちをあげられる様になりたいって
さやかちゃんに私のこと大好きになってもらいたいって思っています。こんな私だけど、これからもずっと私と仲良くしてください。』

506 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/01/12(土) 00:37:01.19 ID:RfRKkWty0 [2/7]
さ「・・・なんか思ってた以上に恥ずかしかったわー」
ま「・・・」

なんかまどか、うつむいちゃったけどどうしたんだろ?

ひ「ふふふ、恥ずかしがることなんかありませんわ。さやかさんのことが大好きだって言うのが伝わってくるいい文章ではありませんか。ねぇまどかさん?」
まどか「・・・え、ええっとその」
さ「そ、そうかな?えへへ・・・」
ひ「それでさやかさん・・・もしこのラブレターの主がわかっていたらどんな返事をしようと思っていたんですか?」
さ「え?うーん、そりゃあここまで思ってもらっているならもう嫁にするしか・・・」
ひ「さ や か さ ん」

仁美が笑顔を崩さずに、でも明らかに怒気のこもった声で私に話しかけてきた

さ「ひ、仁美?え、笑顔で怒らないでよすげぇこわい」
ひ「こういうことは冗談でごまかすものではございませんわ」
さ「そ、そう?そうだなぁえーっと・・・あたしね、これ貰ったときすごくうれしかったんだ。何でかって言うと、あたし時々自信がなくなるんだよ
あたしって馬鹿だし、うるさいし、実はみんなにうざい、とかうっとおしい、とか思われてるんじゃないかって。でもこの子はあたしのことをこんなに好きでいてくれて、
こんなにあたしのこと受け入れてくれて、そんな人がいるって考えたらすごく自信がついたって言うか・・・
相手が女の子でもすっごく嬉しかった。まぁ女の子同士だし、付き合うかどうかはともかくとしてさ、
こんなにあたしのこと思ってくれてる子となら・・・ずっと一緒にいたいってそう思ったよ。」

まあ結局相手はわからずじまいだったんだけど、とあたしはそう続けた。

ひ「あらあら。だそうですよまどかさん?」
ま「あ、・・・あのねさやかちゃん」
さ「ん?・・・まどか、すごい顔真っ赤だよ!?大丈夫?」
ま「だ、大丈夫、だよ!そうじゃなくってあの・・・その・・・ね?それ・・・」

まどかはあたしの持っていたラブレターを指差している・・・これがどうしたんだろ?

ま「そ、それ私がさやかちゃんに書いたお手紙・・・なの」
さ「え・・・ええ!?このラブレターまどかが!?」

え、まじで?え?まどかが?なんで?そりゃあたしもまどかの事は大好きだけど、まどかと付き合うなんて考えたこともなかったし
っつーかまどかとは今までずっと一緒にいたし抱き合ったり一緒に寝たりとかずっとしてきたから
まどかがあたしに惚れちゃってたんだったらあたしひょっとしてまどかにとても残酷なことしてきたんじゃ・・・も、もう責任取るしか?
いやまどかとならずっと一緒でも別にかまわないけどでもでもまどかと付き合うって事はやっぱりキスとかするんだよね!?
いやいやいやいやそういうのはまだ心の準備が・・・

ま「ち、ちがうの!それ書いたのさやかちゃんとお友達になってからすぐだったんだけど、私さやかちゃんのが友達になってくれたのがうれしくって
、それをさやかちゃんに伝えたかったけど、でもうまく言葉で伝えられなかったから お手紙にしてみたんだけど・・・
だからラブレターなんてそんなつもりじゃなくって!でもでも!さやかちゃんのことは大好きなのは嘘じゃないんだけどその・・・その・・・」

一生懸命言葉を紡ぐまどかがなんだか愛おしくって、あたしは思わずまどかを抱きしめてしまった。いつものおふざけの抱擁じゃなくて、
まどかのことが大好きだよって気持ちをこめて。

さ「これ・・・まどかが書いてくれたんだね・・・その、ごめん、あたし鈍くって全然気づかなかった」
ま「さ、さやかちゃんは悪くないよ!だって、名前書き忘れたの私だもん。そもそも直接渡せば・・・」
さ「あ、あのね、実はこれ今でも時々読み返したりしてて・・・あたしの宝物なんだ。
  その、あたしもね、まどかのこと・・・大好き、だよ・・・こんな馬鹿なあたしだけど・・・その、これからもずっと、ずっと一緒にいて欲しいな」
ま「う・・・うん。さやかちゃん・・・ずっと一緒・・・だよ」



ひ「どうやら私はお邪魔のようですね・・・志筑仁美はクールに去りますわ・・・」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年10月23日 07:46
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。