39 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/10/01(火) 22:27:59.55 ID:5V6OiZZ20
短いですがまど界もののお話をアップさせていただきます。
ちょっと暗い要素もありますがまどさやはだいたいいつも通りです。
[カウンセラーさやかちゃん]
ttp://ux.getuploader.com/madosaya/download/223/counselor_saya.txt
[ある魔法少女の一日]、[まど界10周年記念と]同じ設定です。
さやかちゃんがまど界見滝原を守護する騎士だったり自由の女神像になってたりします。
[カウンセラーさやかちゃん]
―見滝原の街角にて―
魔法少女A「……。」キョロキョロオドオド
さやかちゃん「よっ。」ポン
魔法少女A「きゃああああっ!?」
さやかちゃん「あんたさっきからそんな物陰で何やってんの?」
魔法少女A「い、いえ…あの、えっと、そのぉ…。」
魔法少女A「(あれ? この人、街の像になってる人だ…。この街を護る凄い魔法少女だって聴いたけど…。)」
さやかちゃん「どしたの? 言い難い事だったら無理にとは言わないけどさ。」
魔法少女A「うっ…。わ、笑わないで聴いてくださいね…?」
さやかちゃん「うんうん。」
魔法少女A「私その…魔法少女になる前からドジで、やっぱり魔法少女になってもヘナチョコで…。」
魔法少女A「魔獣を見付けて戦いを挑んだのはいいんですけど、いきなり死んじゃって…。」
魔法少女A「わ、私みたいなヘナチョコ魔法少女が…こんな素敵な街に居てもいいのかなって…。」
さやかちゃん「そっか、初戦でやられちゃった訳かぁ。自慢じゃないけどあたしも現世じゃいまいちパッとしなかったしねー。」
魔法少女A「えっ!? そうなんですか…?」
さやかちゃん「ここは魔法少女が第二の人生を送る世界だからね。時間はたっぷりあるんだから、自分を変えたいとか思うならチャンスだよ?」
さやかちゃん「別に戦わなくても生きて行けるんだし。それに強くなりたいって思うならあたしが稽古付けたげてもいいよ。」
魔法少女A「ほ、ホントですか!? それじゃあの………わ、私なんかで良かったら…お、おおお友達に…なっていただけませんか…?」
………………………………………………♭♭♭………………………………………………
―夜:見滝原街外れの丘にて―
魔法少女B「………。」ポツーン
さやかちゃん「ねぇ、ちょっと隣いいかな?」
魔法少女B「―――!?(いつの間にこんな近くに…。私が油断していたの…?)」
魔法少女B「………。あまり…私に近寄らない方が…いいと思う…。」
さやかちゃん「あんたいつも夜になると、この丘から一人で星を見てるよね。」
魔法少女B「なっ…! 私の事、見張ってたの…?」
さやかちゃん「ううん、見張るとかそういうのじゃないよ。ただちょっと心配になっただけ。」
魔法少女B「…余計なお世話…。私は誰とも関わりたくないだけ…。」
さやかちゃん「ほら、またそんな悲しそうな眼をするんだもん。放っておけないよ。」
魔法少女B「………。」
さやかちゃん「あたし結構直感鋭いんだ。あんたの心、もの凄く苦しそうな気がするなー。」
魔法少女B「………っ!」
魔法少女B「………………。…私…人を殺す為に魔法少女になったの。」
さやかちゃん「………そうなんだ…。」
魔法少女B「…ただそれだけ。それだけの願いなのに…願いは確かに叶ったのに……私の心の中は…何も晴れなかった…。」
魔法少女B「それでね、導かれる時…神様に暴言を吐いたの…。」
魔法少女B「全ての魔法少女が夢や希望を持って契約した訳じゃないんだ。」
魔法少女B「私みたいに他人を憎んで、呪う為に契約した魔法少女も居るんだって。だから………。」
さやかちゃん「だから、自分とは関わるべきじゃないって?」
魔法少女B「………。」
さやかちゃん「…でもさ、これでちょっとはスッキリしたんじゃない?」
魔法少女B「え…?」
さやかちゃん「そうやって不満とか辛い事とか、心の中に溜め込んだままじゃ辛いっしょ?」
さやかちゃん「あんたはさ…誰かに話、聴いて欲しかったんじゃないの?」
魔法少女B「…ぁ……。」
さやかちゃん「それじゃ、そんな悩める女の子にさやかちゃんが素敵な言葉を進ぜよう~。」
魔法少女B「…?」キョト
さやかちゃん「やり直せるよ。」
魔法少女B「!! ……ホントに……?」
さやかちゃん「後悔、してるんでしょ?」
魔法少女B「………。」コク
さやかちゃん「すぐに心入れ替えてって言うのは難しいけどさ。ちょっとずつでいいから、楽しい事とか考えてみない?」
魔法少女B「楽しい…事…。」
さやかちゃん「星、好きなんでしょ?」
魔法少女B「……多分…。」
さやかちゃん「さてと。夜遅くなりそうだし、あたしそろそろ帰んなきゃ。」
魔法少女B「…ま…待って…。」
さやかちゃん「ん?」
魔法少女B「また…会いたい…。待ってる…から…。迷惑じゃ…なかったら…。」
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―見滝原公園―
魔法少女C「………はぁ。」シュン
さやかちゃん「どうしたの?そんなトコで溜息吐いちゃってさ。」
魔法少女C「―――ってひゃああああっ!? 自由の女神像の人~!?」
さやかちゃん「そんなに驚かなくてもいいのに。溜息ばっか吐いてると幸せが逃げちゃうぞ?」
魔法少女C「は、はい…そうですよね。………はぁ…。」
ビシッ!(ちょっぷ)
魔法少女C「いたぁ~い! 何するんですかー!?」
さやかちゃん「あんたねぇ、言った側から溜息吐いてんじゃん。何か悩み事でもあるの?」
魔法少女C「う…はい…。あのですね、私…女神様に導いて貰ったのに後悔ばかりでどうしたらいいのか…。」
魔法少女C「私、大切な友達を守る為に魔法少女になったんです。ボディーガードになりたくて。なのに…。」
さやかちゃん「なのに?」
魔法少女C「私の方が友達を庇って先に死んじゃって、願いの通りに人生を全うした筈なのに………。」
魔法少女C「やっぱり死にたくなかったって、最後の最期に思っちゃって、なんでこんな願い事したのかって後悔して…。」
魔法少女C「それでも残して来た友達が気になって、女神様にお願いして現世の友達の様子を見せて貰ったんです。」
さやかちゃん「それで、友達はどんな感じだったの?」
魔法少女C「それが…それが………。私が守って導かれた後、結局友達も私を追って命を絶ってしまったらしくて…。」
さやかちゃん「ええっ!?」
魔法少女C「私…何の為に…魔法少女になったのか…。」ポロポロ
さやかちゃん「そっか…。」ナデナデヨシヨシ
魔法少女C「…ぅ…ぐす………すみません…。」
さやかちゃん「落ち着いた?」
魔法少女C「は、はい…。騎士様が良くしてくれたから、もう大丈夫です…///」ポー
さやかちゃん「あたしだって現世じゃ随分後悔したからね。結局自分の祈りが無駄になっちゃってさ。」
魔法少女C「えっ!?騎士様も…そうだったんですか…?」
さやかちゃん「うん。でもまぁ、あたしは後で自分の祈りと同じくらい、あたしを大切に想ってくれてる人に気付ちゃった訳だけど。」
さやかちゃん「あんたは人の為に命張れるくらい優しいんだから、自分を大切に想ってくれる人にきっと出会えるよ。」
魔法少女C「優しい…のかな…? 何だか照れちゃいますね♪ でも…友達は私の事恨んでないかな…先に死んじゃった私を…。」
さやかちゃん「恨んでなんてないよ。精一杯その子を守ろうとしたんでしょ?」
魔法少女C「はい…。でも、やっぱり謝りたいな…。」
さやかちゃん「それじゃさ、行こうよ。」
魔法少女C「はい…?」
さやかちゃん「祈りに行こう。いわゆる"懺悔"って奴かな。」
魔法少女C「懺悔…?」
さやかちゃん「この街には立派な教会があるんだからさ。何だったらあたしがそこの主に取り繕ってあげるよ?」
魔法少女C「は、はい是非!(騎士様だって凄く優しい…。これがもし、私の運命の出会いだったら…///)」
――紅桜教会(佐倉杏子の教会)――
魔法少女C「…という訳なんです。」
あんこちゃん「…そりゃ構わないけどさ…。」
さやかちゃん「ん?どうしたの?」
あんこちゃん「おいさやか…お前さっきから扉に隠れてる嫁を心配しなよ。」
さやかちゃん「へ…?」
めどかちゃん「さ~や~か~ちゃ~ん!!」プルプルプル
魔法少女C「め、女神様~!?」
さやかちゃん「そんな所で何やってるのよまどか?」
めどかちゃん「さやかちゃんの馬鹿馬鹿馬鹿! この前から王子様モードで女の子を落としまくってるでしょ!」
さやかちゃん「はぁ…?」
めどかちゃん「だってだってぇ~!この子絶対さやかちゃんに胸キュンしちゃってるよ!」
魔法少女C「ち、違うんです女神様! 私別にそんな邪(よこしま)な事思ってないです! 騎士様はただ、私を慰めてくれただけで…///」
あんこちゃん「コイツ顔赤いよ。」ボソ
さやかちゃん「へ???」
めどかちゃん「ぅぅぅぅ~…やっぱり王子様モードだよぉ~! さやかちゃん!浮気は絶対駄目だからねっ!!」
さやかちゃん「何処が浮気なのよ~! 困ってる子を助けるのはこの街を守るあたしの使命でしょ!」
めどかちゃん「でもさやかちゃんがモテモテなのは駄目なの~!わたしが一番さやかちゃんを大好きなんだからー!」
さやかちゃん「あたしだって嫁の為に頑張るのは当たり前でしょ!まどか一筋なんだから!」
(ぎゃーぎゃー)
あんこちゃん「んじゃ、とりあえず始めるか。」
魔法少女C「あ、あのぉ…このお二人はいいんですか…?」
あんこちゃん「あー…そろそろ壁に砂糖がこびり付き始めるだろうけどいつもの事だから放っとけ。」
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―鹿目家(まど界)―
さやかちゃん「ほい、晩御飯出来たよ。まどかそろそろ機嫌直してよー。」
めどかちゃん「…ありがとうね、さやかちゃん。」
さやかちゃん「へ???」
めどかちゃん「えへへ…見掛けたさやかちゃんがあんまりかっこよかったから、つい焼き餅焼いちゃった♪」
めどかちゃん「本当は神様のわたしが責任持って全ての魔法少女を幸せにしてあげなきゃいけないんだけど…。」
めどかちゃん「やっぱりわたし一人の力じゃ、全ての魔法少女を気遣ってあげる事はできないから…。」
さやかちゃん「そりゃまぁ、まどかは一人だもんね。」
めどかちゃん「それにね、特に深く傷付いてる子はさやかちゃんの方が上手に光を分けてあげられる気がするの。」
さやかちゃん「あはは…あんまり期待されるとさやかちゃん困っちゃいますよ。」
めどかちゃん「大丈夫だよ。だってわたしの信じるさやかちゃんなんだもん。」
めどかちゃん「あの星を見上げてた女の子なんて、わたしじゃ全然心を開かせてあげられなかったから…。」
さやかちゃん「神様っつっても心は人間なんだからさ。」
さやかちゃん「みんなが同じ事で悩んでて、同じ方法で解決するなら、世の中誰も不幸になんてならないよ。」
めどかちゃん「うん、そうだよね…。えーっと…それより早くご飯食べようよ、せっかくさやかちゃんが作ってくれたんだから。」
さやかちゃん「それじゃ…」
「「いただきまーす!」」
[カウンセラーさやかちゃん]
おしまい。
最終更新:2013年10月24日 21:25