108 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/05/16(木) 22:18:30.23 ID:R4XKUSs50 [2/4]
着ぐるみのお話が出てたのでちょっと失礼します。
―デパートにて―
さやかちゃん「仁美ー、ほむらー、お待たせー!」
仁美ちゃん「わたくし達も今着いた所ですわ。」
ほむらちゃん「今日はまどか抜きなんて珍しいわね?」
さやかちゃん「なんか珍しく都合悪いんだってさ。まぁたまにはそんな事もあるよね。」
着ぐるみのカエルさん「………。」スッ
仁美ちゃん「あら? カエルさんが風船をくださるそうですわ。」
ほむらちゃん「わ、私は恥ずかしいから遠慮するわ…。」
さやかちゃん「まぁ中学生にもなって風船はちょっとね…。」
カエルさん「………。」ズイッ
さやかちゃん「ん? 何でそんな熱心にあたしに渡そうとするのよ?」
カエルさん「………。」ズズイッ
さやかちゃん「いや、そんなの貰っても荷物になるって言うかさぁ…。」
カエルさん「………。」シュン
仁美ちゃん「なんだかちょっと可愛そうに見えますね…。」
ほむらちゃん「表情は変わらないのにやけに哀愁漂うのは何故かしら…。さやか、貰ってあげたら?」
さやかちゃん「何であたしが~!? しょうがないなぁ…一つ貰うよ。」
カエルさん「…!!」パァァァ
カエルさんは満足したのか、心なしか輝いた様子で立ち去って行ったのでした。
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さやかちゃん「ふー、限定版買えた買えた!」
ほむらちゃん「幾ら貴重だからって、同じ物を二つも買うのはどうかと思うわよ。」
仁美ちゃん「オークションで転売でもするんですの?」
さやかちゃん「酷いなー。このさやかちゃんがそんな卑怯な事する訳ないじゃんー!」
(アハハハ)(キャッキャウフフ)
カエルさん「………。」ジー
さやかちゃん「くぉらほむら~! 誰が両手に華よ。あたしは男かっつーの!」アハハ
仁美ちゃん「確かに三人の中ではさやかさんが一番ボーイッシュかもしれませんわね。」クスクス
さやかちゃん「ぐぬぬ…そんな事言う仁美にはこうだ~!」グイ
仁美ちゃん「ちょ、ちょっとさやかさん!? デパートで手を繋ぐなんて…///」
さやかちゃん「ほれほれほむらも~♪」ガシ
ほむらちゃん「んなっ…!?///」
カエルさん「…!!」
さやかちゃんは肩にバッグを掛けた左手で仁美ちゃんの右腕を組み、風船の紐を掛けた右手でほむらちゃんの左手を取ったのです。
ほむらちゃん「わ、わざわざ指同士を絡めなくてもいいと思うのだけど…?」カァァ
さやかちゃん「あら~? 顔が赤いですよほむらさ~ん?」
仁美ちゃん「さやかさん、距離が近いですわ~♪」
カエルさん「~~~っ!!」トテテテ ジー
仁美ちゃん「あのカエルさん、いつからそこに居たのでしょうか…?」
さやかちゃん「へ?」
ほむらちゃん「ねえさやか…そこのカエルから妙に殺気を感じない?」
さやかちゃん「何がよ? (あれっ? あの着ぐるみ、もしかして…。はっはーん!)」キュピーン
110 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/05/16(木) 22:19:37.35 ID:R4XKUSs50 [3/4]
さやかちゃん「ちょっと疲れたからベンチに座ろうよ。」
仁美ちゃん「わたくし何か飲み物を買って参りますわ。」タタタタ
さやかちゃん「ほむらその荷物かなり重そうじゃん。肩揉んであげるよ。」
ほむらちゃん「ええっ!?」
さやかちゃん「遠慮しないでほれほれー♪」
ほむらちゃん「あ、ありがと…/// ―――っ!???」ゾクッ
背後から並々ならぬ殺気を感じた二人が振り返ると、そこにはさっきのカエルの着ぐるみが立っていました。
カエルさん「~~~~っ!!」プルプルプル
さやかちゃん「ねえ。あんたまどかでしょ?」
ほむらちゃん「へ…??????」
カエルさん「!!」ブンブンブン
カエルさんは必死に首を横に振りますが、さやかちゃんには何もかも見透かされてしまっている様です。
さやかちゃん「なーんか必死にあたし等に着いて周ってると思ったらやっぱりね。」
ほむらちゃん「…そういう事だったのね…。で、さやかはいつ頃から気付いていたの?」
さやかちゃん「最初に風船渡された時から何か変だな~とは思ってたんだけどさー。」
カエルさん「~~~!」ブンブンブン ピョコピョコ
仁美ちゃん「お待たせしました~。…あら? カエルさん…???」
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―志筑邸―
さやかちゃん達は買い物を終え、まどかちゃんもバイトを終えて仁美ちゃんのお家に来ていたのですが…。
まどかちゃん「ふーんだ! さやかちゃんなんかもう知らないもん!」プイ
さやかちゃん「だからごめんってば~! まどかが可愛いからちょっと悪戯してみたくなっちゃってさー。」
まどかちゃん「ううーっ…そんな事言ったって騙されないよーだ!」プクー
仁美ちゃん「まどかさんが風船の様になってしまわれましたわ…。」
ほむらちゃん「(まどかは必死に怒ろうとしてるのだろうけど…笑っては駄目よ、笑っては…。)」プププ
仁美ちゃん「(ほむらさん…堪えられてませんわ…。)」
ほむらちゃん「そういえばさやか、今朝限定版を二つ買ってたのってもしかして…。」
さやかちゃん「あっ!そうだった。これまどかの分ね。ねんどろ"めがおん"セット限定版。」
まどかちゃん「あれっ?今日これ発売日だったの?」
さやかちゃん「まぁ…まどかの事だから忘れちゃってそうだったし、前から絶対買うんだーって言ってたじゃん。」
さやかちゃん「って訳でさ…今日の所はこれで許してよ、ね?」
まどかちゃん「うわーい!さやかちゃん大好きー!」ガバッ
さやかちゃん「ほーらもう、まどかってば現金なんだから。」
ほむらちゃん「現金なんじゃなくて、自分の事を考えてくれた優しさに甘えたいのでしょう。」
仁美ちゃん「これで一件落着ですわね。」ニコニコ
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―帰り道―
まどかちゃん「ねぇさやかちゃん、その風船お家に持って帰ってくれるの?」
さやかちゃん「まだ全然大丈夫みたいだし、しぼむまでは家に置いとくよ。まどかがくれたから捨て辛くってさー。」
まどかちゃん「うー…なんでさやかちゃんにバレちゃったのかなぁ…。」
さやかちゃん「そりゃー、こんなデカい中学生に風船渡すマスコットはまどかくらいでしょ。」
まどかちゃん「えへへ♪ そうかなー。」
さやかちゃん「あはははは!そうだよ~。」
おしまい。
最終更新:2013年11月04日 13:00