60-534

534 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/05/23(木) 18:27:14.61 ID:AsdfSxoM0 [1/4]
まどさやはお互い無意識のうちにイチャイチャしちゃう!
以前頂いたお題より(今さらw)。いつものごとくだらだら展開です

~さやかちゃんとまど分霊達~

ま「てぃふー。今日もお仕事頑張るよ!いってきまーす」
さ「いってらっしゃい~!」
ちゅ。
あたしはまど界の管理の仕事に向かうまどか(女神)をキスで送り出した。
いつもはまどかがいなくなってしまって少し寂しくなるのだが、今日は違う。
今日のあたしには、まどかのためにこっそりラズベリージャムを作るというミッションがあるのだ。
去年レシピ本を見て作ってみたらまどかに大好評で、いつかまた作って欲しいとお願いされていたのだ。
よし、まずは野原へ行ってラズベリーを摘んでこなくっちゃ!
あたしは昨日から準備していたリュックサックを手にし、ドアノブにそっと手をかけた。

と、その時…。
ま「あー、さやかちゃん。どこ行くの?」
ぎくー!…見つかってしまった。
一体のまど分霊が部屋から元気よく飛び出してくる。
その声に反応して、他のまど分霊たちもどんどん集まってくる。

まど分霊(ぶんれい/わけみたま)―。
女神になったまどかを模した存在で、まどかとともにこの世界・まど界を支えていたり
力尽きた魔法少女の救済に行ったりしている。
性格は基本的にはまどかと同じだが、1体1体微妙な違いも存在する。
『楽しくなると数が増える』という噂は、まど界7大不思議に数えられているとか…。
どうもあたしは彼女たちのお気に入りのようで、
24時間中代わる代わるあたしの元にやってきては甘えてくる。
このへんはまどかとちっとも変わらないよね♪
<ちなみにこのSS内では手のひらサイズで自由に飛び回ってます>

さ「お願いだから本体には言わないでね。後で驚かせてやりたいから」
ま「うん、いいよ~。その代わりわたしも連れてってね」
ま「あ、ずるいよ~!わたしも行く!」
ま「わたしも!」
あは、あはは…。まぁ、こうなるよね。

こうしてあたしはまど分霊(7体)と一緒にラズベリー採集に行く事になったのだけど…。
あたしの前を行ったり来たり回ったりして、はしゃぎまわってるまど分霊たちを見てると…。
うん、…なんだかかなり疲れそうだ…(一緒に行くのはもちろん楽しいけどね)。

535 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/05/23(木) 18:29:39.06 ID:AsdfSxoM0 [2/4]
道中―。
ま「わぁい、サヤカチャ!」ピト
さ「わわ!」
いきなり一体のまど分霊があたしの鼻にくっついてスリスリしてきた。
そう言えばこの子はさっきもあたしの頭に飛び乗ってきて甘えてたなぁ。
ま「うぇひひ。さやかちゃん!さやかちゃん!」
さ「よしよし。…そうだ!あんたは『甘えん坊』と名づけよう」ナデナデ
甘「うぇひ~♪」
『まどか』と呼ぶと分霊たち全員が揃って返事してしまうのもややこしいからね。

ま「「さやかちゃーん♪」」
さ「え!?…わわわ」
あたしの顔面につぎづぎと何かがぶつかってきた。
残りのまど分霊達があたしに一斉に飛びついてきたのだ。
ま「「わたしにもなまえつけて、つけて!」」ギュー
…あはは。全員甘えん坊だったよ。
ギュー、スリスリ、ギュー、スリスリ…。
さ「わわ。わかった!わかったってば!…野原につくまでに全員の名前考えるから!」
ま「「ヤター♪」」
ふぃー、こんなところであたしに課題が出来ちゃったよー。

~~
その後、あたしはまどか達としりとりをしながら歩いていたんだけど―。
ま「あう」ビタン
突然あたしの目の前で、一体のまど分霊が盛大に地面に衝突した。
しりとりで単語を考えるのに夢中になりすぎていたようだ。
さ「まどか、大丈夫!?」
あたしが急いで拾い上げると、まど分霊はあたしの手のひらの中で涙目になっていた。
さ「うーん、怪我は…してないみたいだね、よかったよかった」ナデナデ

そういやこの子はさっきもぶつかってたなぁ。
この子には『ドジっ子』とでも名づけようか。
うーむ…。
さ「ほ~ら。いい子だから、もぅ泣かない」
あたしは指先でまど分霊の涙をふく。
ま「うん…」グスン

泣き止んだのを見届けたら、あたしはまど分霊のお腹をこちょこちょする。
ま「うぇひ。うぇひひ♪」
すると、分霊はあたしの手のひらの上で嬉しそうに転げまわる。
ま「…うん♪わたしもぅ泣かない!今度はぶつからないように頑張るよ!」
うーん。頑張るというより、気をつけると言ったほうが正しいと思うけど…。
さ「よしよしえらいぞー!あんたは『頑張り屋』と名づけよう!」
そう言って再びおなかをくすぐってやる。
ま「うぇひ~♪」

536 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/05/23(木) 18:30:16.34 ID:AsdfSxoM0 [3/4]
ま「「…」」ジトー
え?…ハッ!?
気が付くと、たくさんの恨めしそうな目があたしを見ていた。
なんだろう…。なんとなく身の危険を感じる…。

ま「ずるいー!!」ムー
突然一体のまど分霊があたしの胸元に飛び込んでくる。
さ「わひゃ!?///」
いくら分霊が小さいからといっても、胸の間に入り込まれたら、…その…えーと…///
ま「わたしにも!わたしにも!」スリスリ
たちまち他のまど分霊たちも飛びついてくる。
さ「ちょ、まどか!そこは駄目。駄目だってば///」

また、あるまど分霊はいきなり服を脱ぎだした。
ま「わたしはこうやってさやかちゃんのはぁとをわしづかみにしちゃうよ///」
さ「ちょ…///」
ま「さやかちゃん…どうかな?///」
案の定、みんなが遅れまいと脱ぎだす。
さ「いったいどこでそんなプレー覚えたのよ~!!」

さ「わかった。わかったから!…全員に(おなかくすぐり)やってあげるからストップー!!」
ま「「わーい♪」」
気が付くと、いつの間にかまど分霊の数が増えていた!
楽しくなると数が増えるという噂はホンモノだね(あたしは知ってたけど…)。
増えたまど分霊たちはあたしの前で列を作って待機している。
うーん。これは全員くすぐり終えるまで、かなり時間がかかりそうだ。

ちなみに最初に胸に入ってきた分霊と脱ぎだした分霊には『お転婆』と『ハレンチ』と名づけました。
「え~」と不満そうだったけど、変な事した罰だよ!
今日限定の名前なんだし、少しは反省しなさい。

537 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/05/23(木) 18:33:27.08 ID:AsdfSxoM0 [4/4]
~~
さ「ふー。やっと着いたよー」
目的地の野原に着いたときには、すでにお昼を過ぎていた。
なんだかものすごく疲れた気がする。
ま「「あれ?さやかちゃん疲れてるの?」」ジー
おーい、主にあんたらのせいだってば!
今や100体以上になったまど分霊たちを眺めながら、心の中でツッコミを入れた。
まぁ皆でワイワイしてとっても楽しかったけどね。

ふぁー。…でも疲れたせいで眠くなってきちゃったよ。
ここに着くのが遅くなってしまった分、
遅れを取り戻すべくせっせとラズベリー摘みを始めないといけないんだけど…。

あたしは木陰に移動すると、柔らかそうな草むらの上で横になる。
ちょっとくらいなら休んでも…いいよね。
頬に当たるそよ風が気持ちよく、こうしているとあたしの意識はあっという間に遠のいていく。
ま「さやか…ちゃん…?」
zzz~。
ま「「…」」

~~
カァカァ。
カラスの騒がしい鳴き声がして、あたしは目を覚ました。
さ「え、もう夕方!?しまったー!!」
今からラズベリーを摘んでいては、帰った時には真夜中になっているだろう。

むに。
…ん?
柔らかくて気持ちのいいものがあたしの身体を包んでいるのに気が付いた。
ま「「さやかちゃん…スピスピzzz…」」
さ「もしかして布団になってくれてるつもり…?」
ま「「そうだよ…zzz」」
寝ながら答えてるし!
あたしは苦笑しながら、分霊たちを起こしてしまわないようにそっと起き上がる。
さ「ありがとね。みんな…」

それにしてもラズベリーどうしようかな。
もうじき、まどか本人もおなかをすかせて家に帰ってくるだろうし…。

ふと横を見ると、籠にラズベリーがぎっしり詰まっているのが見えた。
さ「え!?もしかしてあんた達が摘んでくれたの?」
ま「「…むにぃ。そうだよ…zzz」」
さ「…」
あたしはまど分霊を一体、一体丁寧に持ち上げて、そっと籠に乗せていく。

ありがとう、みんな…。
皆にもお手製ラズベリージャムをたっぷりあげるからね。
あたしはたくさんのラズベリーとまど分霊が入った籠を背負うと、我が家へと急いだ。
~おしまい~

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年11月06日 20:08
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。