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467 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/06/09(日) 22:33:44.67 ID:DbE4t+B40 [2/2]
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まど界のお話を投下させていただきます。
元々さやかちゃん像の事で書き始めた筈なのですが…。

S.C.(さやかちゃん世紀)0010年…
前回のお話より少し前、まど界誕生から10年目のお話です。



ジャンヌ「ミキ君もすっかり剣の腕が上達しましたね。」
さやか「いやー。ジャンヌさんの稽古のお陰ですよ。」
ジャンヌ「主(女神)の寵愛を受けたミキ君には絶大な魔力が備わっています。
     後は年月を掛けてより技量を磨き、魔力の繊細な制御が出来れば完璧だ。」
さやか「あはは、これで一応"騎士"って呼ばれても恥ずかしくはなくなりそうですね。」
ジャンヌ「ええ。今やミキ君の魔法少女としての力は、恐らく主に次ぐものでしょうから。」

北西の高原地帯から見滝原に二人の騎士が帰還した。
純白の鎧に身を包むのは嘗て聖少女と謳われた少女、ジャンヌダルク。まど界でも屈指の聖騎士だ。
ブルーとゴールドの甲冑に身を包むのは美樹さやか。女神の伴侶にして彼女を守護する騎士でもある。

まどか「さやかちゃん、ジャンヌさん、お疲れ様~。」

タイミング良く二人を出迎えたのはこの世界の創造主である女神まどか。
ピンクの長いツインテールとドレスをひらひらさせながら無邪気に駆け寄って来る。

さやか「まどかもお疲れ~! ほーらよしよし。」ナデナデ
まどか「えへへ~♪ さやかちゃんはもうすっかり騎士様だね。」

さやかに撫で撫でされてご満悦の女神様は彼女の甲冑を見ながら言う。
最初は露出度の高い王子様風だったさやかの装備は、今や騎士の風格漂う神々しい物となっていた。

ジャンヌ「主よ、ミキ君が騎士らしくなったのは貴女という存在が有るからです。
     天を舞うミキ君の魔力の輝きは、まるでヴァルキリーが煌かせるオーロラの様ですよ。」
さやか「ちょっ!それは言い過ぎっすよジャンヌさん…。」

するとさやかは甲冑を解除して普段着の姿へと戻ってしまった。
ちなみに普段着はまどかの趣味で女子高生の学生服である。

まどか「ぁぅ…さやかちゃんもう戻ちゃった…。でも制服さやかちゃんも可愛いよね♪」
さやか「修行は終わったからいいの。それより晩御飯作るから帰るよ。良かったらジャンヌさんもどうですか?」
ジャンヌ「是非お言葉に甘えましょう。」
まどか「さやかちゃんの作るご飯は美味しいですよねー♪」
ジャンヌ「同感です。ミキ君は食事という物が人にとっていかに重要であるかをよく理解っていますからね。」
さやか「あははは…そんな期待されるとプレッシャーが…。」

こうしてまどかとさやかはジャンヌというゲストを連れ、鹿目家宮殿へと戻ってゆくのだった。
宮殿と言っても現世の鹿目家をモデルにした一戸建てほぼそのままであるが。
当初はそれ程料理の上手くなかったさやかだが、今では食に煩い(?)ジャンヌの舌を唸らせる程だ。



[まど界10周年記念]



ここはまど界にある見滝原。世界の中心分にして最初に創造された場所だ。
神様のお膝元だけあって非情に快適で安全な暮らしが得られ、住人の大部分はこの街に住んでいる。
エリーや暁美ほむらによってインターネット社会も現世と変わらないレベルで普及している。
住人それぞれが気ままにのんびりと自分の生活する中、女神様のお陰で一定の秩序が保たれているようだ。

さやか「もうすぐあたしがこっちに来てから十年目か。思ったより時間経つのが早いなー。」
マミ「美樹さんはこの世界が創られて最初の年に来たそうね。」
仁美「素敵な街ですのね。こちらに来る時は正直寂しくて仕方なかったのですが、皆さんと一緒なら平気ですわ。」
ほむら「そうね。まどかが創ったこの世界はみんなが幸せになれる為の世界だから。」
杏子「これで見知った全部仲間が揃った訳か。このデカい家が出来たらみんなで飯食うってのはどうだい?」
仁美「うふふ。それは楽しそうですわね♪」

S.C.(さやかちゃん世紀)0010年。
まどかにとって生前の最後の友人である志筑仁美も導かれ、見滝原中時代の女子仲間+佐倉杏子が揃った事になる。
もうすぐ志筑邸という豪邸が完成する所であり、多くの魔法少女が家の前へ度々訪れていた。

ちなみにまど界の住居は基本的には住人の希望が通るそうだ。
一戸建てや数人での居住を希望する者、仁美の様に大きな家を希望する者。
但し住人の1/3は、一人では家の管理が大変だからと言う理由で見滝原マンションに住んでいるが。

仁美「そういえばまど界は今年で十周年だそうですのね。何か記念に街のシンボルでも造られては如何でしょうか?」
ゆま「ねー、ふわふわのおねえさん。しんぼるってなーに?」
仁美「そうですわね…理解る易く言いますと、みなさんが見ると元気になれる物でしょうか。」

住人で恐らく最年少の千歳ゆまも導かれてあまり間がないようだ。
生前はまどかやさやかに面識が無いが、こちらに来てからはマミ達を通じて知り合っていた。
"ふわふわのおねえさん"とは仁美の髪型と雰囲気から来る呼び名であろう。

エリー「平和の象徴みたいなものね。どうせなら神様の像を作るとかどう?」
エルザ「現世の合衆国にある自由の女神みたいですね~。」

仁美の提案に他の住人からもいろいろ案が出始める。
世界の創造主である女神まどかの像が建つというのであれば、住人はだれも反対はしないだろう。

まどか「うん、いいかも。でもわたしじゃなくてさやかちゃんの像がいいなぁ…。」
さやか「はあ?何言ってんの!? あたしの像なんか作って誰得なのよ。」

確かに住人から反論は出なかったが、神様本人の希望は自分ではなく"大好きな人"の像だそうな。
まあ神様も住人の一人ではあるが…。

まどか「でもわたしはさやかちゃん像がいいの! かっこ良くて可愛いさやかちゃんがシンボルだなんて最高だよ~♪」
さやか「てかそもそも西暦がなんで"さやかちゃん世紀"なのよ! 普通は女神世紀とかまどか世紀でしょ!」
まどか「わたしがさやかちゃんを導いた日から数えるからだよー♪」

そう、まど界の紀年法は[S.C.(さやかちゃん世紀)]なのである。
勿論女神まどかの独断で強制的に決められたものだろう。

さやか「街にシンボル作るならまどかの像がいいに決まってるでしょ。ね、みんな?」

さやかはとりあえずこの場に居合わせた人々に訊いてみる事にした。
自分よりまどかの方が尊敬され崇拝されるべきだと考えたからなのだが…。

マミ「鹿目さんの気持ちを考えてあげたら?」
ほむら「まどかが喜ぶならいいんじゃないかしら。貴女最近そこそこ美人だし。」
杏子「恋する乙女はなんとかって奴だな。さやかは騎士っぽいし、カリスマ的な意味でいいんじゃね?」
ゆま「さやかおねえちゃんはきしさまみたいでかっこいいよ。」
仁美「こちらの世界で輝いていらっしゃるさやかさんこそ相応しいと思いますわ。」
織莉子「魔法少女を導くのが神様なら、この街を守るという意味での騎士ですね。」
キリカ「神様の無限の愛を具現化する訳だね。素敵じゃないか。」
ジャンヌ「私もミキ君に手解きをした甲斐があるというもの。剣の師として光栄です。」
エリー「毎日惚気話を聞かされるよりはいいわ。」
エルザ「さやかもそろそろ自分のかっこ良さを自覚する時だと思いますよ~。」

まどか「…という訳で、多数決でさやかちゃん像を建てる事に決定しましたー♪」
さやか「何でだぁー!!」

(わー)(パチパチ)
さやかの抵抗も虚しく、残念ながら全員女神様の味方だったようだ。
住人の見解からするに、この世界でのさやかはそれなりに一目置かれているとも言える。
少なくとも女神の相方としての責務は果たしているだろうから。

………………………………………………♭♭♭………………………………………………

―見滝原中央広場―

広場の中央にはさやかちゃん川から流れる水路がテーマパークの様に造られており、その中にさやかちゃん像が建てられる事になった。
水はさやかの"青"というイメージカラーにもぴったりかもしれない。

イザベル「神様が喜びそうなさやか像か…。」
シャル「ホントに大丈夫なのイザベル? きっと神様の"さやかちゃん査定"は厳しいヨ☆」
イザベル「大丈夫大丈夫! そっくりに作るのはこの私の十八番なんだから!」

さやかの甲冑姿の写真片手に彫像を彫るのは魔法少女イザベル。
獲物である杭の様な巨大な槍を数本呼び出して手際良く造型してゆく。

イザベル「よし!これは自信作よ! さやか再現度100%間違い無し!」

模写や再現は彼女の得意分野であり、誰がどう見てもさやかそのものが巨大化した立像だ。
左手に聖剣を掲げ、右手には"まどかはあたしの嫁になるのだ"と書かれた楽譜を抱えている。



まどか「もう少し睫毛は長くして! それから髪を少し伸ばして左側が軽く風に靡く様に!」
イザベル「左側って私から見てですか?」
まどか「さやかちゃんから見てだよ。」
イザベル「はいはい…。」

ReTake1

まどか「お胸を少し強調して貰えるかな。」
イザベル「え!? 実物はこのくらいのバランスだと思うんですけど…。」
まどか「駄目だよっ! この街の象徴になるさやかちゃん像なんだからもっと可愛くしなきゃ! あ、でもかっこ良くもね♪」
イザベル「はい…。」

ReTake2

まどか「鎧のスカート部分とのバランスが取れてないよ! 腰をちょっとだけ削ってスカートを少し広げて!
    それから上半身全体のデザインがまだ甘いよ! 埋め込まれた宝石の部分はメリハリを付けて!」
イザベル「ううっ…理解りましたぁ…。」
シャル「イザベル本当に大丈夫? マミ店長からシュークリームの差し入れヨ☆」
イザベル「ありがと…もぐもぐ…。」

ReTake3

まどか「鎧の肩の部分にもっと丸みを持たせて方がいいかな。
    あと表情がちょっと硬いから、鎧がかっこ良くなった分表情を優しくしてあげて。」
イザベル「はい…。」
まどか「それからね、全体的にバランスが取れてきたから女神の羽根を付けて欲しいな。」
イザベル「はいっ!? さやかに翼は無い筈ですが…。」
まどか「デザインはわたしの羽根とお揃いでお願いね。」
イザベル「ううっ…頑張ります…。」



と、まぁそんな感じで女神様怒涛のリテイクが出たのは10回程度。
さやかちゃん像建設には女神様の監修という厳し~い道程があったのでした。
途中で何度もイザベル氏が凹んでいたが、仲間のフォローで何とか乗り切ったそうな。


―自由の女神さやかちゃん像―

S.C.0010.6完成。
見滝原の中央には騎士であり女神でもある神々しいさやかの黄金像が建てられたのだった。

さやか「うわっ…あたし美化され過ぎ…/// なんかまど界でますます目立ちそうで居辛いなぁ…。」

大部分が恥ずかしさとちょっと嬉しさもあって顔を両手で覆うさやか。
まどかの自分に対する好意がはっきり形となったこの像を直視するのはなかなかに勇気の要る事だ。

ほむら「何言ってるの。貴女はとっくに目立ちまくってるじゃない。」
さやか「はい…?」
マミ「一昨年のエイプリルフールを忘れたとは言わせないわ。」
杏子「あー…あれは大変だったなー…。」

………………………………………………♭♭♭………………………………………………

―S.C.0008.4.1―

さやか「あたしそろそろ転生しよっかなー。」
まどか「ど、どうしてなのさやかちゃん!? 何かヤな事あったの…?」
さやか「ううん、そういう訳じゃないよ。あたしもそろそろ新しい人生歩みたいと思ってさー。」
まどか「そんなのあんまりだよ! 考え直そうよ、ね?ね?ね?」ヒシッ
さやか「まどかの気持ちは嬉しいけどさ、あたしもう決めたから。んじゃっ!」シュタッ
まどか「うわあああんっ!!」

(ズゴゴゴゴ!!)(ドガーン!!)
まどかはエイプリルフールの嘘という事も忘れて大泣きし、まど界は瞬く間に天変地異に見舞われて大災害が発生。
さやかが全力で謝った為にすぐ天変地異は治まり、住人も全員魔法少女なので幸い死傷者は出なかった。

しかしこの事件によって美樹さやかという存在は、まど界の命運を握る魔法少女として一躍有名になるのだった。

………………………………………………♭♭♭………………………………………………

ほむら「マンションは崩壊するし、さやかちゃん川が氾濫して街は大洪水で死ぬかと思ったわ…。」
杏子「街が復興するのに二ヶ月経かったよな…。」
マミ「あれでもう美樹さんは懲りたでしょう。でも女神像が出来て違う問題も出そうだけど…。」

自由の女神さやかちゃん像は確かに凛々しさと愛らしさを兼ね備えた素晴らしい出来である。
だがそれは同時に周囲の女性(この世界は女性しか居ないが)を惹き付ける事にもなるのだ。

魔法少女「あ、あの…美樹さやかさんですよね…?」
さやか「うん、そうだけど?」
魔法少女「この女神像、美しいですよね。さやかさんそっくりです。」
さやか「あはは…かなり現実の方が負けちゃってるけどね。」
魔法少女「そんな事ないですよ。私、ナイトみたいでかっこいいさやかさんのファンなんです。
     私…そ、そのっ…何の取り得も無い魔法少女ですけど…。良かったらその…付き合っていただけませんか…?」
さやか「ごめんね、あんたの気持ちには答えられない。」
魔法少女「(ガーン! 即答だなんてショック…。)」グスン

ほむら「はい、これで25人目っと。」
杏子「一週間でこれだけ告られるのはある意味凄いな…。」
マミ「でもこの様子だと鹿目さんも落ち着いていられないわね…。」
さやか「マミさん、何が落ち着いてなんですか???」
杏子「お前もいい加減覚悟を決めろって事だよ。」
ほむら「十年近くも付き合って何も踏み出せないなんて騎士の名が泣くわよ。」

………………………………………………♭♭♭………………………………………………

それから約一ヶ月後…
佐倉杏子の教会には溢れんばかりの数の魔法少女が詰め掛けていた。
鹿目まどかと美樹さやかの結婚式である。
女神様の結婚式だけあって住人全員が押し掛けた為、勿論入りきらずに正面の扉は開けたままだ。
窓からも多数の魔法少女が二人の挙式を見守ろうと身を乗り出している。

さやか「何よこの服~!? まどかとお揃いの女神なんて聞いてないよ~!///」
まどか「羽根もさやかちゃんとお揃いだよ~♪ これでさやかちゃんも本物の女神だね!」

二人揃ってウェディングドレスからまず最初にお色直ししたのはお揃いの女神衣装だ。
まどかは着慣れた服に髪を下ろしてヴェールを被ったくらいだが、さやかは胸を強調された服と自分の翼に終始慌てふためいていた。

杏子(牧師)「オラ、そろそろ指輪交換と誓いのキス行くぞ。」
さやか「ひえええええっ!/// みんなの前でキスとか無理無理無理っ!!///」
まどか「もう!さやかちゃんったら恥ずかしがり屋さんなんだから~。」
杏子「一世一代の大イベントなんだぞ! シャキッとしなよ!」
さやか「そ、そんな事言われても…!」オロオロ

本番キスを前にしてさやかはうろたえてばかりだ。
式を取り仕切る牧師の杏子としても、何とかさやかを助長してやりたいのだが…。

エリー「結局さやかは結婚するまでお姫様側だったわね。まぁこれで神様の惚気地獄から開放されるわー。」
エルザ「何言ってるんです? 結婚したらもっとイチャイチャがパワーアップするに決まってるじゃないですか~。」
エリー「………。」バタッ
エルザ「ちょっとエリー!? しっかりしてくださ~い!」ユサユサ

更なる気苦労にショックで倒れたエリーをエルザマリアは必死に介抱するのだった。
ついでに式の主役もこっちはこっちで酷い事になっている。

さやか「ちょっとまどかぁー! なんであたしがリボンで縛られなきゃ駄目なのー!?」ジタバタ
まどか「うぇひひひ♪ キスしたら解いてあげるよっ。」

往生際悪く逃げ出そうとしたさやかはまどかのリボン(現世でさやかに褒められた赤リボン)で四肢を拘束されている。
まどかは思いっきり抱き付きたい衝動を抑えながら、じりじりとさやかに歩み寄ってゆく。

さやか「ちょっ!待っ…! あたしまだこころの準備…―――んむぅぅぅぅっ!!///」

(きゃああああ///)(流石神様!そこに痺れる!憧れるぅ!)(キマシタワー!)(仁美が鼻血吹いたー!)

誓いのキスが通じた瞬間にギャラリーは一層の盛り上がりを見せたようだ。
中には鼻血を拭く住人も居るが…。
唇が重なった瞬間にさやかの抵抗は止み、拘束していたリボンは緩んで彼女を彩る装飾へと変わる。
体中に駆け巡る人生最大の幸福に腰を抜かしたさやかはまどかに抱き抱えられていた。

さやか「…ぁっ…まどか…。」

さやかもとうとう吹っ切れたらしく、硝子のハイヒールが床に着くと自ら立ち上がり、
少し腰を落として背の低いまどかに改めてキスを落とした。
正しく"キスの魔力"とでも言った所だろうか。
背の高く、今では十分に美人と呼べる容姿のさやかからのキスはとても絵になる光景だ。

杏子「このヤロー!末永く爆発しやがれっての♪」ベシベシ
ほむら「幸せにならなきゃ許さないわよ♪」バシバシ
マミ「記念すべきまど界夫婦第一号ね♪ 頑張るのよ!」グリグリ
さやか「いででで! でへへ…♪みんなありがとー///」

仁美「あらあら、手洗い祝福ですのね♪」
ゆま「さやかおねえちゃん、たたかれてるのにうれしそう。」
織莉子「さっきまであれ程恥ずかしがっていた王子がデレデレに…。」
キリカ「やっぱり愛は無限に有限だね!」

仲間からの手洗い祝福にもさやかは満面の笑みで嬉しそうだ。
女神の伴侶として吹っ切れたさやかは、躊躇う事なくまどかに積極的に手を回したり、女の子らしい仕草を見せたりする。

ジャンヌ「騎士と言ってもやはりミキ君は恋する少女ですね。凛々しくも愛らしい聖女の様だ。」
イザベル「聖女ってジャンヌさんの事じゃないんですか?」
ジャンヌ「いや、私は歴史上で聖女と呼ばれていたに過ぎません。今のミキ君こそ聖女に相応しい…私はそう思う。」

マミ「シャルちゃん、そろそろウェディングケーキを用意しましょう。」
シャル「ハ~イ店長♪ 待ってましたぁ~☆」

マミとシャルロッテがカーテンを開けると、奥からは巨大なウェディングケーキが卓に乗って式場の中央へ運ばれて来た。
ラズベリーのピンクとブルーベリーの青で華やかに彩られた逸品だ。

マミ「お菓子の家(お店の名前)特注のウェディングケーキよ。」
シャル「今までの注文で一番大きなケーキなのV 丸一日掛けて作ったんだヨ☆」

仁美「二十メートル程ありますわ…!」
杏子「超巨大ケーキ…。」ジュル
ほむら「杏子、ヨダレ拭きなさい…。」

この巨大ウェディングケーキを最初に切るのは勿論女神夫婦。
さやかの武器である剣をまどかと一緒に握り、二人は慎重に構えた。

さやか「まどか、ちゃんと持ててる?」
まどか「うん! さやかちゃんと一緒なら大丈夫!」
さやか「それじゃ、そーっと斬るぞー…。」

(ズッ…)
一応全体が魔法でコーティングされてはいるものの、柔らかいケーキを崩さぬ様にゆっくりと刃を入れる。

(グラッ…)

さやか「へ…???」
まどか「ふえええええっ!?」

(ドッシャー!)

杏子「うわああああ!崩れたー!!」
マミ「きゃあああああ~雪崩よー!!」
ほむら「時間停………遅かった…。」
エリー「もう砂糖はこりごりだわ~!!」
エルザ「黒髪なのに白髪です~…。」
ジャンヌ「ラズベリーの酸味が生クリームの甘さを引き立て、それでいてブルーベリーの香りが……」
シャル「徹夜で作ったケーキがぁぁ…ToT」
イザベル「生クリーム塗れの教会…。これは芸術だわ!!」
ゆま(ズボッ!)「うう~っ…やっと外に出られたよ~…。」

巨大ウェディングケーキは見事に崩れて辺り一面生クリームの海となってしまった。
背の低い千歳ゆまなんかはクリームの海から顔を出すのがやっとらしい。

さやか「あっははははは! みんなクリーム塗れじゃん!」
まどか「えへへ♪ さやかちゃんもラズベリーの髪飾り似合ってるよ。」

さやかの髪には丁度果実が乗っかってヘアピンの代わりとなっている。

仁美「はーい! お二人は先に次のお色直しですわ~!」
さやか「いやー…なんかとんでもない結婚式になっちゃったね。」
まどか「でもこれも、わたしとさやかちゃんの思い出の一つになるんだね。」
さやか「そうだね。これからはあたし達、今までと違う二人なんだ。…へへ!なんか照れるね!」

まどかとさやかの結婚式はウェディングケーキが引っ繰り返るという凄い事になったものの、美味しく食べるには十分な量だったり。
まど界初の結婚式という事もあって、たくさんの魔法少女に見守られて、二人は新たなる幸せの旅路へと進むのだった。

………………………………………………♭♭♭………………………………………………

―紅桜教会―

魔法少女A「私達も神様達みたいに結婚したいって思うんです。それで…。」
杏子「結婚? そりゃ構わないよ。アンタ等が幸せになりたいってんなら、アタシが導いてやるよ。」
魔法少女B「ホントですか!? やったぁ~!」
魔法少女A「ねえねえ!どっちが花嫁になるの?」
杏子「まあ、そういうのも含めてしっかり決めとくんだな。アイツ等みたいに両方花嫁ってのもアリだぞ?」

………………………………………………♭♭♭………………………………………………

そんな感じでまど界の教会はちょっとした結婚がブームになったりしたんだとか。

杏子「なんか最近急に結婚志望の連中が増えて来てさー。」
まどか「そうなんだ。杏子ちゃんも大忙しだね。」

それから女神様と騎士様の結婚記念にと、公園にも新しく像が建てられたのだが…。

マミ「結婚ブームの切っ掛けも美樹さんと鹿目さんが始まりだったのよね♪」
さやか「ううっ…だからってさ、これはないでしょ…?///」

<祝福される乙女達 S.C.0010.8>

見滝原中央広場にある自由の女神さやかちゃん像程の大きさではないが、十分目立つこの像を目にする度にさやかは顔を手で覆うのだった。
何しろウェディングドレス姿のまどかを、同じくウェディングドレス姿のさやかがお姫様抱っこするという格好なのだから。

さやか「あたしもう街を出歩けないよ…///」
まどか「えへへ♪ ずっと一緒だよ、さやかちゃん。」



[まど界10周年記念]


おしまい。

480 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/06/10(月) 09:46:31.24 ID:CyzyeiK80 [1/4]
まどか「さやかちゃん像綺麗でかっこよくて素敵だよー」
さやか「いやいや。まどか像こそ至高ですよ・・・でもね」

まどかにギュっと抱きつくさやかちゃん
さやか「やっぱり本物が一番ですよ」ウリウリ
まどか「うぇひひ。さやかちゃん大好きだよ」スリスリ

・・・みたいな会話をしてるかもなw

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最終更新:2013年11月09日 23:55
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