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440 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/05(金) 20:40:31.00 ID:OIZ6bq7T0 [1/2]
http://loda.jp/madoka_magica/?id=2049
グダグダです
必要以上にベタベタするのは好きじゃないって人も見ない方がいいです



ある日のさやかちゃん日記


『…台風は次第に勢力を弱めながら、海上へと抜けるでしょう。それでは週間天気ですが…』
「ん、台風逸れてくれたねー。よかったよかった」
「ほんとだねー」

夕食後の怠惰な時間。あたしはソーダアイスをかじりながらだらけきった姿勢でリビングのソファにもたれかかり、
まどかはもはや定位置となっているあたしの脚の間に座って麦茶をすすっている。
つけっぱなしのTVから流れるお天気情報を聞いていると、
どうやら今回の台風は見滝原を直撃することなく行ってくれたみたいで一安心。

それはいいんだけど…暑い。夏だから暑いのは当然だけど、今年は節電モードなのでなお暑い。
あたしもまどかも色違いで揃えたキャミソールにホットパンツというラフな格好で扇風機に当たっているけど、暑いものは暑い。
そもそもまど界の電力ってどこで発電してるのか出所不明なのに、節電なんて意味あるの?と聞いたら、
『輪廻の中継地点であるこの宇宙の位相は地上と非常に近く、霊的に強い力を持つ魔法少女の魂は
 宇宙を繋ぐアマラ深界を介して地上の人々のアストラルサイドに影響をうんたらかんたら…』とか言っていた。わけがわからないよ…

要は、あたしたちが節電すると多少は地上の人々も節電を心がける…かもしれないらしい。
さすが夢と希望の魔法少女、まさか節電を励行する仕事もやるとは…もうなんでもありだね。
しかし暑い暑いと言いつつも、まどかの指定席があたしの隣だったり膝の上だったり胸の上だったり背中の上だったりするのは変わらない。
暑いからって嫁をひっぺがすようなヌルい根性では神様の伴侶なんて務まらないんだよね。
昔の人はいいことを言ったもので、それはそれ!これはこれ!というやつなのだよ。
しっとりと汗ばんだまどかの肌もまたオツなもの…なんて、さすがに口には出さないよ。さやかちゃん成長しましたからね。

TVの中では白い重厚なドレスを纏った魔法少女が気象情報を解説している。
晴れマークの並んだ週間天気はまず外れることはないだろうと思うと、ちょっとげんなりする。
なぜならこのお天気お姉さんは未来予知の魔法を持っているため、それを活かした天気予報の精度は抜群なのだ。
その正確さに加え、清楚で気品あるルックス、お嬢様然とした柔和な物腰で結構ファンも多かったりする。
容姿や立ち居振る舞いもさることながら、彼女が人目を惹きつける最大のポイント、それは…

「…相変わらず見事なもんですなぁ」
「…………はぁ」
む、思わず口に出してしまったみたい。まどかがあからさまに呆れた溜息をついているが、敢えて気にしない。
厚手の魔法少女服の上からでもはっきりとその存在を誇示する二つの山脈。あれはまさしくマミさん級の業物!
それに目を取られるなと言うのが無理からぬ話だと思うのはあたしだけじゃないはず!そう思うだろ、あんたも!

彼女がいろんな意味でゴールデンタイムに看板キャスターを務められる逸材なのは間違いない。
…が、あたしにはどーしても気になることがあった。そう頭にのっけてるアレだよ、アレ。
「頭のバケツで降水量測ったりするのかねぇ…」
「ん、ぶふぅっ!?けほっけほっ…」
「おわっ、まどか大丈夫?」
「さ、さやかちゃんが急に変なこと言うからでしょ!?もう、お茶噴くかと思ったよぅ…」
「いやぁ、ごめんごめん」
噴きそうになったってことは、まどかさんも気にしてるってことじゃないですかー

バケツじゃないのはわかってるんだけどね。一度そう認識してしまうと、もはやそうとしか見えないわけで。
アレの正体はみな気になるようで、曰くバケツの中は世界樹の根本の叡智の泉に通じてるだの、
曰くアレはアカシックレコードにアクセスするための神器でそれを用いて未来を見通してるだの、胡散臭い噂もあったり。
しかしアレの真相を探ろうとした者は謎の黒い魔法少女に刈り取られる…
という都市伝説のようなものがまことしやかに囁かれているため、誰もツッコめないでいる。
まあ、そんなしょーもない詮索ができるくらいにまど界は今日も平和です。


「ねぇ、さやかちゃん」
お天気お姉さんのお辞儀に合わせて弾む双丘をぼさっと眺めていたあたしに、まどかが不意に声をかけた。
まどかは身体をあたしの方に向き直り、両足であたしの腰を挟むようにして膝の上に座りなおす。
「ん、どったの?」
「わたしにもアイス、わけてほしいなって」
「そりゃいいけど…あとちょっとしかないけど、こんなんでいいの?」
なんだ、そんなことか。あたしとまどかが食べ物をシェアするのはいつものことなので気にならない。
あたしは残り3分の1程度になった青いソーダアイスをまどかに差し出した。

「えへへ…いただきまーす」
まどかはそう言ってソーダアイスを――素通りして、あたしの唇に自分のそれを重ねていた。
「ん、んぅッ!?……ん…ふぅっ……」
「んっ……」
やられた…完全に不意打ちだ。まどかとは幾度も唇を重ねて来たけれど、あたしは相変わらず咄嗟の事態に弱い。
普段はあたしがまどかをリードしていることが多いだけに、まどかからの奇襲攻撃にあたしは完全に固まってしまっていた。

小鳥が餌をついばむように、まどかは何度もあたしの唇に吸い付いてくる。深く、浅く、角度を変えて何度も…
濡れた薄皮が触れ合うたびに甘い水音があたしの耳に響き、痺れるような熱が頭の奥を支配していく。
まどかの手はいつの間にかあたしの手に重ねられ、互いの指を強く絡ませ合っていた。指を通して感じ合うまどかの熱が気持ちいい。
手をつなぐなんて昔から当然のようにやっていたことなのに、指を絡めるのがこんなに気持ちいいって知ったのは、
まどかとこんな関係になってからだったな…なんてことがキスでぼんやりした頭に浮かんでいた。

「……んふっ、ごちそうさまでした。さやかちゃんの唇、つめたくって甘かったよ?」
「ふぅ…もう、不意打ちとかやめてよね…」
ようやくまどかから解放されたあたしは、好き放題されたのが気恥ずかしくて目を背けてしまう。
「さやかちゃんがいけないんだよ?お天気お姉さんの胸ばっかり見てるから…」
「………はい?えっと、それって…ヤキモチ?」
「知らないもん…」
今度はまどかがそっぽを向いてしまった。こ、こいつ…可愛いことしてくれるじゃないの!
こりゃヤキモチ焼きな嫁のためにさやかちゃんの想いの丈を見せつける時だね。
もちろん、さっきの不意打ちのお礼も込めてたっぷりとね…

「もう、そんなことで拗ねないでよまどか〜、愛してるってば」
「どうせわたしはちっちゃいよ…さやかちゃん好みじゃないもん」
「そんなこと言わないでさ、ほらアイスあげるから機嫌直してよ」
「アイスって、それはもう…ひゃっ、んぅっ!?」
あたしは残った溶けかけのアイスを口に含み軽く噛み砕くと、まどかの頬を掴んで強引に唇を押し当てた。
まどかの唇を舌で軽くノックすると、驚きで身を固くしていたまどかも、おずおずとあたしを迎え入れてくれる。
歯列を舌でなぞりつつ、唾液と混ざり合ったアイスの氷の粒をまどかの口内に送り出す。
ひんやりした感触に驚いたまどかは僅かに身をよじるけど、あたしはまどかをがっちりと抱きしめて逃がさない。
奥でちぢこまっていたまどかの舌を探り当ててそっとキスをすると、ようやくまどかもあたしに返事を返してくれる。
二人の熱でアイスの粒はすぐに溶けてしまったけれど、まどかの舌はまだほんのりと甘い。きっとあたしもそうなんだろうな。

「んんぅ…ちゅっ、ぷあっ…まどか、まどかぁ…」
「さやかちゃん、さやかちゃぁん…ふぅっ、んちゅっ…」
二つの粘膜が絡み合い互いの体液を交換し合うたびに、フェロモン過多で粘度を増し、ねっとりとした唾液が二人の間を行きかう。
それを二人で分け合い飲み干せば、熱に支配された身体が更に焼けつくように熱くなっていくのを感じる。
耳まで真っ赤にして、ぽろぽろと涙を零しながらキスに応じるまどか。まどかが泣くのは好きじゃないけど、今のまどかはとても綺麗。
とっくに焼き切れてしまったあたしの頭は、目の前の愛しい彼女を感じることしかできなくなっている。
まどか。あたしの、まどか…
固く抱き合っているのに、お互いを隔てるのは薄手のキャミソール一枚しかないのに。
今はその一枚の距離がたまらなくもどかしい。もっと、まどかの熱を直に感じたい…
まどかの汗ばんだ内股をそっと撫でさすると、ぴくんと身体を震わせイヤイヤするように身をよじるけど。
あたしも、もう我慢は無理っぽいんだよね…

そっと唇を離すと、名残を惜しむように二人の間に透明な橋がかかり、やがてぷつりと切れて落ちた。
ああ、もったいない…って、いやいや、今考えるのはそれじゃないでしょうが。
「ねぇ、まどか…ちょっと早いけどさ、いいよね…?」
なんてね。聞くまでもないんだけど、ちゃんと了承を取るのは淑女のたしなみだよね。
「うん、わたしもだよ…そうだ、さやかちゃん」
「なに、まどか」
まどかはあたしの耳元にそっと口を寄せ囁く。
「また、二人でアイス、食べようね…」

節電モードな今年は例年よりもアイスを食べる機会も増えるだろうなんて思って、
ゴミ箱に捨てたイガグリ頭の子供が載ってるアイスのパッケージをちらりと見る。
今夏は猛暑だけじゃないもっとアツい予感がして、こりゃ買いだめしとかなきゃダメかもね…
なんて思いつつ、夏の楽しみが増えたことにあたしの期待は高まるばかりなのだった。

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最終更新:2011年08月18日 18:34
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