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848 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/07/25(木) 02:59:57.35 ID:BqetY4aB0 [2/4]
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真夏の朝。
待ち合わせの時間までまだ15分ほどあります。
期末考査もなんとか終わり、今日はさやかちゃん、仁美ちゃんと3人で遊園地に行くのです。
わたしは楽しみで楽しみで仕方なくて、昨日の晩はそわそわしてなかなか眠れず、
今朝は早くから起きてお弁当を作り、待ち合わせ場所にも集合時間の30分も前に来てしまったほどです。

でも、早く来すぎて退屈することはあまりありません。
二人を待っているこの時間も楽しみの一つなのです。
二人はどんな服装で来るかなぁ。第一声に何しゃべろうかな。一番に来たことを自慢しちゃおうかな。
遊園地ではみんなと何乗ろうかな。記念写真もいっぱい撮りたいな。
そんなことを考えていくだけで、わくわくは止まらないのです。

ま「うぅ、それにしても今日は暑いなぁ…」
わたしがいる場所は街路樹の陰になっていますが、
真夏の日差しは葉の間から容赦なく差し込んできますし、地面から熱がゆらゆらと立ち上ってきます。

なんだか頭が少しくらくらしてきました。
うう、やっぱりちょっと早く来すぎちゃったのかも…。
そうぼんやり思っていると、さやかちゃんの姿が見えました。
さやかちゃんは白いワンピースに野球帽をかぶっていて、いかにも『夏の元気な女の子』という服装です。

さ「わ、まどか。まだ待ち合わせ時間の大分前だけど、もう来てたの!?」
ま「さやかちゃんおはよ~。えへへ一番乗りだよ~♪」
さ「あちゃー、あたしが一番だと思ったのになぁ。まどかに先を越されるとは悔しい~」
そう言いながら、さやかちゃんは笑顔でわたしに抱きついてくすぐってきます。
ま「やめて~さやかちゃんくすぐったいよ~」ウェヒヒ♪
さ「やめませんよ~だ。これはあたしより先に来た罰なのだ~」アハハ♪
お互い汗びっしょりの状態なのですが、そんなことはまったくお構いなしです。
キャッキャウェヒヒ♪

ひ「あらあらまどかさんさやかさん、今日も朝から仲のよろしいことで」
ま「あ、仁美ちゃんおはよー」
さ「あ、仁美おはよ♪」
ひ「まだ10分前ですのにお二人とももう揃っていらっしゃるなんて、
  なんだか私がイケナイ娘みたいですわー」ヨヨヨ
ま「ふぇえ?仁美ちゃんそんなことないよっ」アセアセ
ひ「うふふ。冗談ですの♪…それでは少し早いですが駅に向いましょうか」
二人「「おー!!」」

849 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/07/25(木) 03:02:02.77 ID:BqetY4aB0 [3/4]
さ「…ってまどかなんか変だよ。具合悪いの?」
ビクッ。
いざ歩き出そうとしたわたし達をさやかちゃんが制止します。
ひ「あら…まどかさんそうですの?」
ま「…ううん大丈夫…わたしは元気だよ~」
さ「嘘。なんかボーっとしてる。さやかちゃんに正直に白状しなさい!」
これから楽しい楽しい遊園地なので二人に心配や迷惑をかけたくなかったのですが、
さやかちゃんにはごまかせそうもありません。
ま「…なんだかね、頭がくらくらするの…。ちょっと日差しを浴びすぎちゃったのかも…」
素直に自分の今の体調を白状しました。

打ち明けてしまったことで気が緩んでしまったのでしょうか。
わたしはふらっと倒れそうになってしまいます。

さ「わわ、まどかしっかり!!」
ギュ…。
さやかちゃんがさっと抱きしめて受け止めてくれます。
…はうう///
ま「ごめんね。もう大丈夫だから…」
さやかちゃんの胸に頭が埋まってる状態で、なんとか声を出しました。
さ「無茶しちゃだめだよ、まどか!」

ひ「もしかすると熱中症かもしれませんわ」
さ「どれどれ熱はーっと」
さやかちゃんはわたしを花壇のレンガに座らせてから、おでこをごっつんしてきます。
…ううう///
さ「うーん、やっぱり熱あるみたい…」
ひ「あらまぁ」

さ「熱中症だと衣服を緩めて楽にしたほうがいいんだっけ?」
ま「…ふぇ?」
さやかちゃんがいきなりわたしの胸元のボタンを外してきます。
…はわわ///

ひ「さやかさん!」
さ「え、何?」
ひ「まどかさんの熱をさらに上げるような連続コンボは駄目ですわ!…いつもなら応援するのですが…」
さ「え、どういうこと?…もしかして、あたし何かしちゃったのー!?」

ひ「はぁ。とにかく!私は冷水を手配しますので、さやかさんはまどかさんを涼しい場所へお願いします」
さ「???…よくわからないけど、わかった!…まどか、おんぶするから背中に乗って!」
ま「…うん、さやかちゃん仁美ちゃん、ごめんね…」ショボ゙ン

850 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/07/25(木) 03:04:09.10 ID:BqetY4aB0 [4/4]
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わたしはスーパーマーケットに置かれているベンチに運ばれました。
今はベンチでさやかちゃんに膝枕をしてもらって休んでいる状態です。
涼しい店内でさやかちゃんがずっと団扇で扇いでくれたこともあって、体調はすっかりよくなりました。
ですが…。

ま「はぅ…さやかちゃんごめんなさい」
さ「え、どうして?」
ま「だってせっかく二人とも遊園地楽しみにしてたのに、わたしのせいで行けなくなっちゃって…」エグエグ
情けないことに、わたしは泣いていました。
さ「もーまどかは泣き虫さんだなぁ」ギュ
いつものように、さやかちゃんが優しく抱きしめてくれます。

さ「あんたが気にすることないって」
ま「でもでも…」
さ「あたし、あの時もしまどかの身に何かあったらと、すごく心配したんだから。
  だから大してことなくてホントよかったと思ってるんだよ」ナデナデ
ま「…うう」
さ「確かに今日は楽しみだったけどさ。遊園地は逃げないんだよ!
  あたし達の夏休みは始まったとこなんだし、いくらでも行く機会はあるって」ヨシヨシ

さ「…それにねっ。さやかちゃんはあんたの笑顔が見られればどこにいても幸せなんだからっ!」
そう言ってさやかちゃんは向日葵のような笑顔をわたしに向けてきます。
さ「だから泣かないで笑って~!」ウリウリ
ま「…あぅ」
さ「あんたは笑顔が一番!…まぁ泣いた顔も可愛いけどね」ニッ
ま「もーさやかちゃんってば…」ニコォ
さ「そうそう!その笑顔を見るとあたしは幸せ」アハハ
ま「わたしもさやかちゃんの笑顔を見るととっても幸せだよ!」ウェヒヒ
泣き虫のわたしは、今回もさやかちゃんに慰められて笑顔にさせられてしまうのでした。

ひ「うふふ。私もお二人のイチャイチャしてる様子を見ると、とても幸せになれますの」
タイミングよくにょこっと仁美ちゃんが笑顔で現れます。
さ「おーい、仁美ー…///」
ひ「追加でスポーツドリンクを買ってきましたわー。まどかさんが回復なされて何よりです」

わたしのせいで遊園地に行けなくなっちゃったのに、
それでもわたしに笑顔を向けてくれるさやかちゃんと仁美ちゃん…。
ま「二人ともありがとう。わたし、二人と一緒だととってもとっても幸せだよ~///」
わたしは、本当に二人とずっとずっと一緒にいられたらいいなって思ってしまうのでした。

~~~~
さ「ふ、ふ、ふ。じゃーん!」
さやかちゃんが突然得意げな顔でかばんから何かを出します。
さ「電車の中でやろうと思って持ってきたんだけど、今日はしばらくここでトランプでもやりますか!」
二人「「おー(ですわー)!!」」

おしまい

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最終更新:2013年11月17日 13:00
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