4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/11/28(木) 11:04:49.76 ID:y1GbKRNu0 [1/23]
時期的にどうかと思いますがまどっちが高校へ進学して半月後のお話…
かなり昔に似たお話を投稿した気がしますがちょっと視点を変えてます。
(TRRRR...)
「あ、もしもしママ。久し振り…。」
「まどかの方から声聞かせてくれて嬉しいよ。ん?なんか浮かない声だね…。さやかちゃんと喧嘩でもしたのかい?」
「ううん、そんなのじゃないの…。」
母の詢子は電話越しの声色だけで愛娘のテンションを即座に把握していた。
現在娘が下宿での高校生活を始めてから二週間とちょっと。
一人暮らしをさせる事に不安こそあったが、義母も信頼するさやかとルームシェアするならまだ大丈夫だろうと踏んで送り出したのだった。
「さやかちゃんはテニス部に入ってもう将来凄い選手になるって言われてるんだよ…凄いよね…。」
「そうかそうか。…の割に嬉しそうじゃないな? いつものまどかならさやかちゃん自慢で大喜びしてるぞ?」
「…それでね、わたしも一緒にテニス部に入ったんだけど…全然付いて行けなくて…。
やっぱり選手としてよりマネージャーとしてさやかちゃんを支えてあげた方がいいのかな…。」
まどかはさやかと比べると身体が小さく、筋力・体力共にかなり劣ってしまう。
入部したは良いが、既に実践練習を伴うさやかと違ってまどかはひたすら基礎体力トレーニングが続いていた。
「要するにアレだな。さやかちゃんの隣と歩くのか、一歩後ろから支えてあげるかを悩んでるんだろ?」
「うん…。」
どちらも部活動というさやかと近い距離である事に変わりはない。
それでもまどかはさやかに迷惑を掛けたくないという思いと、自分がどうありたいのかを迷って決めかねているようだ。
「…まぁ、どっちが正しくてどっちが間違ってるとは言えないな。
そりゃ確かにまどかがさやかちゃんと一緒に試合出来る体力付けるには半年か…一年くらい掛かるかもしれないが…。
だがその間、さやかちゃんはまどかを決して迷惑だなんて思ったりはしないさ。
さやかちゃんにとってもまどかが側に居てあげるって事は凄く支えになってるんじゃないか?
中学ん時のあんたらを見て思ったよ。」
娘がどちらを選択しても後悔しないようにと、詢子は母親として優しく言い聞かせた。
「ありがとうママ。わたし…決めたよ! 凄く辛いかもしれないけど、さやかちゃんの隣で試合出来るように頑張る!」
「そうか。身体壊さないように頑張るんだよ。」
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5 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/11/28(木) 11:06:11.62 ID:y1GbKRNu0 [2/23]
「お帰りまどか。用事は済んだ?」
「うん、もう大丈夫だよ。わたしね…やっぱりさやかちゃんと一緒に選手で頑張る!
まだ全然一緒に試合は出来ないかもしれないけど…それまで待っててくれるかな…?」
身長差を生かして上目遣いで見上げるまどか。
そんな彼女の表情と健気さが愛おしくて、さやかは目の前の嫁を思いっきり抱き寄せた。
(ガバッ!)
「ひゃ…!///」
「嬉しいね~♪ まどかがこんなに頑張り屋さんなんてさー!
マネージャーも嬉しいけどあたしは一緒に練習するのが楽しいかな。休みの日とか公園で遊べるしさ。」
さやかの返答を聞いてまどかは自分の答えが間違ってなかったんだなと確信した。
尤もマネージャーになると選択してもさやかは否定などしなかっただろうが。
「それじゃ筋肉のマッサージしようよ。美国先輩がストレッチも大事だけど筋肉もしっかりほぐしなさいって言ってたじゃん。」
「ふぇ? あ、うん…。」
小さなまどかの身体をベッドに横たえて足を伸ばすように促す。
まだ華奢な手足は筋肉が張っていて今日も限界に近い。さやかは優しく指先に力を入れて揉みほぐし始めた。
「痛かったら言ってね? 特にまどかは筋トレの時間一番長いんだから。筋肉痛はもう慣れてきた?」
「うん…最近はそんなに痛くなくなってきたよ。」
まどかは全身の力を抜いてさやかに身体を預けた。
部活動の心地良い疲労感と四肢の痛みがさやかの体温で癒されてゆくようだ。
腕の肘から先、足の脹脛…まどかに入念なマッサージを終えると今度はさやかが足を伸ばす。
「それじゃ今度はあたしの番ね。変なトコ触らないでよ?」
「うぇひひ…じゃなくて、はーい。さやかちゃんも頑張ってるんだもんね…。」
自分より一回り大きく長い手足をほぐしながらまどかは感じた。
少しでもいいからこの大好きな人に追い付きたい、一緒にコートを駆け回りたい。
小さな願いを胸に抱いて小さな女子高生の高校生活が始まるのだった。
おしまい。>>乙ですv AA更にパワーアップしてますね!
最終更新:2013年12月05日 00:05