76-75

75 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/10/30(水) 18:44:38.52 ID:wo5YbO1G0 [1/2]
[さやかちゃんの自問自答]

『あたしって、あの時なんでまどかを助けたんだっけ。』
「放っておけなかったんだ。あのまま一人じゃ何処にも辿り着けないまま、居なくなってしまいそうだったから。」

『出会った頃のまどかをどう思ってた?』
「小さくて泣き虫で、あたしが守ってあげなきゃいけないって思った。」

『でもさ、それって対等に見てなかったって事じゃん。あたし友達として最低だよ…。』
「そりゃ確かにまどかの方が才能あるって聞いた時はちょっと嫉妬してたけど…。
 自分より身体の小さい子を守りたいって思うのは普通でしょ。
 あたしは身体張って守ってあげる事しか出来ないけど、まどかはそれ以上にあたしの支えになってくれる時あるし。」

『まどかってさ、明らかにあたしを見る目が他の人と違ったよね。何か気持ち気付いてたんじゃない?』
「一緒にゲーセン行ったり喫茶店行っただけで凄く嬉しそうだったなぁ。もしかしたら気付かないフリしてたのかも…。
 あたしにはずっと好きな人が居たし、そもそもまどかは女の子だし…。」

『心の何処かで逃げてたって事じゃん。あたし、なんでもっと素直になれなかったのさ…。』
「まどかの優しさに甘えてたのかも…。
 まどかは大親友だし、ちょっとくらい離れる時があったってきっとあたしが一番で居てくれるって思ってた。あたしって結構嫌な奴だ…。」

『それでもまどかは自分の側に居てくれるって思ってたんじゃない?』
「まどかは誰よりもあたしを理解ってくれるから、見方で居てくれるから、まどかが居る限りあたしは一人じゃないって思えた。」

『あたしっていつも誰かに言われなきゃ駄目だよね。自分の気持ちに素直になれとか、大切に思ってくれる人の事考えろとか…。』
「正直、女同士って怖かったんだ…。恭介が居なくなった心の隙間にまどかがどんどん入り込んで来る感じ…。
 自分から"好きだよ"なんて言ったら今までの関係が台無しになるんじゃないかって…。結局あたしって逃げてばかりだ…。
 まどかはあたしを強い子だとか頼りになるとか言うけどそんなの上辺だけなんだ…。
 喧嘩なんて全然強くないし、いざって時になると何かと理由付けて逃げようとするし…。」

『でもさ、知久さんが手を怪我した時、まどかに弁当作ってあげたよね。たいして料理上手くもないのに随分上手く出来たんだっけ。』
「あたし何本気になってんのかなって、自分でもよく理解らなかった。それから弁当あげた時のまどかの無邪気で嬉しそうな顔が今でも忘れられないんだ。」

『それってやっぱ…恋なんじゃないの…?』
「そう…かな…。元々恭介の為に始めたピアノをまどかの為に続けるのって、なんか理由ズルくないかな…?」

『まどかは絶対喜んでくれるじゃない? ちゃんと理由話せば何だって受け止めてくれるよ。』
「あはは…あたしやっぱまどかに支えて貰うばっかりかもしれないわ…。そう言うとまどかは否定するんだろうけどね。
 あたし、まどかにちゃんと言うよ。それでこの気持ちが間違ってなかったら……。」
『"後悔なんて、ある訳ない"でしょ?』
「違うよ。"奇跡も魔法もあるんだよ"ってね。」

おしまい。

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最終更新:2013年12月05日 18:09
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