163 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/15(月) 03:52:55.58 ID:KItjZwn20
まどか「さやかちゃ~ん」
まどかは甘えた声を出しながらさやかの横。ソファーの空いたスペースに腰を落とす。
さやか「んん~どした?まどか」
読書に耽っていたさやかは一瞬だけ紙面からまどかに視線を移し、再び読書に戻る。
片手で本を支え、もう片方の手でまどかを抱き寄せながら頭を撫でる。
まどか「なんでも。ただ呼んだだけ。なに読んでたの?」
さやか「ねじの回転」
まどか「どんなお話?」
さやか「世紀の傑作ホラー」
まどか「う、ホラー」
ほんの僅かにまどかの表情が引き攣る。
まどか「お、面白いの?」
さやか「あ~、いまいちよくわかんない」
まどか「よくわかんないの?」
さやか「まぁね」
まどか「面白くないのに読むの?」
さやか「え?あたし、面白くないとはいってないよ?」
そこで初めてさやかは顔を上げる。
まどか「え、あれ?そうなの?」
さやか「さすがに、面白くも無いもの読まないよ」
まどか「そうなんだ」
それからしばらく、まどかはさやかの横顔をじっと見続けた。
そして沈黙を破ったのもまた、まどかだった。
まどか「さやかちゃんはずるい」
さやか「は!?な、なに?突然」
突然の言葉にさやかは、完全にまどかへと向き直る。
まどか「だって、そうやって読書してるだけで絵になるくらい可愛くてカッコいいんだもん」
さやか「いやいや、そんなことないでしょ」
まどか「そんなことあるもん」
さやか「ふ~ん、ほうほう。つまりまどちゃんはこのさやかちゃんの横顔に見惚れてしまったと、そういうことですね?」
まどか「そうだよ」
さやか「え?」
まどか「ずっとずっと小さい頃から、私はさやかちゃんにベタ惚れなんだもん」
一瞬、虚を突かれた様な顔をし頬を紅潮させながら頭をかくさやか。
さやか「いや~照れますな。さしずめお姫様に見初められた王子様って感じ?」
茶化していうさやか、けれどまどかはどこか妖艶さを湛えた瞳でジッとさやかの瞳を覗き込みながらその首筋に両腕をまわす。
まどか「違うよ。さやかちゃんは、お姫様を攫って虜にしちゃったワルいワル~い魔女だよ?」
まどかはさやかの薄桃色の唇をついばむ。
さかや「まったく。甘やかしがいがあるな~」
困ったように笑ったさやかはまどかにされるがまま、自らそれを迎え入れるように、そっとその身をソファーに横たえた。
最終更新:2011年08月22日 17:55