482 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/17(水) 21:42:27.66 ID:5tA+6JSh0
ここら辺で家族ネタを絡めたSSが欲しいなーなんて思ったり
たっくんにべたべたなさやかに嫉妬しちゃうまどかとかとか
491 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/17(水) 22:48:59.43 ID:C1VWW0C10
>>482書いてみた
文句なしのいい天気。ウォータープルーフの日焼け止めをばっちり決めたさやかは、今日も勝手知ったる家のアイホンを鳴らす。
「まどかー遊びに来たよー!」
それからの反応はなかったものの、かちゃりと鍵の動く音。さやかは怪訝に思いながらも戸を引くと、真下から舌の足らない声が聞こえた。
さやかの腰程の身長の幼い子供。
「しゃーか!しゃーか!」
空っぽの水鉄砲をさやかに向けてかちゃかちゃ引き金を引く少年、タツヤに、さやかはおー!と歓声を上げた。
「たっくん!大きくなったねえ」
前に見たのはわずか一週間前だが、そこは言葉のあやである。
さやかはタツヤを慣れた手つきで持ち上げて、そのまま腕に乗せて乱暴に撫でる。
キャッキャと喜ぶタツヤに快活な笑みを向けて、そのまま片手で靴を脱ぎ揃えて上がり込む。
タツヤの歓声を割って響くセミの合唱にじんわり汗がにじんだ。ああ、この上ないプール日和!
さやかはなおも水鉄砲を向けて引き金を引くタツヤにくすくす笑って、その射出口を指先で塞ぐ。タツヤがあぅ、と残念そうな声を上げた。
「もうちょっと待ってなさい。パパが準備してくれてるから」
タツヤを抱えているとは反対の肩に下げたプールバッグがぽんぽん揺れる。二、三歩進んでその足が止まった。
「さやかちゃん!」
既に水着に着替えているのか、バスタオルでてるてる坊主状態のまどかがぱたぱたとどたどたのあいのこのような足音を立てて駆け寄る。
「やほーまどか。気が早いねえ」
さやかはからかうように片手をひょいと上げたのち、自分の穿いたスカートをたくし上げてみせる。
その肢体に収まるのは下着ではなく、彼女の眼や髪と同じ色をした水着。ちろっと舌を出して俯き、目だけをまどかに向けた。
「とか言っといて、あたしもこんなんなんだけど」
「さやかちゃんたら」
「しゃーかちゃんたあ」
口に両指を当てて笑うまどかにタツヤが便乗する。さやかはタツヤに目を向けると、こらあ、とその額を小突いた。
生意気いうんじゃないのっ、とタツヤを乗せた腕をゆする。タツヤがキャイキャイ笑うと、さやかはよろこぶなあ!と悪戯っぽく吠えた。
その横でまどかがぷうっ、と頬を膨らませて、尖らせた口から空気を吹きだした。
「さやかちゃん、もう行くよぉ」
「あれまどか、どうした?」
勿論それに気づかないわけがないさやかが言う。
「なんでもないもん」
まどかはぷいと背中を向けて、バスタオルをひらひら揺らして歩いていく。
親友のご機嫌が若干ななめなのはわかるものの、原因がわからないさやかはタツヤと揃って首をかしげた。
最終更新:2011年08月24日 18:18