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226 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/23(火) 12:00:42.71 ID:a/HffUWc0 [3/10]
初恋がお題と聞いて。
長編SSで使おうと思ったけど、ボツりそうなネタの残骸が丁度よさそうなんで投下してみます。
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ここの所、さやかちゃんの様子がおかしい。

理由を聞いても答えてくれない。

もっとも、答えてくれなくたってその理由は部屋から漏れる音楽の音ですぐにわかっちゃう。



バイオリンの音色。

曲目は『アヴェ・マリア』。

答えは簡単。



まどか「さやかちゃん!」

さやか「う、うわ! まどか!?」



何も言わずに急に扉を開ける。

中では、やっぱりと言うか…。

涙を焦って拭き取ろうとするさやかちゃんが居て…。

227 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/23(火) 12:02:13.86 ID:a/HffUWc0 [4/10]

まどか「また一人で泣いてたんだね…」

さやか「ごめん…………」



まず、流れていたバイオリンの曲を止める。

それから、申し訳なさそうに目を伏せるさやかちゃんの隣に座る。



さやか「最初はね…、バイオリンを聞こうと思っただけなんだ…。

    でも聞いてる内にね…。色んな事思い出してっ…。胸が締め付けられるように苦しくなって…」

さやか「でも、あたしは後悔しないって言ったから…。だから、まどかにもそう言う所見せたく無くて…」


さやかちゃんはいつもそう。

弱い所を見せようとしない。


無理して明るく振舞って…。

それが誰にも伝わらなくて…。

最後には潰れそうになるほど、自分を追いこんじゃう…。


以前のわたしだったら、そんなさやかちゃんを見てる事しかできなかったけど…。

でも、今は…。


228 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/23(火) 12:03:49.48 ID:a/HffUWc0 [5/10]

まどか「いいよ。わたしの前では強がらなくても」

さやか「でも………」


まどか「前みたいに、さやかちゃんがそうやって一人で苦しんでるのを見てる方が、わたしは辛いな…」

さやか「まどか…」


まどか「それにね。後悔するなって言うのは無理だと思う」


まどか「ママも言ってた。終わった恋は苦しいんだって。

    だから、しばらくはそれをずっと後悔するんだって」


まどか「強くて、かっこよくて、優しいママだってそうだったんだもん。

    破れた恋って、多分誰だって苦しいんだよ」


まどか「だから、泣いて良いよ。思いっきり後悔して良いよ。

    そうしてる内にいつか馬鹿馬鹿しくなって、忘れられるってママも言ってたから…」


229 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/23(火) 12:04:44.16 ID:a/HffUWc0 [6/10]

まどか「でも、一人では悲しまないで…。わたしはさやかちゃんが一人で苦しんでるのはもう見たくない…。

    だから、泣きたくなったら何時でも呼んで…?」


まどか「いつも、さやかちゃんがそうしてくれたみたいに…。

    今度はわたしが支えてあげるから…」


さやか「ッ…」

さやか「まどか…」


さやか「まどかぁぁぁぁぁぁぁ…」


まどか「うん…うん…」


それから暫くさやかちゃんに胸を貸して…。

わたしはわたしで思い出したのでした。


こうやって、泣きじゃくるわたしに胸を貸してくれたあの日…。

わたしの初恋の思い出を…。


230 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/23(火) 12:05:54.77 ID:a/HffUWc0 [7/10]

さやか「はぁ…。泣いたら少しすっきりした。

       ありがと。まどか」

まどか「てひひ…。どう致しまして」


さやか「それにしても、あのまどかママが失恋ねぇ…。意外だなぁ…」


まどか「そうだね。でも、初恋は実らないって良く言うよね。ママもそうだったみたい」

さやか「そっかぁ…」



さやか「そう言えばさ、まどかにも初恋の相手っていたの?」


まどか「どうしたの? 急に?」

さやか「聞いた事ないな~と思ってさ」


まどか「いるよ」

さやか「お!? あたしの知らない新事実!

    どんな人! どんな人! あたしの嫁のハートを射止めた罪深い奴はぁ!」



まどか「わたしの初恋の人はねぇ…」


231 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/23(火) 12:07:15.82 ID:a/HffUWc0 [8/10]

まどか「今、目の前にいたりして…」


さやか「へ…?」

まどか「てひひっ。やっぱり実らないね。初恋って」



さやか「…………」

さやか「そ、そんな事…」

まどか「………ん?」




さやか「い、今なら本当に嫁に来てもいんだぞ~!………なんて…」


まどか「本当…?」

さやか「え……?」


まどか「本当にお嫁さんにしてくれる?」


さやか「え…?/// あの…、その…///

    まどかは…、その…/// 本気で…?///」


まどか「お嫁さんにしてくれる…?」


232 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/23(火) 12:08:18.42 ID:a/HffUWc0 [9/10]

さやか「う…、うぅ…///」

まどか「てぃひひ。なんてね」

まどか「焦らなくていいよ。今さやかちゃんの頭の中、ぐちゃぐちゃでしょ?

    わたしは待つのには慣れてるから…」


さやか「ご……、ごめん……。

    まどかの気持ちがわかったから…。

    尚更…、いい加減な気持ちでは答えたくない…」


さやか「でも、でもね!」

さやか「あたしはまどかの事大好きだし、これからもずっと大好きだから…!///

    こ、これだけは約束する…!///」


まどか「さやかちゃん…」

さやか「う…/// あ、あたし何言ってんだろ…///」


まどか「てひひっ。ありがと。さやかちゃん」


233 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/23(火) 12:09:24.75 ID:a/HffUWc0 [10/10]
これは脈ありって見て良いのかな?

今のわたしには『大好き』って言葉だけでも十分だったりするけど…。


『初恋は実らない』

わたしもずっと諦めてたけど…。

そんなわたしの初恋は、遅くなったけど叶うかもしれません。



でも…。

もしも叶わなくても、私の気持ちはずっと変わらない。



わたしはさやかちゃんが『大好き』。

だから、ずっと傍にいる。


親友のままでも。

恋人になれても。

ずっと、ずっと…。


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以上になります
もうちょっと削れば良かったかな…

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最終更新:2011年09月05日 01:41
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