7-380

380 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/02(金) 19:47:01.91 ID:gAHetjDwO
そうですね…たまには原点に返らねば…

「うー、滲みるぅー!」
「もう…男子を追いかけて転ぶなんてさやかちゃんらしいよ…」
「痛~…ねぇ、まどかもっと加減してよー!」
「ダメだよさやかちゃん!加減して傷口がちゃんと治療出来なかったらもっと大変なことになっちゃうかもしれないんだから!」
「わ、わかったよ…やっぱり痛いーーーー!」
「我慢して、あとちょっとだからね?」
「ううっ…こんな時あっという間に怪我が治る魔法とかあればいいのに…」
「さやかちゃん漫画の読みすぎだよ…奇跡はともかく魔法はさすがにないと思うな…はい、終わりだよ」
「だよねぇ…あーあ、もし魔法があったら…」
「あったら?」
「…あれ?考えたら魔法使ってまで叶えたい事なんてないや、あたし」
「えぇ?それなのにもし魔法があったらとか言ってたの?」
「いやぁ、毎日充実してますから。家庭は円満だし、学校は楽しいし親友は二人もいるし…」
「好きな人もいるし?」
「っ!?ちょ、ちょっとまどか!」
「ウェヒヒ、でも確かにそう考えたらさやかちゃんって順風満帆な人生だね」
「おや、自分は違うと?」
「ううん、そんなことない!わたしも大好きなママやパパにタツヤ…さやかちゃんや仁美ちゃんと一緒にいられて充実してる毎日だよ!」
「嬉しい事言ってくれるね~…よし、こんないい子なまどかはあたしの嫁にしてあげよう!」
「えっ…えぇーーーっ!?おっ、お嫁さんなんて、わたし達まだ中学生だし、そもそも女の子同士だし…」
「ぷっ…くくっ…」
「ふえっ?」
「あはははは!もうまどかノリよすぎっ…ダメ…笑いすぎて死んじゃうっ…」
「さ、さやかちゃーん!!もうっ…」
「はは…ねぇ、まどか!」
「なに?」
「あんたとあたし、それに仁美もずっとずっと親友だからね!結婚して子供が出来てもずっと」
「…ううん、もっと先までだよさやかちゃん。もっと歳をとっておばあちゃんになってもわたし達はお友達だよ!」
「そっか…よーし、こうなったら見滝原一番の仲良しさんを目指すぞー!」
「オー!」


これはたった一年前…まどかとさやかが何も知らない子供でいられた日々のお話。
この場で語られたとてもささやかな夢…

『あたしって、ほんとバカ』
『やめて!もうやめて!さやかちゃん!わたしたちに気づいて!』

それがたった一年後に砕け散る事になるなど、二人は知らない。


原点に立ち返ったら鬱エンドになっちゃいました…

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最終更新:2011年09月22日 18:13
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