10-301

まど界。
ま「あっ、そろそろ時間だ。出かけなきゃ。ふふっ、『まどかの誕生日だから、今日は外で食事しよう』なんて、
  さやかちゃんいきなり言うもんだからお洋服選ぶのに夢中になっちゃった。
  さやかちゃん可愛いって言ってくれるかな……」
ガチャッ


ワーッ パチパチパチパチパチ
ま「!? え!? な、なに!?」
仁美「皆様、お待たせいたしました。新婦の入場です! 拍手でお迎えください!」
ま「ここ、教会!? なんで玄関開けたら教会に!?」
知久「さ、まどか、行こう。 腕組んで」
ま「パパ!?」

パチパチパチパチパチ
ま(こ、これ、バージンロード!? なんで私、こんなところ歩いて……えっ、客席にほむらちゃんがいる!?
  マミさんと杏子ちゃんも!? 和子先生もいるし、仁美ちゃんが司会やってるし、クラスのみんなもいる!?)
杏子「まどかーっ、おめでとーっ」
マミ「おめでとう、鹿目さん」
ほむら「……おめでとう、おめでとう、まどか……!」
ま(! ママとタツヤもいる! なんで……? みんな、もう会えないと思ってたのに……
  それに、祭壇の前で微笑んでるのは……!)
さ「……まどか」
ま「さやかちゃん……すごく綺麗……」
さ「へへっ、ありがと。ウェディングドレスなんてあたしにはガラじゃないって思ったんだけどさ、せっかくだからね」
ま「うん……。でも、なんで……なんでさやかちゃんそんな格好を……?」
さ「その前にさ、こんな格好で言うのもなんだけど……まどか、誕生日おめでとう」
ま「うっうん……。ありがとう……さやかちゃん」
さ「今年は色んなことがあったよね……あたしたちが魔法少女になって、魔女と戦って、
  つらいことも大変なこともたくさんあって、だけどまどかが女神さまになって、最後にはみんなが救われて……」
ま「うん……」
さ「で、そんなあたしたちを救ってくれたまどかに、あたしは何ができるか考えてみたんだ。
  一番頑張ったまどかに、今年の誕生日プレゼントとしてできるかぎり最っ高のものをあげたいって、そう思って」
ま「うん」
さ「だから、まどか。……あたしの全部、あげるよ」
ま「えっ……?」
さ「あたしの人生、まるごとぜーんぶまどかにあげる」
ま「さやかちゃん……それって」
さ「うん。まどか……あたしと結婚、してくれる?」
ま「~~~!!! ででで、でも、私、わわ私……」
さ「……いや?」
ま「いやじゃない! 全然いやじゃないけど! だだだって、さやかちゃんウェディングドレス着てるけど、
  私全然いつもの格好だし!」
さ「何言ってるの。まどかも綺麗だよ」
ま「へ? わ、私もいつのまにかウェディングドレス着てる!?」
さ「ね? あとは、まどかが『うん』って言ってくれるだけ」
ま「で、でも……」
さ「でも?」
ま「い、いいのかな!? 私こんな、こんな幸せでいいのかな!? だって私……」
さ「いいに決まってる。まどかのおかげで、あたしもみんなも救われた。まどかにはその全員分幸せになる権利があるんだよ。
  それに、誕生日プレゼントであるあたしとしては、まどかに受け取ってもらえないと、すっごく悲しいんだけどなー?」
ま「うん……。そうだね。さやかちゃん」
さ「はい」
ま「さやかちゃんを、私に下さい。絶対、幸せにします! 世界で一番、幸せにします!」
さ「……はい。よろしくお願いします」
ワーッ パチパチパチパチ ピュウーイッ

杏子父「病めるときも健やかなときも、お互いを愛し、慰め、助け、命のある限り誠実であることを誓いますか?」
さ「はい」
ま「誓います」
杏子父「では、指輪の交換を」
さ「なんか……照れるね」
ま「うん……」
さ「でも……嬉しい」
ま「うん……!」
杏子父「では、誓いのキスを」
ま「さやかちゃん……」
さ「まどか……」
ま(すっごくドキドキする……。ああ、さやかちゃんの唇がだんだん近づいて……さやかちゃん、さやかちゃん!)
ガバッ




チュン チュチュン
ま「……あれ? 朝日? 私……パジャマ? ここ……ベッド? えっ? えっ?」
さ「あ、まどかおはよう!」
ま「あれ、さやかちゃん普段着!? ウェディングドレスはどうしたの!? け、結婚式は!?」
さ「え? 何言ってんのまどか? まだ寝ぼけてる?」
ま「寝ぼけて……ということは……夢落ち……?
  ……そうだよね……誕生日にさやかちゃんと結婚式だなんて……出来過ぎてるよね。展開もすごく急だったし。
  私ったら、なんて夢見てるんだろう……。ああでも、さやかちゃんのウェディングドレス、綺麗だったなぁ……」
さ「ちょっと本当に何言ってんの? 一体どうしたのさ、まどか?」
ま「なんでもないの……ちょっとバカな夢見ちゃって……」





さ「結婚式は昨日したじゃない」
ま「……へ?」
さ「だーかーらー、夢じゃないってば! 昨日があんたの誕生日で、教会で結婚式やって、仁美や織莉子さんやキリカや
  魔女のみんなが祝福してくれたじゃない。ほら、あたしとあんたのウェディングドレス、そこに飾ってあるでしょ?」
ま「え……それじゃ、本当に……?」
さ「~~~! 覚えてないの!? ほら、あ、『あたしの人生全部あげる』ってプロポーズしたじゃん!」
ま「……さやかちゃん、顔まっかだよ」
さ「二日連続でこんな恥ずかしいセリフ口にしたら誰でもそうなるわよ! ああもう、これでわかった!?
  あたしとあんたは、結婚したの! これからずっと一緒なの! わかった!?」
ま「……信じられない」
さ「あんたねぇ……」
ま「キスしてくれなきゃ、信じない」
さ「……ふふっ。はいはいわかりましたよ。……まどか」
ま「ん……さやかちゃん」


「愛してる」

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最終更新:2011年10月11日 23:02
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