731 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/16(金) 00:24:57.31 ID:Tb2aIp1SO [1/3]
深夜なのでこんなSSを…
「はぁ…今日は使い魔も魔女も出てきて忙しかったなぁ…」
お風呂に入って濡れた髪を適当に拭いたあたしはベッドに飛び込む。
ぼふっという音と一緒にあたしを受け止めてくれる柔らかい感触を感じていると、つい数時間前まで命をかけて戦ってたのが嘘みたいだ。
「だけど、現実なんだよね」
中指に嵌めた青く輝く指輪は確かにあたしが魔法少女という死と隣り合わせの世界に生きてる事を証明していて。
でも、同じ左手に貼ってある可愛いキャラクターがプリントされた絆創膏を見れば暗くなりそうだったあたしの心はほんのり暖かくなった。
「まどかも心配性だよね~…あたしは怪我してもすぐ治るのに」
キュゥべぇ曰く、癒しの願いで魔法少女になったあたしは回復能力に優れてるらしい。
だからもうこの絆創膏の下の怪我はとっくに治ってるから本当は剥がしちゃってもいいんだけど。
でも、あたしは結局絆創膏を剥がしもしないで時々見てはニヤニヤしていた。
「本当にもう、まどかはしょうがないなー…」
たぶん嬉しいんだと思う、あたしが怪我した時泣いてくれる娘がいるっていうのが。
あたしは1人じゃないんだって思えるし、そんなあの娘を守りたいってよりいっそう励みになるから。
…ほんとはあたしみたいなルーキーがまどかを連れて魔女の結界を歩いてるのは褒められた事じゃないんだろうけど。
「…まどか、今どうしてるかな」
なんかまどかの事を考えてたら話したくなってきちゃったな…でも、あの子は11時には寝ちゃってるしなぁ…
「まっ、明日でも別に『ブー、ブー』あれ、電話…ってまどかっ!?」
732 名前:731続き[sage] 投稿日:2011/09/16(金) 00:27:17.81 ID:Tb2aIp1SO [2/3]
『あっ、さやかちゃん?夜遅くにごめんね』
「いや、それはいいけど。でもどうしたのまどか、あんたいつもならもう寝てる時間だよね?」
もしかして何かあったのかな…あたしが気づかない内に魔女になにかされたとかじゃないよね…?
『えっとね…別に大したことじゃないんだけど』
「うん…」
『さやかちゃん、今どうしてるかなぁって…』
「……えっ?」
ちょっとそれって…
『ご、ごめん!さやかちゃん、魔女退治で疲れてるよね…やっぱりまた明日……』
「……なんだ、考えてる事は一緒なんだね」
『さやかちゃん?』
「ねぇ、まどか。あたしちょっと今誰かと話したい気分なんだよね」
『へっ?』
「もしまどかが良ければ話し相手になってくれるとさやかちゃん、嬉しいなー」
『あっ……うん!』
まどかったら声色がわかりやすく明るくなったよ…ニコニコしてるのが目に浮かぶや。
「じゃあ何話そっか?今日はあたしがまどかの話したい事を聞くよ」
『えーっと…じゃあね、この前の事なんだけど…』
それからあたしとまどかは夜更かししていっぱい話した。
まぁ、一時間もしない内にまどかが限界になっちゃってお開きになったんだけどね。
「ふうっ…」
でも確信したよ…楽しそうに話すまどかの声、脳裏に簡単に浮かべられる笑顔…あたしはそれを絶対に失いたくないんだって。
だから守ろう、あたしの大切な友達を…どうしようもなく甘くて優しいあたしの大好きな親友を。
「今日は…最高にいい夢見られそう…」
明日はどんな話をまどかとしようかな…そんなことを考えながらあたしは眠気に身を委ねるように目を閉じた……
以上です!
最終更新:2011年10月22日 19:52