812 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/27(火) 00:57:40.61 ID:87R4QHlZ0 [1/2]
ここのスレのSSに触発されて自分も挑戦してみたら、
なにやらポエムのような歌詞のようなものができてしまった
せっかくなので恥を忍んで投下(2レス使います)。
「あの子の背中」
私の前にはいつも 見慣れた背中があった
目線より少し高く 青い髪 弾む声 これまでずっと…
1
あの日 水たまりから拾い上げられたのは教科書や弁当箱じゃなくて
寂しさの淵に沈もうとしていた 私自身の心でした
新しい学校 新しいクラスメイト 新しい友達
あの子の背中に隠れながら 私の新しい世界は始まった
肩越しに見える大人への階段は とても暗く険しく見えて
私一人で登ってゆくなんてとてもできそうにないけれど
いつも私の一歩先をゆく あの背中を追いかけていると
不思議ね 重い足取りもいつか 軽やかなステップに変わってゆく
2
好きな人にも嫌いな人にも 正面しか見せないあの子が
私にだけは その素直な背中を見せてくれる
左右で長さの違う襟足とか 首筋から微かに漂う香水とか
正面からは分からない 女の子らしいお洒落心も
肩越しに見せるその横顔は 優しく励ます笑顔だったり
分かり合えない切なさに苛立つ顔だったりしたけれど
その表情はどれもきっと 私にしか見せないもので
それを間近で見られるここは 私だけの特等席
814 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/27(火) 01:00:08.43 ID:87R4QHlZ0 [2/2]
812続き
3
ずっと夢中で追いかけてきた 希望という名のあの子の背中が
私の目の前で突然 絶望に変わった
嬉しいときも悲しいときも一緒だった 思い出の詰まった背中
見失った私は 母親とはぐれて雨の街を彷徨う子犬のよう
ずっとあの子の背中を見ながら 私は何を感じていたの?
あの子が本当に辛い時に 何の支えにもなれなかった
「かならずまもるよ」 聞きたかった言葉 もう聞こえない
「いつもありがとう」 伝えたかった想い もう届かない
4
恋に嫉妬に自己嫌悪 すべてを正面から受け止めて、壊れて
最後にはすべてを受け入れて 微笑んだあの子はとても眩しくて
それを手助けできたことが 私は誇らしくもあり
やっと追いついたあの背中に また一歩先に進まれてしまって寂しくもあり
大人への階段が消えた今 私たちの距離が縮まることはもうない
私の背丈があの子に並ぶ日が 永遠に来ないように
だけど… きっとこれが私たちの関係
出会った時から最高で いつまでも最高なままで
私の前には今も 見慣れた背中がある
目線より少し高く 青い髪 弾む声 これからずっと…
最終更新:2011年10月22日 21:48