9-908

908 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/28(水) 13:59:20.18 ID:lKdNSsRN0 [1/6]
今スレは仁美ちゃんが大いに奮ったようだから このSSはここに置いていこう


今日は秋の一大イベント運動会
運動の得意な子は勿論の事、運動の苦手な子ですらテンションがあがってしまう日
そんな中、他の生徒達とは少しばかり変わったテンションのあげ方をしている少女がここに一人

「あぁ~たまりませんわ 午前の種目だけでお二方の素晴らしいメモリーが既にこんなにも・・・・・」
「いいねぇ、よく撮れてるじゃないか あたしら父母は中にゃ入れないからね こんなアングルじゃ絶対に撮れやしないよ」
そう言って後ろから覗き込む女性、ここは父母席であるが少女―――志筑仁美の母親という訳ではない
女性の名は鹿目詢子、ご存知鹿目まどかの母親 その人である
「いえいえ これは私自身の趣味の様な物ですから それより詢子さんの方は?」
「こっちも抜かりはないさ 少しばかり見てみるかい?」
今度は詢子が取り出したカメラに食い入る二人
「流石ですわ・・・・・ 見事にお二方のベストショットを捉えておられます」
「まぁ 競技者でもある仁美ちゃんと違って、こっちは撮るだけだしね これ位はキッチリこなすさ」
「逆に私は外からのアングルは撮れませんもの、詢子さんがいて下さって本当に良かったですわ」
「後で互いに映像をコピーさせて貰うんだ、ギブアンドテイクってやつさ 礼は要らないよ」
「ありがとうございます 午後からの競技も全て余す所無くこのカメラに収めて見せますわ!」
「午後からの競技か 次に二人が一緒に出る競技ってったら二人三脚だな」
「いえ、違いますわ 次にお二方が出るのは借物競争ですわ」
「借物競争? 確かさやかちゃんが出るんだったね 勿論そこんとこはバッチリ収めるけどウチの子は出番ないだろう?」
「うふふ 確かに競技者としてまどかさんの出番はありませんわ しかし!借物競争には『借物』が存在しますの!!」
「借物・・・・・か 可能性としては無くはないだろうが、ちょいとばかし望み薄じゃないかい?」
「望み薄なんてとんでもありませんわ、まどかさんに出番が回ってくる確率は100%―――ですわ」
「100%!? 仁美ちゃん、あんたもしかしてサマでも仕込んだのかい?」
「イカサマというわけではありませんが、仕掛けをしたのは事実ですわ」
「何やったんだい? お題を全部同じものにした、とかじゃないだろうね 流石に問題になるよ」
「安心して下さいな、私そんな不恰好な真似はいたしませんわ」
「仕掛けには自信アリって事か・・・・・ よければどんな仕掛けを打ったのか、あたしにも教えてくれないかい?」
「構いませんわ。借物競争には5人の走者が出ます、つまりお題目も5つあると言う事になりますわ」
「まぁ、当然だね」
「そのお題目ですが。私が実行委員会に事前に手を回し、お題目をこちら側で指定した内容―――
『ピンク色のもの』『ツインテールの女子』『演歌好きな人』『名前に動物名が入っている人』『ペットを飼ったことのある人』
 という具合になっているというわけですわ」
「・・・・・・見事に全部まどかに当てはまる条件ばっかだねぇ」
「さやかさんなら、まどかさんに対するこの程度の情報は当然ご存知。となれば後は火を見るより明らかな結果が待っていますわ」
「他の走者が先にまどかを借りてっちまうって事は無いのかい?」
「その程度の事は当然織り込み済みですわ。さやかさんの出場するレースにさやかさんより早い走者はいません 心配御無用です」
「穴は無いって事か。なるほど、こりゃ楽しみだ」
「あら、もうすぐ午後の部の開始ですわね 詢子さんこの後も―――」
「任せときな バッチリ最高の瞬間を収めてやるよ」
「頼もしい限りですわ」

二人の会話が終わるのを見計らったかのようにチャイムが鳴り響く
午後の部開始の合図だ、これからも彼女達の手によって二人のメモリーはまだまだ増えていくだろう

おしまい

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最終更新:2011年10月22日 22:02
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