210 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/02(木) 19:43:43.24 ID:H8ganifPO [1/3]
言えない…>>198-200が本当は寝てるまど神様にキスしようとして全然出来ないヘタレさやかちゃんの話になるはずだったなんて…
とまあ冗談みたいな本当の話はさておき、今度はこんなまどさやエントロピーを投下させていただきます!
設定としては一応くっついた後です!
その日神様としての仕事が小休止状態だったまどかは、朝から寝室に籠って1人何かをやっていた。
「むぅ~…まどか…今日はデートだって張り切ってたのにー!」
そのため一緒に寝ているさやかはあれよあれよという間に部屋を追い出され、そのまま放置されている…せっかくの休みなんだからと考えていた彼女のデート計画は完全に潰れたようなもの。
「えへへ…完璧だね。次は…」
だからさやかとしては当然今の状況は面白くないのだが、いかんせん部屋の中から聞こえてくるまどかの声は楽しそうで邪魔するわけにもいかず…
「あ、ああっ、杏子後ろ後ろ!よし、ほむらナイスフォロー!おお、ティロ・フィナーレ決まったぁ!…………あたし、1人で何やってんだろ」
結局さやかはデート用に作っていたお弁当をつまみつつ、下界のかつての仲間達の奮闘を実況して時間を潰すくらいしか選択肢がなかった…
††
「出来たよ、さやかちゃん!」
まどかがそう言ってリビングに飛び込んできたのはもう昼過ぎの事。下での魔獣退治もとっくに終わっており、完全に暇を持て余していたさやかはジト目で何が嬉しいのかニコニコしているまどかを見る。
「おやおや、まどかさん。ずいぶんとご機嫌ですな~…」
「えっ…さやかちゃん、もしかして怒ってる?」
「べっつに!たまの休みなんだから2人でデートでもしようと思ってたのを潰されたからって怒ってませんよーだ!」
「さやかちゃん…」
まどかはさやかの態度にやってしまったと気付いた。さやかが実は人一倍淋しがりやだという事は、誰よりもわかっている自信があったのに。
「ご、ごめんね、さやかちゃん。で、でもさやかちゃんもきっとこれ気に入ってくれると思うんだ!」
そう言ってまどかがさやかに見せたのは…彼女と瓜二つと言っても過言ではない笑顔の人形
「…………何、それ」
「えっと、特製等身大まどか人形…あの、これがあればいつでも私を感じられるかなって…」
さやかちゃん、家だと1人きりだし…なんて言ってくるまどかにさやかは…
211 名前:210続き[sage] 投稿日:2011/06/02(木) 19:45:35.12 ID:H8ganifPO [2/3]
「まどか…ごめん!」
「へっ?」
「あ、あたしまどかがそこまで考えててくれてたなんて知らなくて、拗ねたりなんかして…嫌な気分にさせちゃったよね…あぁ…あたしってほんとバ「ダメーーーーーっ!!」っ!?」
自然に死亡フラグレベルの発言をしようとしたさやかをまどかは慌てて止める(実際もう死んでるようなものなのだから特に問題はなかったのだが…)
「も、もう…さやかちゃん油断も隙もないよ」
「えっと…ごめん」
「と、とにかく、はい!大事にしてね!」
「ありがとう!あたし、まどかがいない間はこの子をまどかだと思うようにするよ!」
「うん!で、あの…さやかちゃんがいいなら今からでも…」
雨降ってなんとやら…少しばかりのすれ違いはあったものの、なんだかんだで2人は休日を満喫したのだった…
……数日後……
「さやかちゃ~ん、ただいま~」
「むにゃむにゃ…まどか…」
「あっ、寝ちゃってるんだ。さやかちゃん寝顔も可愛いなぁ…………うん?」
まどかの視線の先にはさやかに抱き締められて笑顔のまどか人形…どうやらさやかはちゃんと使ってくれているらしい。
だが、それを見たまどかはなぜか人形に笑われてる気がした。
まるで【お前の居場所はもらった】と言われているような…
(なんだろう、すごく嫌な気持ちになる…この人形あげたのは私なのに…)
まどかが戸惑っているとさやかが寝返りをうち、その拍子に抱き締められている人形の顔が歪む。
それはまさに…まどかを嘲笑しているかのような表情だった
(ーーーーっ!!)
212 名前:211続き[sage] 投稿日:2011/06/02(木) 19:52:12.76 ID:H8ganifPO [3/3]
そして……
「うーん…よく寝た…」
「さやかちゃん、おはよう」
「あっ、まどかおはよう…………って、ひゃわあああっ!?」
すっとんきょうな声をあげるさやかだが、それも無理はない
なぜなら寝る前は確かに抱き締めていたはずのまどか人形が床に無造作に捨てられ、代わりに自分の腕の中にいたのが本物のまどかになっていたのだから
「えっ、うえっ、はれっ!?ど、どういう事っ!?」
さやかは目の前の状況をどうしても把握できず混乱してしまう。起きたら仮にも永遠に付き合っていくと決めた相手が密着しているのだ、混乱するなと言う方が無茶というものではないか。
「ごめんねさやかちゃん…人形を抱き締めてたさやかちゃんが幸せそうだったから、その…」
「あ、ああ~…そういう事か」
ゴニョゴニョと呟くまどかに何とか落ち着きを取り戻したさやかは焼きもちを焼いたんだなと察する事が出来た
…実際はもっと複雑なのだが、さやかはそれを知る由もない
「…怒ってる?」
「別に怒ってはないんだけど…すごくビックリしたかな」
「ごめんなさい…」
「いいっていいって!やっぱ抱き心地は本物のまどかが一番だからね!」
まどかが作った人形は確かに抱き心地抜群だった、この数日間よく眠れたと思う。だがさやかからすると1つだけ、どうしても足りないものがあったのだ
それは…
「え、えへへへ…そ、そうかな?」
「そうそう、たとえばここの感触とか…」
「ひゃっ!?く、くすぐったいよさやかちゃん…」
「よいではないか、よいではないか~」
「も、もう…さやかちゃんのバカァ…」
抱き合いながらイチャイチャしだすまどかとさやか。それを見ているまどか人形の笑みはどこか2人を祝福しているかのようだった…
(まどかの温もりが人形にはないから…なんてさすがに恥ずかしくて言えないよ…)
心の中でさやかがそんなことを考えていた事は誰も知らない…
以上です。
まどさやエントロピーの凄まじさに円環の理に導かれそうな今日この頃…
これなら宇宙だって確実に救えるかもしれない…いや、きっと救える!
それではまた長々と失礼しました!
最終更新:2011年08月15日 18:57