4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/10/14(金) 22:58:51.05 ID:v55CscNNO [1/2]
最近あたしは自分がわからなくなっていた。
「まどかはあたしの嫁になるのだー!」
それはあくまで他愛のない冗談…あたしの腕から必死に逃げようとしてるまどかだってそんな事わかってるし、あたしだって本気で言ってるわけじゃない。
―本当に?
だけど、逃げようとしながらも笑顔を見せてるまどかに、やめてと言いながらその癖どこか期待してるまどかを見てると…少しだけあたしの心はざわついてしまう。
「ありえない…よね」
そうだ…ありえない。まどかに対してドキドキしてるなんて。
あたしが好きなのは恭介だ、まどかは大切な親友だけどそんな目では見ていない…あたしはそう必死に自分に言い聞かせる。
―言い聞かせる?なんでもないならどうして言い聞かせる必要があるの?
そんな矛盾にあたしは目を背ける…直視したらいけない気がするから。
―そうやっていつまでも逃げてるの?
わかってるんだ、まどかが時々あたしを熱っぽい視線で見てるのも、最近仁美がよく恭介を見てて恭介もその視線に答えてる事も。
長年恭介の幼なじみとして一緒にいた勘からもうすぐこの日常に大きな変化が訪れる事、その結果が決してあたしの望んでいた結末じゃないのもわかってる。
わかってるのに…あたしだけは進めない、自分がもう長年抱えてきたものを諦めようとしてるのを認められない。
「まどかはあたしの嫁だー!」
だからあたしは繰り返す、冗談で隠す半分本気の想いを吐き出し続ける。
ごめんね、まどか…だけどお願い、もう少しだけこのぬるま湯な日常に浸らせて…
あたしは泣きそうな顔をまどかに見えないようにしながら、ドキドキしてる心臓の鼓動を誤魔化しながらその小さな身体を抱き締める腕に力をこめて>>1乙
最終更新:2011年11月06日 18:19