337 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/05(日) 21:07:14.39 ID:NPim2w69O [1/5]
今日もまた1日1まどさやの時間が始まる…というわけでSS投下させていただきます!
もうすぐあたし達の通う見滝原学園で定期テストがある。だから、テスト勉強しようよってまどかに誘われたあたしはまどかの家にお呼ばれしたんだけど…
「じぃーーー…」
「…………」
さっきから何かすごいまどかの視線を感じる…っていうか、口でじぃーっとか言っちゃってるしこの子。
「あのさ、まどか…あたしの顔に何かついてる?」
「えっ?」
「いや、さっきから見てきてるような気がしたからさ…何、わからないところでもあった?」
「えーっと…ううん、今のところは大丈夫」
そう言って視線をあたしからノートに戻すまどか。わからないところがあった訳じゃないならなんであんなに見てたんだろう…?
(おっと、いけないいけない!今日は仁美がお稽古でいないんだからあたしがしっかりしなくちゃね!)
まどかの視線は気になったけど、残念ながら苦学生であるあたしはそれだけに構ってばかりもいられない。あたしはどう考えても中学生で習う内容とは思えない数式の羅列を解くのに集中し始めた。
「…………」カリカリ
「…………」カリカリ
「…………」カリ…
「…………」カリカリ
「じぃーー…」
「…………」ピタッ
まただ、またまどかがあたしを見てる…
「……まどか」
「ふぇ?」
「ほんとどうしたの?またあたしを見てたみたいだけど」
「あ…ごめんなさい」
「いやいや、謝んなくてもいいよ!たださすがに勉強に集中出来ないからさ…なんで見てるかぐらいは教えてほしいかな?」
その時のあたしは、その質問に大した意味を持たせたわけじゃなかった。だって本当にただ気になっただけだもん。
338 名前:337続き[sage] 投稿日:2011/06/05(日) 21:09:33.25 ID:NPim2w69O [2/5]
「ええっ!?えっ、えっと…その…」
だけどまどかにとってはそうじゃなかったみたい。まどかは明らかに動揺して目をあっちこっちに泳がせてる…えっ、何よ、この反応?
「うう…あ、あのね…落ち着いて聞いてほしいんだけど…」
まどかはそう言ってスッと頭を伏せる。窓から差し込む夕日が伏せたまどかの表情を上手い具合に隠してどこか変な雰囲気に…って、まるで告白じゃないの、これっ!?
「さやかちゃん…」
ちょっ、ちょっと!いくらなんでもこれは予想外過ぎるって!
だってあたし達は女の子同士で親友で…それにあたしは恭介が好きで…
「あのね、その…」
意を決したようにまどかが伏せていた頭を上げてあたしを見る。顔を上げた事ではっきり見えたまどかの顔はとても真剣で…気のせいかもしれないけど、少し頬が赤らんで見えた。
「実はね、ずっと言おうと思ってたんだけど…」
ずっとっ!?嘘…まどか、そんな前からあたしの事を…?
「ま、まどか…」
ど、どうしよう…こんなのおかしいのに…あたし…ドキドキしてる…
「あたしは…」
まどかの為にも断らなきゃいけないのに…なのにあたしの口からは意味のない単語しか出なくて…
「さやかちゃん…ちょっと、ごめんね…」
「っ!?」
いつの間にか近くまで来てたまどかの手があたしの頬に触れて、顔がゆっくりと近付いてくる。止めなきゃ、まどかを止めなきゃ…そんな思いとは裏腹に、あたしは…そっと目を閉じてた。
(どうしてよ…なんであたし、期待してるのよっ!?)
もうわけわかんないよ…あたし、恭介が好きだったはずなのに…このまま…まどかに…
339 名前:338続き[sage] 投稿日:2011/06/05(日) 21:10:50.16 ID:NPim2w69O [3/5]
「うんしょ…うん、もういいよさやかちゃん」
「…………へっ?」
思っていたものが何も来なかった事に困惑しつつも、あたしは言われるがまま目を開ける。いつの間にか手に持っていたティッシュをくしゃくしゃにしてゴミ箱に捨ててたまどかは、さっきまでと全然違ってニコニコ笑っていた。
「…これどういう事?」
「あのね…さやかちゃん、家に来る前に『勉強の為には糖分が必要なのだ~!』ってクレープ食べたよね?」
「ああ、うん…」
確かにまどかの家に行く前にクレープ買い食いして、鼻に生クリームつけてたまどかを弄ったりしながらここに来たけど…
「さやかちゃん、帰り道からずっとつけてたんだよ?……ほっぺに生クリーム」
「…………はい?」
「本当は、すぐに教えてあげようと思ってたんだけど。さやかちゃん鼻にクリームついた私の事すごく笑うから仕返しのつもりでつい…でもちょっとやり過ぎちゃったよね…ごめんなさい!」
まどかが何か言ってるみたいだけどあたしの耳には全く届かない。
(じゃあ、何?全部、全部あたしの勘違いって事?
まどかがあたしを見てたのは頬にクリームがついてたからで、あんな変な空気だったのは今まで黙ってた罪悪感からで、頬が赤く見えたのは…本当に夕日が照り返してただけって事?)
「さやかちゃん…?」
340 名前:339続き[sage] 投稿日:2011/06/05(日) 21:17:14.00 ID:NPim2w69O [4/5]
(は、ははははは…あたし…馬鹿みたい。勝手に勘違いして、空回りして……挙げ句に、こんな気持ちになっちゃうなんて…)
ねぇ、まどか…あたしさ、さっきからずっとドキドキが止まんないんだよ。本当にどうしてくれんのよ…あたし、あたし…
「まどか、ごめん…あたし、今日は帰るよ」
「えっ?」
「怒ってはいないから安心して!だけど、今ちょっと勉強出来そうにないから…また明日学校でね!」
「さやかちゃんっ!?」
戸惑うまどかの声も、すれ違ったまどかのおじさんの挨拶も無視してあたしは鹿目家を飛び出す。そのまま何かから逃げるように走って走って走って…道のど真ん中であたしはガックリと膝をついた。
「どうしよう…あたし…本気に、なっちゃった…」
こんなにあっさり心変わりするなんて思ってなかった…でも、もう誤魔化せないよ…
「まどか…」
どうしてこんなことになっちゃったんだろう?あたし、いつも通りに普通に過ごしてただけなのに…
「まどかぁ…」
もう今までと同じ目で見られなくなっちゃった親友の名前を呼びながら…あたしは溢れてくる涙を抑えることも出来ずに泣き続けた…
以上です!
さすがに二時間クオリティではこんなものですかね…
まどさやはいつも引っ付きまくってますから、どちらかが恋に落ちるときもけっこう唐突なんじゃないかなぁ…と思い書かせていただきました!
ちなみにさやかちゃんはこの後テストは散々だったと思いますw
それでは毎度ながら失礼いたしました!
最終更新:2011年08月15日 21:28