2 名前:忍法帖導入議論中@自治スレ[sage] 投稿日:2011/10/26(水) 23:01:56.47 ID:EErS09et0 [1/2]
「きゃあっ!」
一瞬、何をされたのか分からなかった。暗い顔をしたさやかちゃんが私を訪ねてきて、部屋に上がってもらった途端に、後ろからベッドに
突き飛ばされたのだ。
「さやかちゃん……っ!? 何を……やっ、きゃっ!」
抗議の声を上げようとした私だったが、それよりも早くさやかちゃんの体が私の上に覆いかぶさってきた。普段のさやかちゃんならふざけ
ていると思うところだが、今のさやかちゃんはただただ無言で乱暴に私の体を仰向けにさせて手足の自由を奪い、ベッドに押し付けて
動けなくさせてきた。
「さ、さやかちゃん……!?」
さやかちゃんの荒々しい振る舞いに恐怖を覚え始めた私に、さやかちゃんは感情の感じられない冷たい声で言い放った。
「暴れんじゃないわよ……あんた、あたしのこと好きなんでしょ……? だったら、あたしの言うこと聞いてよ。めちゃくちゃにさせてよ!」
「えっ……!?」
混乱する間もなく、さやかちゃんは私のブラウスの前に手をかけたかと思うと、一気にボタンを引きちぎった。
「いやああ!」
叫び声を上げて抵抗しようとする私を、さやかちゃんは容赦なくさらに強い力で押さえつけた。私が全力ではねのけようとしてもさやかちゃんの
体はびくともせず、あまりの力の差に私は目の前が真っ暗になった。
「やだっ、やめて、やめてよっ! さやかちゃんっ! ん、むぅ!?」
激しく拒絶の声を上げる私の口を、さやかちゃんは自分の唇でふさいだ。その間にも私の服は次々に裂かれ剥がれ、肌が露わになっていく。
私の体は次第に抵抗の意思を失っていき、羞恥心と嫌悪感と恐怖に押しつぶされそうになっていた私は、いつのまにか泣きだしていた。
「ううっ、ひっく……やだっ……こんなの、やだよう……」
私が泣きだしてもさやかちゃんは一瞥もくれなかったばかりか、一言も発しないまま私の服を剥いでいく。それがまた恐ろしくて、私はただ
震えることしかできなかった。
「助けて……」
さやかちゃん、と続けようとして、そのさやかちゃんこそが私を襲っていることに気づいた。その瞬間、私の心は絶望に染まった。いつだって
私を守り、助けてくれたさやかちゃんが私を襲っているのなら、この世に私を守ってくれる人はもうどこにもいないんだ。
そう思い知った私は、すべてを諦めた気持ちになっていた。
さやかちゃんが再び私の唇をふさいだときは苦しかった。さやかちゃんが露わになった私の胸をわしづかみにしたときも痛かった。それでも、
私はもう逃げようとかやめてくれるようお願いしようなどとは考えなくなっていた。ただ目をつむって、さやかちゃんのなすがままになっていようと
思っていた。
3 名前:忍法帖導入議論中@自治スレ[sage] 投稿日:2011/10/26(水) 23:02:28.27 ID:EErS09et0 [2/2]
ついにさやかちゃんの手が私の大事なところに伸び、私これからめちゃくちゃにされちゃうんだと他人事のように思ったとき、ふと誰かの声が
聞こえた。
「うっ……ううぅ……」
それは、さやかちゃんの声だった。私の肌に、さやかちゃんの熱い涙の滴が落ちてきた。
「なんでよ……なんでなのよ……」
さやかちゃんの突然の異変に戸惑った私は、子供のように泣きじゃくるさやかちゃんをただ見つめていることしかできなかった。
「どうして、抵抗しないの……? どうして、こんなひどいことされても我慢していられるの……? どうして、まどかはそんなに優しいの……?」
「さやかちゃん……?」
「あたし、最低だ……こんなこと、まどかだって絶対嫌なはずだってわかってるのに……それなのに、まどかに八つ当たりして……まどかは、
何にも悪くないのに……あたし、もう救いようがないよ……」
両手で顔を覆い、自分のしたことの罪悪感に押しつぶされそうになっているさやかちゃんを見て、私は夢中で起き上がり、声を張り上げた。
「そんなことない! そんなことないよ、さやかちゃん!」
「……まどか……?」
「さやかちゃんは、ちゃんとやめてくれたよ。私が諦めちゃったのに、さやかちゃんはちゃんとやめてくれた……嬉しいよ。嫌味とかじゃないよ。
さやかちゃんはやっぱりさやかちゃんなんだなって……いつだって私を守ってくれるんだって……」
私の本心だった。襲った相手にこんなことを言うのもおかしな話だが、さやかちゃんがやめてくれたことが私は心から嬉しかった。
「……でも、あたしまどかの服破って、無理矢理キスして……まどかをいっぱい傷つけて……っ!」
「傷ついてなんかいないよ、むしろ嬉しい……。さやかちゃん、つらかったんだよね? どうしようもなくひどいことがあって、誰かに当り散らさずには
いられなかったんだよね? 嬉しいの、その相手に私を選んでくれて……。私が、さやかちゃんのためになれて、嬉しいの……」
さやかちゃんは私の言葉を聞いて、救われたような信じがたいような複雑な顔をしていた。
「信じられない? 私がさやかちゃんのために嘘をついてるんだと思う?」
「ううん……だけど……」
「じゃあ、信じてもらえるように証拠見せるね」
「え?」
私は座り込んでいるさやかちゃんの前に膝をつくと、さやかちゃんの顔を両手でそっとおさえ、ゆっくりと唇を重ねた。
「まどか……」
「私、さやかちゃんが好き。好きなの。さやかちゃんのために何かできる存在になりたいの。だから、これからは、いつでも私がさやかちゃんを
受け止めてあげるから。いっぱい八つ当たりしていいから。ね?」
「まどか……ありがとう……。本当に、ありがとう……」
私は再び泣き出したさやかちゃんを優しく抱きしめ、一緒に涙を流して>>1乙
最終更新:2011年11月13日 00:22