92 名前:忍法帖導入議論中@自治スレ[sage] 投稿日:2011/10/28(金) 01:00:24.69 ID:Rp5DaoMU0 [1/4]
SS職人さん乙!ロダのやつは後でゆっくり読ませていただきます。
>>前スレ895の
まどかちゃん舐めたな?!公平を期すべくさやかちゃんも舐めるべきだ!
というレスからSS書いてみましたがちょっと長くなってしまったので前後半に分けてうpします。前半はここに、後半はロダにうpします。
見滝原、某廃工場にて
「これでっ、終わりだぁっ!!」
ザシュッッ!!
さやかは閃光の如きスピードで一気に魔獣へ接近し、右手に握った剣を袈裟斬りに振り下ろし、魔獣を斬り伏せた。
斬り伏せた魔獣がグリーフシードを残して消滅したのを確認し、間髪入れず残党を警戒し周辺を見渡してみたが、魔獣の姿はもう無かった。
「さやかちゃんっ、こっちは終わったよっ」
警戒していたさやかのもとに、離れた場所で戦っていたまどかが駆け寄る。
「……よし、こっちももう残ってないみたいね」
さやかが呟くのと同時に魔獣の結界が解け、元の廃工場に戻った。
「ふぅ、一仕事終わりっと。おつか…ってまどか」
「え、どうしたの?」
「あんた、ほっぺに切り傷付いてるわよ」
さやかは労いの言葉を掛けようとまどかの方に顔を向けた直後、まどかの右頬にわずかに走る切り傷に気付いた。
「えっ、ほんとに?」
「ほんとよ。右側のほっぺに3センチくらい。痛くない?」
「うん、大丈夫。集中してたからかなぁ、全然気付かなかったよ」
「そっか。でも気を付けなよ。かすり傷で済んだからまだいいけどさ」
「うん。心配かけてごめんね」
「いいよ、でもこれからは気をつけよう。お互いにさ」
「そうだね、そうしよう」
「それじゃ、きっちりした反省会はまた後でしよう」
それよりも、とさやかが話題を変える。
「まどか。怪我、治してあげる」
「え?あ、いいよさやかちゃん。大したこと無いし、ほっとけば治っちゃうよ」
「何言ってんの。ちょっとの間でも女の子の顔に傷を残していい訳ないでしょ」
さやかはまどかの言葉を一蹴し、まどかの肩に両手で押さえた。
94 名前:忍法帖導入議論中@自治スレ[sage] 投稿日:2011/10/28(金) 01:04:09.31 ID:Rp5DaoMU0 [2/4]
「さ、さやかちゃん?」
「動かないで、んっ……」
ちゅっ ぺろっ
「あっ……」
さやかはまどかの怪我した右頬に口付け、傷口を一舐めし、最後にさやかの左手の親指でその傷口をスッとなぞると、傷口が綺麗に消えていた。
「これでよし。もう大丈夫よ」
「あ……うん。ありがとう、さやかちゃん」
「どういたしまして。それじゃ、拾うもの拾って帰りましょ」
「……ねぇ、さやかちゃん」
さやかが帰り支度を整えようとしたが、頬を赤らめたまどかに呼ばれ、その動きを止めた。
「ん、どしたの?」
「あ、あのね。今日は学校も早い時間に終わったし、パトロールもこれでおしまいだから、もうちょっとお話したいなって思ったんだけど……いいかな?」
「二人きり?」
「うん。さやかちゃんと二人きりで」
「そっか。よし!このさやかちゃんがまどかの話相手になってあげようではないか!」
さやかの答えにまどかは満面の笑みを浮かべた。
「ほんとに!?ありがとうさやかちゃん!」
ぎゅうっ!
まださやかちゃんと一緒に居られる!
まどかはその喜びの余り、さやかを思い切り抱きしめ、
「さやかちゃん、さやかちゃぁん……」
そしてさやかの首筋にすりすりと頬擦りを始めた。
「こらこら、じゃれつくのは後にしなって」
さやかはまどかをたしなめつつも、頬擦りをしている頭をわしゃわしゃと撫で回した。
「はふぅ……」
「まどか、嬉しいのはわかったからやることやっちゃお、時間は限られてるんだからさ」
「はーい♪」
まどかとさやかはグリーフシードを回収し、出発の準備は整った。
95 名前:忍法帖導入議論中@自治スレ[sage] 投稿日:2011/10/28(金) 01:04:50.19 ID:Rp5DaoMU0 [3/4]
「んじゃ、いつもの高台にする?」
「うん。ここからなら近いし、そこにしよ」
「りょーかい。さ、まどか姫」
「うん。それじゃ失礼します。さやか姫♪」
「ちょ、ちょっと!姫って何よぉ……」
「え?だってさやかちゃんは女の子じゃない。だったらお姫様だよっ」
「そ、そっか……」
まどかは言い終わると同時にさやかの首の後ろに両手を回し、さやかは照れで顔を真っ赤にしながら少ししゃがんでまどかを膝裏から持ち上げた。
俗に言う『お姫様抱っこ』の状態である。
抱えられたまどかは回した両手に力を込め、体をしっかりと密着させた。
「んん~、あったか~い」
「ふふ、ちゃんと掴まってなさいよ。それから口も開けちゃ駄目よ。舌噛んじゃうからね」
「うんっ」
「それじゃっ、行くわよっ!」
さやかは気合いと共に、跳躍を開始した。
そして空中で魔法陣を展開、それを踏み台にして、さやかとまどかは見滝原の空を舞った。
最終更新:2011年11月13日 07:21