422 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/01(火) 19:53:42.47 ID:rmmLpaOz0 [1/2]
私たちの体の重なり合っている部分から、さやかちゃんの荒い息遣いが伝わってくる。
今まで体験したことのない感覚に戸惑いつつも、お互いの熱い吐息がかかるような距離で、私たちは黙ってお互いの体温を感じていた。
普通なら、こんなことにはならないのだと思う。それでも、私はさやかちゃんの体温が感じられる場所にいられることがとても嬉しかった。
私たちのすぐ近くから、仁美ちゃんの声がする。その声を聞いたさやかちゃんはちょっとたじろぎ、不安そうな表情を浮かべた。
どうすればいいか、様子をうかがっているようだ。やがて大丈夫だと判断したさやかちゃんは、自分の体の位置を移した。
新しい体勢で、次の動きに備えて息を整えている。顔にかかった髪の間からは、私達の結末を案じるかのような表情も垣間見える。
再び仁美ちゃんの声がしたが、私はさやかちゃんが感じているような不安は感じていなかった。どうなろうとも、そのときはそのときだ。
さやかちゃんと一緒ならば、何も怖くはない。仁美ちゃんの気配を感じながら、私もさやかちゃんに合わせるように体の位置を変えた。
一度離れた二人の距離が今また縮まって、二人の間の空気がいっそう熱を帯びた。
みたび仁美ちゃんの声がしたとき、さやかちゃんの様子が変わった。行きつ戻りつ体を動かしながら、体勢を変えることに
明らかなためらいの様子を見せている。
そうしてそろそろと体勢を変えると、急にさやかちゃんから余裕がなくなった。このまま続けていると、さやかちゃんの方が
先に力尽きそうな様子が明らかに見て取れる。けれど、さやかちゃんはそれを懸命に隠そうとしていた。
私は自分の動きにあえて時間をかけながら、涙を浮かべて必死にこらえ続けるさやかちゃんの表情が次第に追い詰められていく様を見つめ続けていた。
そして、ついに限界を迎えたさやかちゃんが圧し殺した叫び声をあげて私の上に倒れこみ、二人のゲームは終わりを迎えた。
さやか「あ~、負けたぁ。ツイスターゲームには自信あったんだけどなぁ」
最終更新:2011年11月15日 00:40