380 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 20:44:24.21 ID:D5GMkTIIO [1/4]
まどっちはさやかちゃんのプリンセス、さやかちゃんはまどっちのプリンス…本当にこの2人は最高だと思います!
それはそれとして今日も1日1まどさや!
今回はまど界を舞台にしたSSをお送りさせていただきます!
ちょっと切な目かも?
「まどか…あたし、まどかとさよならしなきゃいけない」
(えっ、さやかちゃん?なんで、なんでそんなこと…)
「…ごめん。だけど、あたしもう…まどかと会えないよ」
(ま、待って!さやかちゃん、私が…私が何かしたなら謝るから!だから…)
「さよなら…」
(待って!さやかちゃん、私を1人にしないでぇぇぇぇっ!!)
††
「っ!!」
目を開いた私の目に最初に飛び込んできたのは、真っ白な天井と電灯の紐。いつもと変わらないその光景に、私はさっきまでの事が夢だったんだって理解する。
(あぁ、私また見ちゃったんだ…さやかちゃんがいなくなる夢…)
さやかちゃんが魔法少女としての使命を終わらせて私の所に来てからもうすぐ1年…
最近の私は毎日さやかちゃんがいなくなってしまう夢を見続けていた。
「…気持ち悪い」
あんな夢を見てたから汗がすごい流れてる…心臓だってバクバク言って壊れそう。いくら概念で死ぬことはないと言っても、こんなことが毎日続けばさすがに疲れちゃうよ…
「さやかちゃん…」
さやかちゃんの名前を呼べば、私のざわついてる心はちょっとだけ落ち着く。でも結局さやかちゃんはこんな時近くにいないんだって現実を思い知らされて、もっと憂鬱になった…
381 名前:380続き[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 20:46:15.46 ID:D5GMkTIIO [2/4]
美樹さやかちゃん…私の親友で、初恋の人。他の魔法少女達の前では救う立場でいなきゃいけない今の私が寄りかかれる唯一の人。
「私…さやかちゃんが好き…大好き…」
言葉にすればたったそれだけ…なのに私がそれをさやかちゃんに伝えられた事は一度としてなかった。
だってさやかちゃんは普通に男の人が好きだから…私のこの気持ちが受け入れてもらえないのは目に見えてるもん…それこそさっきの夢みたいになっちゃうかもしれない。
「苦しいよ…さやかちゃん…」
こんなに辛いなら、概念になった時キュゥべぇみたいに感情もなくしちゃえばよかったのかな?
そんな弱気な事を考えて…私はすぐにそれを否定する。
だって確かに辛いけど、悲しい時もあるけど…さやかちゃんを好きになった事は後悔してないから。この気持ちがあったから私はこうしてやっていくことが出来たから…
「さやかちゃん、どうしてるかな…」
さやかちゃんを抱き締めて眠りたい…でも、きっともう寝ちゃってるよね…
「それにまた甘えん坊とか言われちゃうかな…」
前に一緒に寝ていい?って聞いた時は「まどかは甘えん坊だねぇ」って笑われちゃったし…
「いいや…今日は。この気持ちを出さなきゃ…まださやかちゃんとは一緒にいられるもん」
でも、もし許されるなら、いつかはこの気持ちを受け入れてほしいな…そんなことを思いながら、私はさやかちゃんの代わりには到底ならないぬいぐるみを抱き締めてベッドに戻った…
382 名前:381続き[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 20:48:41.93 ID:D5GMkTIIO [3/4]
††
あたしは…魔法少女の姿でまどかを襲っていた。身体が勝手に動いて剣を振り、まどかの肌を傷つける。
「やめて、さやかちゃん!」
まどかが叫んでる…必死に、泣きそうな顔で…あたしを止めようと叫んでる。なのにあたしはそれを無視してまどかの柔肌に剣を突き立てようと何度も襲いかかった。
(待って、やめてっ…)
あたしの叫びは声にならない。心で叫んでも身体はまるで別の意思を持ってるみたいにまどかを攻撃し続ける。
「さやかちゃん…きゃっ!?」
逃げてたまどかが足をもつれさせて転んでしまう。あたしの身体は足を止めるとまどかに止めをさすためだろう…剣を振り上げた。
(やめてぇっ!!まどかを、あたしの、大切な人を…これ以上傷つけないでよぉっ!!)
願いは虚しく、あたしは…まどかに向かって剣を振り下ろす。
―最後に見たまどかの顔は…ただただ悲しみに満ちていた…
††
「いやあっ!!」
悲鳴と共に、あたしは悪夢の世界から逃げ出せた。だけど、夢だってわかってても…あたしの身体は小刻みに震えてしまう。
「ひっく、ううっ、まどか…まどかぁ…」
涙が止まらないよ…あたしは夢とはいえまどかを殺してしまってる…親友のはずのあの子を何度も何度も…
でも一番怖いのは、これが現実にあり得たかもしれないってこと。魔女になったあたしがまどかを殺していたかもしれないって事実が…一番怖かった。
「ごめんね…まどか…ごめんなさいっ…」
夢の出来事を謝ったってまどかが聞いたら困るだけ…そんなことわかってるくせにあたしはまどかに謝り続ける。
だってあたしは…そうでもしなきゃ自分自身を許せない…
ははは、なんだ…結局この謝罪も自分のためなんじゃん…ほんと最低だな、あたし…
383 名前:382続き[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 20:55:01.31 ID:D5GMkTIIO [4/4]
「まどかぁ…ごめんなさいっ…好きになって、ごめんなさい…」
あたしがさらに許せないのは、夢でそんなことをしといてまどかの一番になりたいなんて思ってる自分自身。
いつからかはもう覚えてないけど…今のあたしは、まどかを親友としてではなく1人の女の子として見てしまっていた。
「どの面下げて言ってんだろうね…自分でも呆れるよ…」
まどかはどう思うのかな…親友だと思ってるあたしが自分を恋の対象として見てるなんて…
(きっと気持ち悪いと思われて終わりだろうな…)
今こうしてまどかと暮らせてるのだって、あたしがまどかにとって親友だからだろうし。この気持ちを表に出したら最後、夢のようなここでの生活も一瞬で壊れるんだろうね…
「だったら…あたしは、絶対にこの気持ちを言わない」
それが一番いい方法なんだ…そうわかってても、心は鈍い痛みを訴え続けてきて…あたしはまたボロボロと涙を流し始めてしまった。
「痛い…あたし、痛み消すの得意だったのに…なんでこの痛みは、消せないのよぉ…!」
あたしは、枕に顔を押し付けてひたすら泣き続ける…夢を見たくないから眠ることも、寝てるだろうまどかを起こしたくないから歩き回る事も出来ない。
「まどかぁ…まどかぁ…」
もし許されるなら、あなたを好きでいることを許してください…そんなことを思いながら、あたしは全てから逃げるように布団を被った…
以上です!
両片思いって切ないけどいいよね…特に元々仲良しだとさらにいい!
まどっちもさやかちゃんも相手の反応が怖くてなかなか切り出せない…そんな繊細な心を持ってると思います。
まぁ、いつかはまどっちが我慢出来なくなりそうですが…
最後に自分の携帯の予測変換が【ま】はまどか~、【さ】はさやか~で埋まってます…どんだけまどさやが好きなんでしょうね自分はw
それでは失礼いたしました!
最終更新:2011年08月15日 21:29