13-176

176 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/08(火) 01:39:20.17 ID:JIoN2i+i0 [1/2]
「映画化のお話はやはり本当ではありませんでしたか……。かくなるうえは、やはりわたくしがメガホンを取るしかありませんわね!
 というわけで、これからは常時カメラを回してお二人を撮影していることにしましたわ。
 お二人はどうかわたくしのことはお気になさらず、普段通りにしててくださいな」
「って言われても……」
「仁美ちゃん、学校も放課後も、ずっとカメラ持ってるの?」
「ありのままのお二人を撮りたいんですの。わたくしはいないものだと思っていただいて結構ですわ」
「うーん……」

「放課後折角ゲーセンに来たっていうのに、やっぱり仁美はあたしたちがゲームしてるの撮影してるだけ……」
「映画には必要なんだろうけど……仁美ちゃんだけのけものにしてるみたいで、なんかつまんないよ……」
「あたしたちは三人揃ってないとね……」
「さやかちゃん……」
「うん。ねえ、仁美。仁美もカメラ置いてさ、こっちおいでよ」
「あら、それはいけませんわ。わたくしがお二人と一緒にいたら、誰がカメラを持つのですか」
「いいよ、カメラなんて。私たちは仁美ちゃんと一緒にいたいんだよ?」
「仕方ありませんね。では、今家の者を呼んでカメラを持たせますから、しばしお待ちくださいな」
「……仁美!」
「仁美ちゃん!」
「な、なんですの……? わたくしはお二人のために……」
「そんな四六時中カメラ向けられてたらさ、あたしたちだって落ち着かないし、仁美だって楽しくないでしょ?」
「仁美ちゃん。『ありのままのお二人を撮りたい』って言ってくれたけど、仁美ちゃんがいなかったら、私達の『ありのまま』じゃないよ」
「お二人とも……」
「だってさ、つまんない思いしながらカメラに残すよりさ、一緒にいっぱい楽しい思いして、思い出に残す方が素敵じゃない?」
「私達は、そうしたい。また三人で遊ぼうよ。いっぱいおしゃべりしようよ。ね?」
「……はい。わたくしが愚かでしたわ。道具にとらわれるあまり、本当に大切なことを見失っていたなんて……お恥ずかしいですわ」
「わかってくれたんならいーのよ。じゃあ、仁美も一緒にこれやろうよ! クイズゲームだからさ、三人で一緒に考えよ?」
「そうだよ。私、さやかちゃんと二人だけじゃ半分も正解できる自信ないもん」
「おっ、まどか、それどーいう意味!? あたしには期待できないってこと!?」
「そんなこと言ってませんよーだ。ほらほら、早く! 始まっちゃうよ! 私達の間に座って!」
「ふふふっ。はいっ!」

映像に残っていなくても、三人がいっぱい遊んで、いっぱいおしゃべりしたことは、永遠の思い出。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年11月20日 12:30
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。