442 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/10(木) 23:11:03.00 ID:hQWv5BsM0
SS投下しようとしたら2レスじゃできなさそうなのでロダに上げました。
なぜか昨日からはさやかわいいとまどかわいいが頭から離れなかったので。
天国、鹿目邸、リビングのソファーにて
入浴後、ソファーにて憩いの時間を過ごしている二人。
さやかは、まどかの今日のお勤めの成果に感心し、まどかの労をねぎらった。
そしてまどかは、さやかとその身の回りの出来事の話に、微笑みながら耳を傾けていた。
そんな緩やかな時間を過ごしている最中、まどかはさやかの肩にもたれかかりながら話しかけた。
「ねぇ、さやかちゃん」
「ん、なぁにまどか?」
「さやかちゃんって、可愛いよね」
「え…ちょ、ちょっと何言ってんのよいきなり」
「ん?何言ってるのって…さやかちゃんの横顔見てて可愛いって思ったから、可愛いって言ったんだよ」
「あ、ぅ…そ、そっか」
「うん」
「…まどか」
「なに?」
「ありがと…嬉しいよ」
さやかは照れで顔を真っ赤にさせ、俯きながらもまどかの髪を優しく撫でながら感謝の気持ちを伝えた。
「あはっ、さやかちゃんさやかちゃんっ、うりゃー(ホッペムニー」
「きゃっ、もうどうしたのよ。いきなりはしゃいじゃって」
「あのね、嬉しかったの。だってさやかちゃんがわたしの言葉を受け入れてくれたんだもん」
「あ、あー…そういう事か」
「うん。そういう事。ウェヒヒヒッ」
さやかはバツが悪そうに、視線をまどかからあさっての方向に向けた。
その時さやかは、しばらく前にその『可愛い』という言葉が元でまどかと喧嘩した事を思い出していた。
「あの時はさ。さやかちゃん、いくら言ってもわたしの言葉信じてくれなかったよね」
「うっ、そんなことないわよ…でも…」
「うん、わかってるよ。さやかちゃん、自分に自信が足りなかっただけだもんね」
「……うん」
「だけどあの時は、さやかちゃんが必死になって否定するもんだから、わたしもムキになっちゃったよ」
「まさかあたし達の親しくしてる知人全員に分霊飛ばして確かめるとかびっくりしたわよ。それ以降しばらくその子達から生暖かい目で見られるし…」
「うん。でも確かめた甲斐が有ったよ。みんな色々理由は違ってもちゃんと答えは一緒だったよね」
「ま…まぁね」
「それを伝えて、わたしと話し合って、それでやっと認めてくれたんだよね」
「だって、確かめた人達が嘘吐くなんて思えないし。それにあんただってあたしに真剣に伝えようとしてくれたじゃない。
だったら……まだちょっと照れくさいけど、その、あんたが…その…」
「うんっ」
「あたしのこと…可愛いって思ってくれてる事、受け入れるわよ」
「うんっ!嬉しいよっ、さやかちゃん」
「あたしも…あんたにそう言って貰えるのとっても嬉しいよ…ありがとう、まどか」
さやかは目を細めて俯いていた顔を上げ、まどかの髪を優しく撫で続けた。
まどかは髪を撫でる感触に身を委ね、さやかのなすがままになっていた。
そしてしばらくの時間が経過したとき、まどかが口を開いた。
「あ、そうそう。さやかちゃん」
「ん?」
「今日、お仕事の帰りにエリーちゃんと会って面白い言葉を聞いたんだけど」
「へぇ、どんな言葉?」
「えーとねぇ、さやかちゃんは『さやかわいい』って」
「…え?どゆこと?」
「だから、さやかは『さやかわいい』んだって」
「ちょ、何それ。『さやかわいい』って何?」
「あのね、エリーちゃんがネットで拾ったって言ってたんだけど、さやかちゃんの笑顔とか、仕草が可愛いことを総称して『さやかわいい』なんだって」
「仕草って…んなモンどこで見てんのよ…ったくもぉ」
「照れてる照れてる♪やっぱりさやかちゃんはさやかわいいなぁ」
「あー、まどかあたしのことからかってるでしょ?」
「んーん、そんなことないよ。ティヒヒ」
「ふーん、そう。じゃああたしがさやかわいいって言うんならさ」
「ふぇ?」
さやかはにまぁっと意地の悪そうな笑顔を浮かべながらこう言った。
「あんたは『まどかわいい』じゃない」
「え、ええっ。ちょっと何それぇ!」
「『まどかわいい』ってのはね。小さくてぷにぷにしてて、ふわふわで、まどかの可愛さが駄々漏れになってることを言うのよ」
「だ、駄々漏れなんだ」
ここでさやかが意地悪な表情から一転、真面目なものへと変わる。
「そうよ。あんたの仕草や表情が、可愛くて愛らしくて抱きしめたくて、もうしょうがなくなるの。そういう事を全部ひっくるめて『まどかわいい』なの」
「…そうなんだ」
「そゆこと。ちなみに今のは嘘なんか吐いてないからね」
「…うん、分かってるよ」
「ありがと、さやかちゃん」
「っ!」
もたれかかるまどかの重みとその感触、そしてさやかの鼻腔をくすぐるまどか自身の香り、そしてまどかの浮かべる微笑が急速にさやかの理性を少しずつ削り取っていき
「さやかちゃん、大好きっ」
この一言がとどめになった。
さやかは何も言わずにまどかの耳元へ顔を寄せる。そしてまどかが反応する前にその耳元で呟いた。
「まどか、もっと可愛くしてあげる」
「きゃっ」
さやかは素早くまどかをソファーに押し倒した。
「さやかちゃん…もう一回言って。よく…聞こえなかったよ」
「いいよ。何度でも言ってあげる。まどか、もっと可愛くしてあげるよ」
(さやかちゃん…どうしよう、心臓止まらないよぉ…どきどきしてる)
(まどか…瞳が潤んでる…とっても可愛い)
まどかは意を決してさやかの顔にキスをする手前まで自分の顔を寄せた。
「じゃあ、お姫様抱っこでベッドまで連れてってくれる…?」
「いいわよ」
「っ!!」
短い一言であったがまどかの鼓動をさらに加速させた。
(さやかちゃんずるいよ…何でさっきまで可愛かったのに急にそんなにかっこよくなっちゃうの…?)
まどかがさやかに心奪われているその間にさやかはソファーから降り、素早くまどかの背中と膝裏に腕を通し、スクッと立ち上がった。
「まどか、しっかり掴まって」
「は、はいっ!」
まどかは緊張の余り思わず敬語で返してしまったが、さやかはそんなまどかに微笑みだけを返し、何も言わずに寝室へと向かった。
間もなく寝室に到着したさやかは、まどかを丁寧にベッドに降ろし、さやかはまどかの上に覆いかぶさるようにして顔の両脇に腕を立てて、体を支えた。
「さやかちゃん…」
「なぁに?」
「今日はわたしの事、さやかちゃんの好きなように可愛がって…」
まどかのその問いに対するさやかの返事は言葉ではなく
ぺろっ
「っっ!」
まどかの唇への一舐めと、満面の笑みであった。
以上です。
最終更新:2011年11月20日 12:52