154 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/19(土) 00:51:06.36 ID:HSPlYynQ0 [1/4]
流れを読まず、さらに当日には間に合いませんでしたが雪見だいふくSS投下
地上、見滝原中からの帰りにて
さやか「よーし、公園到着ー。ベンチはっと…お、空いてるね。まどか、仁美、行こっ」
まどか「うんっ」
仁美「わかりましたわ」
さやかは先ほど寄ったコンビニの戦利品を両手に一つずつ持ち、まどかと仁美を促して公園内のベンチに向かって歩を進めた。
そしてベンチに仁美・さやか・まどかの並びでそれぞれベンチに腰を掛けた。
ちなみに、さやかの持つコンビニ袋の中身についてまどかと仁美は教えられていない。さやかの買い物の間は近所の本屋で時間をつぶすようにさやかが要請したためである。
さやか「さぁーて、さやかちゃんがさっき買ってきたこいつのお披露目といきましょーか」
まどか「何かなぁ、仁美ちゃん」
仁美「んー…さやかさん、それは食べ物の部類でしょうか?」
さやか「お、いい勘してるじゃない仁美。そう、食べ物だよ。
まぁもったいぶってても仕方ないから今出すね……(ガサゴソ)じゃーんっ」
さやかがビニール袋から取り出したもの。それは…
まどか「雪見だいふく…だね」
仁美「雪見だいふく…ですわね」
さやか「そ。いやー、何だかコンビニの中のアイスコーナーのとこ眺めてこれに目が行ったときにさ、急にこれ食べたくなっちゃったんだよね」
電波を感じたんだよねぇ、こう、ビビビッ!っとと続けるさやかにまどかが心配そうに話しかける。
まどか「でもさやかちゃん。食べたくなったのは分かるけど外、結構寒いよ?」
仁美「ええ、体を冷やしてしまうかもしれませんわ。大丈夫なでしょうか…」
さやか「ふっふっふっふ。もちろんこの外の寒さなんて織り込み済みよ。ほらっ」
さやかは自信満々の表情を浮かべながら、もう一つの袋からペットボトルの緑茶(ホット)を取り出した。
まどか「あ、ホットのお茶かぁ。これがあるなら心配ないねっ」
仁美「ふふ、さすがに暖かい飲み物なしでアイスを食すのは、少々苦労してしまいますわ」
さやか「いやいやいや。この寒さに温かい飲み物なしでアイスとか罰ゲームじゃなんだからさ」
まどか「そりゃそうだよねぇ」
仁美「そうですわねぇ」
さやか「さ、いつまでもお茶とアイス持っててもしょうがないからさっさと配るわね。はい、まどか。仁美もっ」
さやかはテキパキとアイスとお茶を二人に手渡した。
155 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/19(土) 00:54:21.20 ID:HSPlYynQ0 [2/4]
さやか「よし、ちゃんとアイスとお茶持ったわね。それじ「ちょ、ちょっとお待ちになってくださいっ」…え?どしたの仁美」
仁美「いえ、あの。まださやかさんにアイス代とお茶代をお支払いしてないと思いまして…」
まどか「そ、そうだよ。まださやかちゃんにお金払ってないよっ」
さやか「あー、いい、いい。今日はあたしのオゴリってことでさ」
仁美「それはいけませんわ。前々からお約束していたとかならまだしも…」
まどか「う、うん。そうだよぉ…」
さやか「うぅん、お金は本当にいいの。なんたってこれはぶっちゃけた話、あたしのワガママだし」
まどか「ワガママ…?」
仁美「我が儘…ですか?」
さやかの『我が儘』という言葉にまどかと仁美が怪訝な表情を浮かべる。
さやか「そ。こんな寒い日に『雪見だいふくが食べたい』っていうあたしのワガママ。それに二人を付合わせてるのよ。ここは一つそういうことでさ、ね?」
さやかの言葉にまどかと仁美は、しばらく視線を合わせ何かを考えていたが、答えが出たのか二人は頷いてさやかのほうに視線を戻した。
仁美「わかりました。さやかさんの我が儘に今日はよろこんでお付き合いさせていただきましょう。ただし」
さやか「仁美…?」
仁美「私が我が儘を言いたくなったときには問答無用でさやかさんにお付き合いして頂きます。スケジュールの都合等、重要なこと以外での拒否は認めません。それでもよろしいですか?」
さやか「…うん、わかった。じゃああんたがワガママ言いたくなったときにはさ、ちゃんとその時にスケジュール合わせて最後まで付き合うよ」
仁美「ありがとうございます。それではこのアイスとお茶。遠慮なく頂きますわ」
さやか「うん。そうしてちょーだいっ」
まどか「わたしも。仁美ちゃんと同じかな」
さやか「まどかもか」
まどか「うん。わたし、さやかちゃんのワガママに、喜んで付き合うからさやかちゃんもわたしのワガママに付き合ってね」
さやか「うん、いいよ。あんたも仁美もワガママなんて滅多に言わないからどんな内容か今から楽しみだわ」
まどか「あ、内容は今言うね。今度の日曜日にわたしと一緒にお買い物しよっ」
さやか「今度の日曜?」
まどか「うん。服とか買いに行きたいなって思ってたんだ。予定空いてるかな?」
さやか「大丈夫っ。日曜ならおっけーよ」
まどか「よかったぁ。じゃあその日はわたし、わがまま言い放題だから覚悟してね?ウェヒヒヒ」
さやか「ふふっ、何言い出すのかホント楽しみね」
仁美「おめでとうございます、まどかさん♪」
まどか「ありがとっ。仁美ちゃん♪」
まどかと仁美はさやかからの言質を取り、二人手を取り合って喜びを分かち合った。
156 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/19(土) 00:56:37.07 ID:HSPlYynQ0 [3/4]
さやか「よっしゃ。じゃあ話もついたところでさ、雪見だいふくパーティー始めよっ」
まどか「あはっ、何だか良いね、雪見だいふくパーティーって」
仁美「ええ、パーティーって言葉が付くだけでなんだか楽しい気分になってきますわ」
さやか「でしょ?さ、アイスの封開けて…お茶のキャップも開けて…準備できたね?」
まどか「こっちはいいよ?」
仁美「問題ありませんわ」
さやか「では、」
まどさや仁「「「いただき(まーす)(まーすっ)(ます)」」」
ぱくっ
さやか「んんんん~~」
まどか「つめた~~いっ」
仁美「でも、美味しいですわぁ」
こうして、3人のささやかな、それでいて賑やかなパーティーが公園の寒空の下で始まった。
アイスを食べて冷えた体を、温かいお茶を飲んでその体を温める。そんなことを繰り返しながら3人は談笑も交えながら緩やかな時を過ごしていた。
そんな時…
さやか「ん~、つめはいへもおいひ~♪」
まどか(くすっ、さやかちゃんのほっぺぷくーって膨らんでる。可愛いなぁ……っ!)
まどかはさやかのアイスを頬張らせて様を見て、とあることを思いついた。
まどか「ねぇ、さやかちゃん」
さやか「ん?どーしたの?」
157 自分:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/19(土) 00:58:39.41 ID:HSPlYynQ0 [4/4]
まどか「アイスの雪見だいふくも美味しそうだけどさ…こっちのも美味しそうだよね」
つんつんっ むにむにっ
まどかはさやかの片頬を、自身の指でつんつん突いてみたり、むにむにと摘んだりと好き放題していた。
さやか「ん~(ツンツン)、あたしのほっぺがどうかした?まどかぁ~(ムニムニ)」
まどか「あぁ…さやかちゃんのほっぺ、むにむにでふにふにで美味しそうだなぁ」
仁美「あら、それは是非私も堪能させて頂きたいですわ(ツンツンムニムニッ)」
さやか「えっ?」
まどかの行動に呼応するように、仁美もさやかの空いてる頬をいじり始めた。
さやか「ちょっとぉ~(ツンツンムニムニ)、仁美までぇ~(ムニムニツンツン」
仁美「まぁ、まどかさんの言うとおりですわね。肉付きもよく、とても柔らかくて大変美味しそうですわ」
さやか「もぉ~、ちょっとやめてよぉ(ツンムニツンムニ)」
まどか「ウェヒヒヒヒッ、さやかちゃん変な顔♪」
仁美「うふふっ、面白いですわ♪」
さやか「誰のせいだと思ってんのよぉっ。まったくもーあんたたちはぁ…あははっ♪」
まどかはさやかにちょっかいを掛けながら笑い、
仁美はそんなまどかとさやかを見て微笑み、
さやかは言葉だけは怒りながらも、親友二人が笑ってるのを見てそれに釣られてさやかも笑った。
それはとてもささやかで、だけど何物にも変えがたい素敵な時間。雪見だいふくと温かい緑茶が生み出す素敵な時間。
そんな時間を、3人は心行くまで楽しんだ。
以上ですっ。
最終更新:2012年08月04日 16:10