14-392

392 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/21(月) 02:16:46.54 ID:skGGnc3k0 [1/2]
>>384-387 乙です! 確かにお腹減ってきたw
こちらは昨晩の仁美ちゃん押しの流れに乗って、仁美視点の7話妄想補完を投下

思えば、その時のわたくしは、まだ何も気づいておりませんでした。
自分の行為の独善さにも、やがてそれが引き起こす悲劇にも。

大切なお友達の幼馴染みであり、おそらくはもう恋仲に近いであろう殿方への恋慕の情。
世間的に見れば、それは卑しむべき破廉恥な行為なのでしょう。
わたくしは、自分自身の本当の気持ちと向き合ってみました。
自分の気持ちを彼に伝えるべきなのかどうか。
そうして辿り着いた結論は…
お二人との友情と彼をお慕いする気持ち、そのどちらも同じくらい大切だということでした。

振り返れば、中学入学の時に出会って以来、わたくしたちはいつも一緒でした。
明るくて勇気があり、正義感の強いさやかさん。
目立たないけれど、きめ細かい心配りのできるまどかさん。
お稽古事の愚痴をこぼしたり、大きなあくびをしたり。
そんな風に自分をさらけ出せるお友達ができたのは、初めてのことでした。
そして、時を同じくして深まってゆく、同じクラスの彼への想い…
けれどその恋は、わたくしたちの友情とは相容れないものだったのです。

堂々と自分の気持ちを告白して、駄目ならきっぱり諦める。
そんな風に割り切れたら、どんなに楽なことでしょう。
事が事だけに、こればかりは気軽にお二人に相談するわけには参りません。
集団幻覚騒ぎに巻き込まれたときも、寝不足のわたくしを気遣うお二人に、
「精密検査、めんどくさいなぁ」と、自分の悩みに蓋をしたのでした。
実際、その頃のわたくしは、自分の中の葛藤に向き合うことに疲れていました。

393 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/21(月) 02:18:54.02 ID:skGGnc3k0 [2/2]
>>392 続き

わたくしが自分の気持ちを圧し殺せば、それでよかったのかもしれません。
その代わり今後ずっと、わたくしは隠し事をしたままお二人と付き合っていかねばなりません。
わたくしは、これ以上自分の気持ちに嘘を吐きたくありませんでした。
そして、そのことをお二人が喜ぶとも思えなかったのです。
たとえ今までと同じ関係が続けられなくなったとしても、このまま隠し事を続けるよりはずっとましだ…
退院した彼の姿を見かけ、自分の想いの深さを改めて確かめたとき。
わたくしの気持ちは固まりました。

わたくしよりずっと長い時間彼のことを見つめてきた彼女に、勝つ自信なんて勿論ありませんでした。
それでもわたくしは、大切なお友達を相手に、抜け駆けや横取りするような真似はしたくない。
それは、これまでずっと一緒にいてくれたお二人が教えてくれたこと。
たとえ恋に破れても、友情が失われても、守るべき大切なこと。
そうすることが、お二人の友情に報いる最善の方法である…
その時のわたくしは、そう信じていました。

そして、その時のわたくしは…嗚呼、本当に何も気づいておりませんでした。
 「さやかさん」
その言葉が友情どころか、二人の親友の存在まで消してしまうことになるなど知りもせずに。
 「今日の放課後、大切なお話がありますの」


以上です!

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最終更新:2011年12月02日 23:08
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