14-510

510 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/22(火) 23:33:44.62 ID:T3era6fo0 [3/7]
さてそれでは1日の締めにいい夫婦の日SSを…


その日家に帰ったあたしを出迎えたのは…半壊した家とその中心で泣く嫁だった…

「…………」
「うっ、ひっく…」

…………よし、ちょっと状況を整理してみよう。
今日はいつも通りまどかを目覚めのキスで起こして(まどかはこれをしないと起きようとしない)
朝ごはんをあーんで食べさせてあげて(まどかはこれをしないと朝ごはんを食べてry)
行ってらっしゃいのキスをして魔法少女達のお迎えに行くまどかを見送って(まどかはこれをしないとry)
その後あたしは家庭菜園の様子を見て、掃除や洗濯して、買い物して…

…うん、とにかくいつも通りの1日だったね。

「っ…うええん…」

…じゃあなんでまどかが泣いてんのよ、バカ!!
いつまでも現実を見ない自分を罵倒しつつ、あたしは座り込んで涙をボロボロ溢してるまどかの傍による。
まどかはあたしが寄るとなんでか身を縮こまらせたけど、まどかが怪我とかしてないか気が気じゃなかったあたしにはそんなのどうでもよかった。

「まどか!!怪我してないっ!?どこか痛かったらすぐに治して…」
「だ、大丈夫…くすん」
「そっか、ならまずは一安心だ…」

聞きながら身体を見てみたけど本当に怪我はないみたい。
だけど、そんなあたしの安心は…まどかの服を汚してる白い液体によって一気に霧散した。


511 名前:510続き[sage] 投稿日:2011/11/22(火) 23:35:08.40 ID:T3era6fo0 [4/7]
「っ!?(こ、これまさか…)」

そんな…そんなのって、嘘、嘘だ…まどかが、まさか…
誰よ、こんな事したの…
まどかが神様なのが気に入らない連中の仕業?
それともまどかに惚れたやつがいて、だけどもう既婚者で叶わない恋心をぶつけるためにこの子に危害をくわえたとか?
…いや、動機なんかどうでもいい。とにかくあたしの嫁をこんなに傷つけたやつ…絶対に許さない…

「まどか、辛かったね」
「えっ?」
「ごめんね、あんたを守ってあげられなくて…あたし旦那失格だよ…」

情けなくて泣きたくなるよ…まどかはあたしが守らなきゃいけないのに。
今まであたしを支えてくれた分、この子に恥じない旦那になろうって決めたのに…あたしは肝心な時にこの子を…

「さ、さやかちゃん違…んっ…!」
「ん…でも安心しなさい、あたしがこのままじゃすませないから」

だけど辛いのはまどかなんだ、ここはあたしが泣く場面じゃない。
あたしはしっかり頼りがいのある旦那としてこの子を安心させてあげる事…

「あんたを傷つけたやつは絶対に探し出してやるから…だからもう…」
「ち、違うのぉっ!」
「違う?何が違うのよ!だってまどか、こんなにいっぱい…………あれ?」

おかしいな…さっきは動転しててわかんなかったけどこの白いの甘い匂いがするような…

「ちょっとごめん」
「あ…」

あたしはまどかの服についた白い液体を指ですくうと…意を決して舐めてみる。
…うん、甘い。間違いない、これは生クリームだ。

「まどか」
「ううっ…」
「何があったか説明」
「は、はいぃぃぃ…」


512 名前:511続き[sage] 投稿日:2011/11/22(火) 23:41:46.34 ID:T3era6fo0 [5/7]


「あの今日は、いい夫婦の日だからさやかちゃんに楽させてあげようって思って…」
「だからあたしに内緒で早く帰ってきて家事してたわけ?」
「う、うん…腕によりをかけて夕御飯作って、ケーキも焼こうとして…」
「オーブンを爆発させて持ってた生クリームをぶちまけた、と」
「うん…」

はぁ…しょげてるまどかを見てたら怒る気は失せたけど…すごく疲れた。
まぁ、それはまどかが無事だったから気が抜けちゃっただけなんだけど…なんかくやしいから本人には言ってあげない。
というか、あたしが気に入らないのは別にあるんだけどね。

「あのさあ…あたし本当に心配したんだよ?まどか、尋常じゃないレベルで泣いてたし」
「ううう…」
「あといい夫婦の日なのにあたしに内緒で色々してたとか…」

そう、あたしが一番気に入らないのはまどかが1人で盛り上がってた事。
いい夫婦の日だっていうのにあたしだけ置き去りにしてたってのはおかしいでしょ。

「いい夫婦の日なら一緒に過ごしてよ…あたしと1日中一緒にいて、一緒に家事して、一緒にご飯作って…そんなんであたしはスッゴい幸せになれるんだよ?」
「でも…」
「わかってる、あたしに楽してほしかったんだよね?だけど、まどかが家事してるのを見てるだけなんてあたしはやだ」

あたしは今だって神様として飛び回ってるまどかを見てるだけ…この上こういう時まで傍観者なんてそんなの堪えられるわけない。
あたし達は…並んで歩いていくって決めたんだから。

514 名前:512続き[sage] 投稿日:2011/11/22(火) 23:47:04.30 ID:T3era6fo0 [6/7]
「ねぇまどか、今からでも二人で協力してごちそう作って、それで楽しく過ごさない?考えたらあたし、こっち来てからまどかと一緒に料理してないしさ」
「…いいの?わたし、きっとさやかちゃんの足引っ張っちゃうよ?」
「いいっていいって、まどかのドジには慣れてますから」
「ひ、ひどいよ!わたし、ドジじゃ…ないこともない、けど」
「ははは!自分でもわかってんじゃん!」
「わ、笑わないでよー!」

そう、これでいいんだ。
特別なんかじゃなくていい、ただ一緒にいて笑えればそれでいい。
あんたが隣にいてくれるだけで、あたしは幸せになれるんだもん。

「ふーん…じゃあまずはこの惨状の片付けで汚名挽回してもらおうじゃんか」
「まかせて!わたし、頑張って汚名を挽回しちゃう……あれ?」
「ぷっ…あははははは!!」
「さ、さやかちゃーーーん!!」

例え友達だって、恋人だって、夫婦だって、それは変わらないんだよ…だってそれがあたしとまどかなんだ!

「ははは、あたしの嫁は可愛いなぁ、もう!」
「ううっ…さやかちゃんのバカァ」
「んー…そりゃそうですよ、だってあたしは…


最高の幸せバカなんだからね!」

だから二度と離れないからね、あたしの最高のお嫁さん?

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最終更新:2011年12月04日 15:41
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